最近、有名K-POPアイドルグループに所属する中国メンバーは、ほぼ”共産党アイドル”呼ばわりされており、彼らが批判の的になっている。韓国ネットでは近年、このような中国アイドルを退出させるべきという声が高まっており、擁護論を展開するファンとの対立の様相を呈している。
最近、韓国ニュースサイトに頻繁に取り上げられるほど、話題となっている”共産党アイドル”の文字。
*中国共産党を支持するK-POPアイドルという意味で、有名アイドルグループの中国人メンバーは、ほぼ”共産党アイドル”と呼ばれている。
*中国共産党:中国大陸の唯一の指導政党で、世界で2番目に大きい政党。
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何故なら、彼らは自国の共産党政権を支持する発言を、SNS上で行っているからだ。
その面々を見ると、EXO(エクソ)のレイ、SEVENTEENのジュンとTHE8、NCTのロンジュンとチョンロなど、K-POPシーンの第一線で活躍するトップアイドルばかり。

7人組ボーイズグループNCT DREAM。左から、マーク、ロンジュン、ジェノ、ジェミン、チソン、ヘチャン、チョンロ(画像出典:NCT DREAM公式FaceBook)
この一連の行動に、韓国ネットでは近年「このような中国アイドルを退出させるべきだ」という声が高まっており、擁護論を展開するファンとの対立構造ができつつある。
昨年から続いている、アイドルたちの共産党支持に対し、何故韓国人は、神経質にアレルギー反応を示しているのだろうか? また、擁護論を主張するファンの根拠は一体、どのようなものなのだろうか。
韓国歴史の汚点、朝鮮戦争
1950年6月25日、北朝鮮の軍事挑発により勃発した*朝鮮戦争。
*朝鮮戦争:韓国では”6・25戦争”もしくは”韓国戦争”と呼ぶ。海外では”Korean War”が一般的な名称。
約3年にも及んだ戦争は、500万人を超える死傷者を出したと言われている。1953年に結ばれた休戦協定はいまだに有効であり、厳密に言うと韓国と北朝鮮は現在、休戦状態である。そのため韓国は、世界で唯一の”民族分断の国”という汚名を着せられている。
この戦争で、北朝鮮の後ろ盾となったのが中国共産党だ。中国共産党の参戦により、戦争は一進一退の状況が長引くことになる。韓国人からすれば、中国共産党の参戦さえなければ、数百万人の死傷者を出さずに終わっていたたはずの戦争なのだ。
だからなのか、韓国人の持つ中国共産党のイメージは”戦犯”に近い。
その中国共産党が昨年、朝鮮戦争参戦70周年を迎え、”抗米援助(米国に対抗して北朝鮮を助けた戦争)”を大々的に宣伝。中国共産党への尊敬と愛国心を鼓吹した。

13人組ボーイズグループグループSEVENTEEN(画像出典:SEVENTEEN公式Twitter)
韓国で活躍する中国アイドルもこれに賛同し、中国のSNSには支持の意を表すアイドルたちの書き込みが相次いだ。中国ファンの目には、愛国心と所信を持つアイドルに映ったのだが、その一方で、韓国人の機嫌を損ねる事態へと発展してしまう。
さらに今年、中国共産党が創設100周年を迎え、多数の有名アイドルが祝賀と支持を表明。今年は「韓国伝統文化の起源が中国である」という”*東北工程”が問題となり、中国に対する韓国人の感情は悪化の一途をたどっていた。そんな矢先に、中国アイドルの”共産党支持”が報道されたため、アレルギー反応を見せているのだ。
*東北工程:中国が、朝鮮半島の古代国家とされる高句麗(こうくり)・渤海(ぼっかい)の歴史を、自国の歴史に編入しようとする歴史歪曲のこと。
ファンの擁護論とは
しかし、韓国全土が中国アイドルを糾弾しているわけではない。
一部のファンを中心に「中国アイドルの立場を理解するべき」という擁護論を主張する声が上がっている。
彼らの論調を簡単に紹介すると、
- 中国アイドルは、中国現地ファンを獲得するために選ばれたメンバーであり、中国ファンの顔色を伺わざるを得ない立場にいる。好感度が下がってしまうことは、チームにとって大惨事
- 中国共産党が、宣伝のために芸能人や事務所を圧迫している。従わないと、中国での活動が難しくなる
と、主に2つだ。中国での芸能活動のためにも、中国共産党への支持は”オプション”ではなく”必須”ということを理解すべきだというのだ。

9人組ボーイズグループEXO(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
問題は、中国アイドルへの擁護が、中国共産党の”言いなり”という認識につながり、これが明白な侮辱行為に当たるという批判なのだ。こう批判する人たちは「侮辱行為への黙認は、さらなる侮辱行為につながる恐れがある」と、擁護者たちを追い込んでいる。
極端な方法論を展開する人々は、「韓国政府が、行政的な処置を加える必要がある」と声を上げる。韓国国内での活動制限など、国家の威信をかけて積極的に制裁を加えるようにと、主張しているのだ。
***
日本-韓国、韓国-中国、日本-中国‥。
東北アジアでの民間交流、例えば、大衆文化やスポーツイベントなどは、歴史と外交の問題がしばしば絡み、予期せぬ出来事に繋がるケースがある。
批判と擁護が、それぞれ”言い分”を持って譲歩なく対立を繰り返すのであれば、交流の持つ本来の意味は色褪せてしまう。
問題解決の糸口が見えない現実は、嘆かわしいのみだ。
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