韓ドラの魅力は、バラエティーに富んだ恋愛模様と言っても過言ではない。

その中でも、叶わなかった初恋や時を経て偶然の再会を果たした初恋相手など、”初恋”をテーマにした作品は根強い人気を誇る。しかし”初恋”をテーマにした韓国映画も、実は名作は多い。そこで今回は、恋愛モノが好きな方におすすめしたい”初恋”を題材にした、韓国映画の名作3本を紹介したい。

『建築学概論(2012)』

1本目は、アクションやサスペンスの大作が”ヒットの定番”と言われてきた韓国映画界で、初めて恋愛映画で大ヒットを記録した『建築学概論』を紹介する。

『建築学概論』(画像出典：movie.naver)

本作は、建築事務所での勤務経験を持つイ・ヨンジュ監督が、シナリオを温めてきたという”街と建築・時間と空間”というコンテンツを、初恋に結びつけるというユニークで繊細なラブストーリーだ。

ヒットの理由は、世代を超えて多くの人が共感できる”切ない初恋の記憶”を描いたからだと言われている。本作が出世作となったイ・ジェフン、ガールズグループmiss A出身のペ・スジが過去パートの主人公を演じ、そのフレッシュなキャスティングが注目を集めた。一方、社会人となった現代パートの主人公は、オム・テウンとハン・ガインが演じている。

主人公4人の過去、現在というそれぞれの視点から恋模様が描かれ、この趣向を凝らした作風が口コミで話題を呼び、普段映画を見ない男性たちも映画館へ足を運んだとか。その結果、総観客数411万人という記録を打ち出すことに。

この作品をきっかけに、”国民の初恋”の称号を得ることになった、スジの映画初出演の演技にも要注目。

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『ラブストーリー(2003)』

2本目は、大ヒットドラマ『愛の不時着(tvN・Netflix/2019)』で主演を務め、その美貌と高い演技力を見せつけたソン・イェジン主演、『ラブストーリー(原題：クラシック)』を紹介しよう。

『ラブストーリー』(画像出典：movie.naver)

過去と現代の2つの舞台で構成され、母の秘められた初恋の思い出を娘が紐解いていく壮大なラブストーリーで、ソン・イェジンは、現代を生きる女子大生と、1968年に青春時代を過ごした母の2役を演じている。知られざる母の初恋エピソードとともに、大人の階段を登る娘の成長を描いた親子2代のヒューマンドラマとしても楽しめる力作だ。

共演は、tvNドラマ『秘密の森(2017・2020)』の主演が記憶に新しいチョ・スンウ、SBS『大丈夫、愛だ(2014)』で難役を見事に演じたチョ・インソンといった豪華な顔ぶれ。60年代を再現した田舎の自然の美しさ、丁寧に描かれた季節の移ろいといった映像美にも惹きつけられる。

時代に翻弄されながら、時に自分の気持ちを抑えながら時代を駆け抜けた母の初恋の全て、そして当時まだ20歳でありながら、完成されたソン・イェジンの演技にも再注目してほしい一作。

『チャンス商会～初恋を探して～(2015)』

3本目は、心温まる『チャンス商会～初恋を探して～(邦題)』を紹介したい。

『チャンス商会～初恋を探して～』(画像出典：movie.naver)

前述の2本とは異なり、本作は高齢男女にスポットを当てたハートフルな感動作。今をときめくチョン・ヘインが、主人公ソンチル(パク・クニョン扮)の青年時代を演じていることでも注目したい隠れた名作だ。

偏屈な老人ソンチルは、街の再開発に反対し続け、人々の反感を買いながら余生を過ごしている。ある日、ソンチルの家の前に花屋を経営する老女クンニム(ユン・ヨジョン扮)が引っ越して来た。二人は惹かれ合い、恋に発展していくのだが、その関係には重大な秘密が隠されていて‥。

大ベテランのパク・クニョンとユン・ヨジョンを中心に、ハン・ジミン、チョ・ジヌンといった人気実力派俳優の熱演が作品を盛り上げる。さらに、アイドルグループEXOのチャニョルの映画初出演作としても話題を集めた。

ソンチルの恋心と、彼の初恋のエピソードにはどんな関わりがあるのか、驚きのクライマックスに涙が溢れること間違いなし。

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韓ドラとはひと味違った、世代を超えて受け継がれる切ない恋心がきっと胸に響くだろう3作。見応え十分、練られたシナリオが魅力的な“初恋”韓国映画を、ぜひ一度堪能してみてほしい。

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