放送休止を受けた関係で、ドラマ『ザ・キング:永遠の君主』が最終回の1話のみが残された状態だ。間もなく終演を迎えるこのタイミングで、ドラマは急速に動きを見せ始め、視聴者をドキドキさせている。ドラマは無事大団円となるだろうか‥。
*この記事にはネタバレが含まれています、ご注意ください。
最終回を目前にして、改めて『ザ・キング:永遠の君主』(以下、ザ・キング)を振り返る必要がありそうだ。何故なら、ばら撒いていたフラグが突如として回収され始めたからである。
それは、視聴率の数字にも如実に表れた。6日の放送分の全国視聴率が8.1%(ニールセンコリア基準)を記録し、前回放送よりも1.4%上昇したのだ。恐らくストーリーに弾みがつき始めたからだろう。
6日放送回では、大韓大国の皇帝イ・ゴン(イ・ミンホ)が、死を覚悟してでも逆賊のイ・リム(イ・ジョンジン)を捕まえるため“謀反の夜”に戻る姿が描かれた。謀反を企てたイ・リムから幼少時代のイ・ゴンを救った人物が、未来から来た自分であったことを知ったイ・ゴンは、最終的にすべてのことを正すため、幼少期の自身を救う代わりに現在の自分を処断することを決意する。
後半に入ってからのストーリーラインは、執筆者のキム・ウンスク作家の緻密さが伺える。複雑に絡み合った話の解き方に無理がない。正確な因果関係と必然的な状況を通して、このような結果へと突き進むしかなかった事を物語っている。
しかし、だからこそ、序盤の安っぽさが本当に残念でならない。「内容が難しい」という意見と露骨なPPL(間接広告)のせいで、すでに多くの視聴者が本作から離れてしまった。時間軸の難解さをもう少し早い段階で見せていたら、『トッケビ』のような雰囲気を少しでも除外できていれば‥すべてあとの祭りだが、そう思わざる終えない展開なのもまた事実なのである。8%という留まった視聴者は、キム・ウンスク氏が平行世界を通じて語ろうとしたことを満喫できたが、すでに離脱した視聴者にとっては時すでに遅し、置いてきぼりを食らっている状態である。
しかもここにきてイ・ミンホの演技が良い味を出してきた。放送序盤に無理な冗談を言わされて嘲笑されていたイ・ゴンの姿はなく、皇帝として一層の重みをまとっている。「神は知っていたのだ。自らを救わずイ・リムを捉える選択をすることを」という独白シーンは、本当に鳥肌ものだった。始めから俳優陣の演技のトーンを整えていたら、こんなにも酷評を浴びることはなかっただろう。
共同演出の1人、ペク・サンフン氏がメガホンを置いた後に評価が変化していったことも認識しなければならないが、ドラマ作りは共同作業ゆえ、誰か1人でも演出力不足をいち早く読み取り、これを正す素早い対処が必要だった。
いよいよ今夜すべて決着がつく。「良いドラマだった」と、ぜひ言わせて欲しい。
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