一度観はじめるとやめられなくなる中毒性がある韓国ドラマの復讐ものは、2010年後半以降、1つのジャンルとして定着し、日本でも多くの人を虜にしている。

復讐ものの性質上、結末がある程度分かっている場合が多いが、それでも観てしまうのは、優れたストーリーや役者の渾身の演技など、作品ごとに観る者を魅了するポイントがあるから。

社会構造も日本と多少似ており、一見すると別世界の話のように見えても、人間本来が持つ感情に訴えかける構成は夢中にならざるを得ない。ただ単に復讐をテーマにしているのではなく、成長や克服、苦悩など様々な人間ドラマが盛り込まれている点もまた、大きな魅力の1つだ。

そこで本記事では、復讐ものが多い韓国において栄誉ある賞に輝いた良作で、特に日本人に共感とカタルシスをもたらし、日本最大級の映像レビューサイトFilmarksとGoogleユーザー評価において高評価を得た作品を紹介する。

ストーリー展開が早く、物語がギュッと凝縮された見応えのある比較的話数の少ないものを5つピックアップしたが、一気見にはご注意！ 寝不足になるほど、視聴者の心を鷲掴みにするラインナップとなっている。

ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜 シリーズ (Netflix/2022、2023/全16話)

近年ヒットした復讐ものといえばこれ、『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』シリーズ。2022年12月30日にシーズン1が一挙公開され、年末年始に一気に視聴した人が多いと言われている作品だ。

高校時代に壮絶ないじめを受けていた主人公が、周到な準備のうえで緻密に練った復讐を繰り広げていく過程がドラマチック。

また、キャラの濃い脇役を演じた俳優陣の熱演はさることながら、主演ソン・ヘギョの圧倒的な存在感が光る1作で、表情だけで役の持つ孤独や怒り、悲しみなどを表現し圧巻の演技を披露した。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月18日現在)：Netflix
●Filmarks評価/レビュー数：★4.1/3816件
●Googleユーザー評価：97%
●受賞歴：
・『第59回百想芸術大賞』作品賞・最優秀演技賞(ソン・ヘギョ)、助演賞(イム・ジヨン)
・『第2回青龍シリーズアワード』大賞(ソン・ヘギョ)、助演賞(イム・ジヨン)
・『ソウルドラマアワード2023』韓流ドラマ部門作品賞
その他、7つの授賞式で13個の賞に輝いている。

梨泰院クラス (JTBC/2020/全16話)

コロナ禍の日本で大きな話題を呼んだ『梨泰院クラス』。本作を観るためにNetflix(ネットフリックス)に加入した人が続出した青春ロマンス復讐劇。

正義感の強い青年が正面から敵と向かい合い、どこまでも正攻法で挑み続ける姿が爽快感をプレゼントする作品だ。打ちのめされてもまた立ち上がる様に勇気をもらった人は多いはず。

格差社会をはじめ、アイデンティティーや人種差別、LGBTQ＋など、韓国が抱える社会問題も散りばめられている。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月18日現在)：Netflix
●Filmarks評価/レビュー数：★4.2/9359件
●Googleユーザー評価：95%
●受賞歴：
・『第56回百想芸術大賞』新人賞(キム・ダミ)
・『アジア・テレビジョン・アワード』作品賞
・『ソウルドラマアワード2020』ミニシリーズ部門優秀賞

弱いヒーロー Class1 (Wavve/2022/全8話)

『弱いヒーロー Class1』は、『第27回釜山国際映画祭』で上映され話題となり、ドラマが公開されるやいなや、動画配信サービスWavveの有料加入者1位を記録した人気作だ。

優れた頭脳を持つ優等生が、学校暴力から抜け出す学園ドラマとなっており、知力で不良グループに立ち向かっていく。

キャストには若手俳優が名を連ねているが、彼らが作り上げた個性あふれるキャラクターの完成度は、ベテラン俳優に匹敵するほどのクオリティーの高さ。学校内の不穏な空気感を助長し、物語を極限まで盛り上げている。

来年、シーズン2が公開される予定だ。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月18日現在)：Hulu
●Filmarks評価/レビュー数：★4.1/197件
●Googleユーザー評価：97%
●受賞歴：
・『第2回青龍シリーズアワード』最優秀新人賞(パク・ジフン)
・『第5回アジアコンテンツアワード＆グローバルOTTアワード』ベストOTTオリジナル賞

財閥家の末息子〜Reborn Rich〜 (JTBC/2022/全16話)

前出の『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』と共に、2022年の年末を盛り上げたのがソン・ジュンギ主演の『財閥家の末息子〜Reborn Rich〜』。復讐ものにはあまり見られない、“転生”という要素をプラスした点が魅力の1つだ。

前世で起きた出来事を記憶している主人公が、大統領選挙の結果や株の動きなどを利用して、自身を死へと追いやった財閥グループにリベンジする過程は痛快そのもの。順調に進むかと思いきや窮地に立たされる場面もあり、どう解決していくのか最後まで目が離せない。

またそれと並行して、サスペンスストーリーや、権力闘争、複雑な人間関係が描かれ、経済ドラマのような素材まで盛り込まれ、見どころ盛りだくさんとなっている。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月18日現在)：U-NEXT、Amazon Prime Video、Rakuten TV、TELASA、Hulu、DMM TV、FOD、ABEMA、Lemino
●Filmarks評価/レビュー数：★4.2/1150件
●Googleユーザー評価：90%
●受賞歴：
・『第35回韓国PD大賞』作品賞
・『第59回百想芸術大賞』最優秀演技賞(イ・ソンミン)
・『ソウルドラマアワード2023』韓流ドラマ部門演技賞(イ・ソンミン)、国際コンペティション部門作品賞
・『第15回放送通信委員会放送大賞』最優秀賞

ブラッドハウンド (Netflix/2023/全8話)

『ブラッドハウンド』は、男性もハマること間違いなしの爽快感抜群な復讐劇。悪徳な高利貸しの標的となり、詐欺にあった母を助けようとするところから物語がスタートする。

男の友情と激しいアクション、どんなに窮地に陥ろうとも愛する人を必死で守り抜こうと拳で戦う青年2人の姿に胸が熱くならずにはいられない。

一度は徹底的に打ちのめされるものの、そこからの復活劇が見もの。どんな状況下においても軸がぶれることなく、まっすぐに突き進む2人を応援したくなる作品となっている。

公開日はまだ決定していないが、シーズンも今後配信される予定だ。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年10月18日現在)：Netflix
●Filmarks評価/レビュー数：★4.0/808件
●Googleユーザー評価：96%
●受賞歴：『第14回コリアドラマアワード』優秀演技賞(イ・サンイ)

ミン・ヒジン氏 ADOR社内取締役に選任‥代表解任の鍵となった「背任罪」とは一体？

ADORがミン・ヒジン前代表を社内取締役に再選任した（写真提供=©TOPSTAR NEWS）ADORがミン・ヒジン前代表(以下、ミン氏)を社内取締役に再選任した。10月17日...

今年公開「Netflixオリジナル」韓国ドラマ番付け！日本ファンが最も評価した作品ベスト５

Netflix(ネットフリックス)の普及により、韓国ドラマをVODで楽しむ人が増えた。一部マニアックなファンだけが楽しむコンテンツではなく、いまや市民権を得た...