4年前に放送されたドラマ『トッケビ』が、韓国のNetflix(ネットフリックス)で公開されたのち、ネットユーザーたちの間で爆発的な反応を得ている。『トッケビ』は、現在放送中のドラマ『ザ・キング』と同じキム・ウンスク作家の作品であるため、ネットでは2つの作品を比べるような動きが見られている。

日本でも名作韓国ドラマとして名声を博した『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(以下:トッケビ)』
韓国では、意外とNetflixでのストリーミングサービスがつい最近始まったようだ。

6月1日、韓国のNetflix Korea(ネットフリックス・コリア)で公開されたtvNドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(以下:トッケビ)』が、公開から10日が過ぎてもなお“今日の韓国トップ10”の上位にランクインし、人気を呼んでいる。

『トッケビ』は“ヒット作メーカー”として知られてきたキム・ウンスク作家の作品で、2016年に放送された際、最高視聴率20.5%を記録して爆発的な話題を集めた作品だ。

vNドラマ『トッケビ』

tvNドラマ『トッケビ』(画像出典:トッケビ 公式HP)

そんな“興行不敗”のキム・ウンスク作家と、“ロコキング”イ・ミンホ、“ロコクィーン”キム・ゴウンの出会いで、2020年の最高作と呼ばれていた『ザ・キング:永遠の君主(以下:ザ・キング)』が放送開始されたとき、人々はどれほど期待していただろうか。

既にあらゆるメディアが先を争い『ザ・キング』の思わしくない所を論じているため、強いて付け加えはしない。

だが「今、私たちは何を見ているんだろう?」と思わせるほどのPPL(間接広告)のシーンなどを見ていると、自ずと『トッケビ』を思い出す。

『トッケビ』を彷彿とさせる『ザ・キング』

SBSドラマ『ザ・キング』

SBSドラマ『ザ・キング』(画像出典:ザ・キング 公式HP)

『ザ・キング』の女性主人公をキム・ゴウンに抜擢した点、劇中に登場する狭い本屋、紅葉に囲まれた背景、イ・ゴン(イ・ミンホ)のロングコートと言葉使い、2人が初めて出会った場所が『トッケビ』の撮影地・光化門(カンファムン)という点、OST『Gravity』(キム・ジョンワン(NELL))が『トッケビ』の『Stay With Me』(EXOチャニョル & Punch)のイントロと似ている点、そしてなにより壮大なファンタジーはまさに『トッケビ』を彷彿とさせる。

また、同じ“bbqチキン”もPPLとして出てくるが、それにも関わらず『トッケビ』のPPLの論議は即座に消えた。

その理由はなぜだろうか?

『トッケビ』では『ザ・キング』のように「驚いた。この世の中にこんな味が。こんな味は初めてだ。この味は天下一品だ」などというセリフで突然味を品評するシーンなどはなく、ドラマ自体が面白く、満足度が高かったためだ。

『ザ・キング』視聴者が難解だった部分

『ザ・キング』が折り返し地点を迎えたときも、視聴者から多く聞かれた反応は“パラレルワールド”というドラマの設定が難しいということだ。

実は、パラレルワールドは難しいことではない。

これまでにも他のドラマや映画作品で“別の世界”を見せてきた設定が多かった。

だが、大韓帝国と大韓民国という2つの世界の違いは、首都の違いと君主制という程度で、宮殿が出てくるシーン以外は人々が住む世界が同じように見えて分かりにくく、2つの世界観に理解のない状態でストーリーを紐解いていくことは視聴者にとっては難解だったようだ。



感情移入できる要素が足りない?

キム・ウンスク作家が一番上手にドラマを魅せるポイントは、クールに見える男性俳優に、可愛らしいジェスチャーと鳥肌の立つようなセリフを織り交ぜて深いキャラクターを作り上げる事。

もう一つは、主人公を悲しく可哀想にさせることで、視聴者たちが感情移入できるように作り上げる事。

[nextpage title=”(次)’昔の’ キム・スンスク作家は違った..?”]

こちらは『ザ・キングでたまったストレスをトッケビで解消?キム・ウンスクへのノスタルジック』の2ページ目です。 1ページ目から記事を読む≫

『トッケビ』でもキム・シン(コン・ユ)が火の粉になって消え、ウンタク(キム・ゴウン)が号泣したシーンは、どれほど涙を誘ったものか..

このように、感情移入できるようなドラマを、視聴者たちは『ザ・キング』でも期待していたのではないかと思うのだが、あまりに悪役イ・リム(イ・ジョンジン)の比重が多すぎたため、涙を誘うというよりは恐怖やサスペンス寄りに傾いていたように思う。

それに加え、同じ顔のドッペルゲンガーが何人も登場して登場人物が迷子になり、物語が難しく、PPLがストーリーの流れを邪魔をすれば、感情移入どころか面白味も欠けてしまい、途中でリタイヤしてしまう視聴者もいることは確かだろう。

‘昔の’キム・ウンスク作家へのノスタルジック

『ザ・キング』と『トッケビ』を編集した映像

『ザ・キング』(上)と『トッケビ』(下)を編集した映像(画像出典:Netflix KOREA Instagram)

憂慮の声が広がる中でも、キム・ウンスク作家は韓国のロマンスコメディー作家の中では宝のような存在で、韓国内で多くのファンを有している。

始めは悪く言われがちなドラマ展開でも、のちに“人生のドラマになる”と言われ、感動作を作り上げてきたキム・ウンスク作家。

Netflix KOREAのインスタグラムアカウントでも「これがしたくて、どれほど『トッケビ』の配信を待っていたのか分からない」という文と共に、『ザ・キング』と『トッケビ』を編集した映像が掲載され、ネットユーザーたちからは「トッケビほど素晴らしドラマはなかった」「笑いあり涙ありで一生忘れられないドラマがトッケビです」など歓喜の声で溢れている。

『ザ・キング』もNetflixでは好評だが、このように大ヒット作である『トッケビ』と比べられるところを見てみると、キム・ウンスク作家本来の“ファンタジーロマンス”に恋しさや、懐かしさといったノスタルジックを感じている人が多いのではないかと思う。




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