BTSの世界的な成功は、闘わずして勝利を収めたのか? 世界の音楽ファンをときめかせた欧米のボーイズバンドは一体どこに消えたのか? ボーイズバンドの歴史と、K-POPアイドルの躍進を併せて、ボーイズバンドの現状を確認してみる。
世界の音楽シーンにおいて、独歩的なボーイズグループになり、1強体制をしっかり固めているBTS(防弾少年団)。

BTS 1強!世界で最も熱い人気を集めているボーイ・バンド、BTS(画像出典:BIG HITミュージック)
優れた音楽性やパフォーマンス、ファンの心を揺さぶるメッセージ性の強さなど、世界のトップに躍り出た理由は溢れているのだが、”ボーイ・バンド”というポジションも、成功の要因と言えるだろう。
実は近年、”ボーイ・バンド飢饉”と言われるほど、世界で頭角を現す男性グループがいない。
*ボーイバンド:通常は結成の際に十代か二十代の複数の若い男性歌手で構成されるヴォーカル・グループとして緩く定義される(意味出典:ウィキペディア)
だからなのか、BTSの成功に冷ややかな視線を送る音楽ファンもいる。
ボーイ・バンドの歴史
ボーイ・バンドが広く知られるきっかけとなったのは、おそらくビートルズ(Beatles)だろう。1960年に結成され、世界的な反響を呼んだ伝説的なボーイ・バンドである。彼らの登場以降、世界各地で彼らをベンチマークしたバンドが結成されたと言われている。
ポップの本場アメリカでは、1950-60年代にマイケルジャクソンが幼少期に活躍したジャクソン5(Jackson 5)やオズモンズ(Osmonds)のような兄弟や家族でチームを結成し、人気を博したボーイ・バンドも流行。
1980年に入り、現在のボーイ・バンドの根幹をなす、ダンスとボーカルのトレーニングを受けたアイドルグループが続々と登場する。代表的なのが、ニュー・エディション(New Edition)や、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック(New Kids On The Block)だ。

ニューキッズオンジャブロック(New Kids On The Block)(画像出典:namuwiki)
特にニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックは、『Tonight』『Step By Step』が爆発的ヒットを記録し、当時は今のBTSのような世界的な人気を博していた。
命脈が途切れたアメリカ発のボーイ・バンド
1990年代には、”ボーイ・バンドの教科書”と言われるバックストリート・ボーイズ(Backstreet Boys 通称BSB)をはじめ、テイク・ザット(Take That)、イン・シンク(NSYNC)など、アメリカ発の人気ボーイ・バンドが世界の音楽市場を総なめに。彼らの人気と影響力は、韓国の音楽プロデューサーにも大きなインスピレーションを与え、2000年代以降のK-POPブームにも一役買っていると言われている。

“ボーイズバンドの教科書” バックストリートボーイズ(Backstreet Boys)(画像出典:namuwiki)
しかし何故か、バックストリートボーイズとイン・シンクを最後に、アメリカ発のボーイ・バンドの系譜は途切れてしまった。その原因として、ヒップホップミュージックやブラックミュージックの台頭、アイドル音楽への食傷などが挙げられている。
以降、ボーイ・バンドへの需要を供給したのは、非アメリカアイドルだった。代表的な例が、2010年に結成されたイギリスのボーイ・バンド、ワン・ダイレクション(One Direction)である。しかし、そんな彼らも2015年以降、公式的な活動を中断している状態だ。
2015年以降は、BTSを筆頭としたK-POPボーイ・バンドが台頭。2021年現在、世界のファンから最も熱い視線を注がれているボーイ・バンドは、ほぼK-POPアイドルである。
ホワイ・ドント・ウィー(Why Don’t We)やプリティマッチ(PRETTYMUCH)など、”Made in USA”ボーイ・バンドも登場しているが、人気や話題性は、かつてのアメリカンボーイ・バンドには遥かに及ばない。
K-POPアイドルの人気に再燃するボーイズバンドブーム
K-POPアイドルの人気に刺激を受けた、アメリカの音楽関係者も奮起したのか、ボーイ・バンドの制作に力を入れているという。
80、90年代の育成、制作、プロモーション方式を根本から変え、
- オーディション番組で選抜
- 長時間に渡るボーカルやダンスのトレーニングを行う
- SNSを通してファンと交流
- ボーカル、ダンスだけでなく、多岐に渡って活躍できるマルチエンターテイナーを目指す
といった、K-POPアイドル方式を取り入れているようだ。
さらに、K-POPの”成功法則”を、欧米現地に持ち込み、現地アイドルの育成・制作の計画を打ち立てる韓国企業も登場。BTSやTXTを輩出したHYBE、K-POPブームの立役者であるSMエンターテインメント、NiziU(ニジュー)という現地アイドルを成功的にローンチしたJYPエンターテインメント、オーディション番組の名家CJ ENMなど、そうそうたる企業が”挑戦状”を送り付けている。
(関連記事) HYBE – SM – CJ、K-POPの3強がアメリカ大陸で激突!各社の戦略とは
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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