7月17日、韓国のマスコミは一斉に、ソン・ジュンギがモデルを務めたあるバイオ・メディカル企業の近況を取り上げた。上場前に何と、32兆ウォンが集まったとされる同企業がソン・ジュンギをモデルに起用した戦略とは・・。
トップクラスの韓国俳優の主な収入源は、ドラマや映画の出演ギャランティだけではない。
彼らが、イメージモデルを務める企業広告も大切な収入であり、”大物”と呼ばれる俳優は、広告モデルで得る収入が、ドラマや映画の出演料を上回るとも言われている。
そのためか、近年は俳優活動よりもCMでのみ、その近況が確認できる俳優も増えている。
韓国の広告業界における”スター俳優”の価値とは
では、韓国の大物俳優の”価値”は、どれほどのものなのか。
芸能人と企業側は、基本的にCM出演料を公表していないが、韓国の証券投資会社を中心に広まっている資料によると、年間契約でCM1本あたり7億~10億ウォン(7千万~1億円)程度のようだ。
CM本数や契約企業が増えれば、年間数十~数百億ウォンの収益が期待できる。
“15秒の芸術”と言われるCM。ドラマや映画に比べて、撮影・拘束時間がはるかに短いのに、企業は何故スターに”大金”を支払うのだろうか? CM放送後、商品が”バカ売れ”するから? もちろん、それも1つの理由ではあるが、最近、巨額の金銭が動いている企業とスターの”蜜月関係”が見える出来事があった。
ソン・ジュンギをモデルに起用したら32兆W集まった?

ソン・ジュンギはSDバイオセンサーのモデルを務めている(画像出典:SD BIOSENSOR official YouTubeキャプチャー)
去る7月17日、韓国マスコミは一斉に、ソン・ジュンギがモデルを務めたあるバイオ・メディカル企業の近況を取り上げる。
その企業とは、疾病診断キットを製作する韓国企業、SDバイオセンサー(以下、SD)。上場前の*共募請約に、なんと32兆ウォン(約3兆円)が集まり、投資家たちをざわつかせたのだ。
*共募請約:投資家が公開された企業の株を「買収する」と事前に申し込むこと。
新型コロナウイルスにより、疾病診断キットに対する大衆の関心が高まったことを勘案しても、32兆ウォンは”大金過ぎる”と韓国マスコミは舌を巻く。
そして韓国のマスコミは、これほどSDが高い関心を浴びた背景には「ソン・ジュンギの存在が大きい」と口を揃えた。彼が出演したCMは、Youtube(ユーチューブ)での総再生回数が300万回を超えるほど、大きな話題となっている。
「我々は、距離を短くします」「地球の全ての生命が、健康に暮らせるように」「技術の格差をなくし、待つ時間をなくし、結果の誤差をなくし、伝染の拡散をなくし‥」「再び世の中が近くなれるように、生命を守る全ての始まり、SDバイオセンサー」
SDの企業メッセージは、ソン・ジュンギのナレーションに乗せて、聞く者の心を動かした。同CMは韓国のネットで「公益広告のようだ」と絶賛され、今回のSDの資金調達(上場)に力を添えたと評されている。
ソン・ジュンギをモデルに起用したバイオ・メディカル企業の思惑

ソン・ジュンギをモデルに起用する、その理由とは?(画像出典:SD BIOSENSOR official YouTubeキャプチャー)
ここで、押さえておくべき点が1つある。
SD製品は、一般消費者に販売される製品ではなく、医療機関に販売する商品だ。すなわち、ソン・ジュンギのCMにより市場で”バカ売れ”することは、まずない。
同社が狙った戦略は、ソン・ジュンギにクリーンな企業イメージを委託し、ブランド価値を確立させること。実際、彼を起用したことにより、診断キット業界の序列に地殻変動が起こっているようだ。
ソン・ジュンギのおかげで、莫大な資金とクリーンなブランドという”二兎”を手に入れたSD。企業が、スターに大金を支払ってまで出演してほしい理由が、ここに見えてくる。
***
一説によると、CMの受注本数や出演料を上げるために、ドラマや映画に出演して好感度やスター性を引き上げる俳優もいるという。”本末転倒”のように思えるかもしれないが、今回ドラマ『ヴィンチェンツォ』人気で好感度を上げ、多数の韓国企業からラブコールを受けているソン・ジュンギを見ると、納得の説と言える(もちろん、ソン・ジュンギがそうだとは限らないが‥)。
『愛の不時着』で一世を風靡したヒョンビンからは”逞しくて頼もしい男性像”を、『梨泰院クラス』で大ヒットを飛ばしたパク・ソジュンからは”情熱あふれる若いエネルギー”を、『トッケビ』で2度目のブレイクを果たしたコン・ユからは”穏やかでおしゃれなライフスタイル”を‥企業は大金を払ってでも、その価値を自社ブランドに”借用”したいのである。
出演作が必ずしもヒットするという保証はなく、ある種博打的要素があり、人気を集めればスター街道が待っているが、視聴者にそっぽを向かれれば自身の価値も下落する。もしかすると、出演作のキャラクターが、企業にどのような”価値”を与えられるのかを俳優は綿密に検討し、出演を決めているのかもしれない。
SDバイオセンサー 企業広告(動画出典:YouTube SD BIOSENSOR official)
ソン・ジュンギ
HISTORY D&C所属の俳優ソン・ジュンギ(ハングル 송중기)。1985年9月19日生まれ。
2008年ドラマ『霜花店 運命、その愛』でデビュー。
2010年に出演したドラマ『トキメキ 成均館スキャンダル』で一躍名を広め大ブレイクしたソン・ジュンギは以降、映画『私のオオカミ少年』、ドラマ『太陽の末裔』などに出演し人気を博した。
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