Netflix(ネットフリックス)の普及により、韓国ドラマをVODで楽しむ人が増えた。

一部マニアックなファンだけが楽しむコンテンツではなく、いまや市民権を得たと言っても過言ではないほど多くの人の日常に溶け込み、エンターテインメントの選択肢の1つとなっている。

なかでも同VODが投資・制作支援して独占配信されるオリジナル作品は、常に注目の的。莫大な製作費の投入によって、豪華役者陣をはじめ映画のような壮大なスケールと演出が大衆の心を掴んでいる。

いまや当たり前の風景となってしまい、『イカゲーム』(Netflix/2021)が登場した時のように、大きな話題となる頻度は減りつつあるが、韓ドラのトレンドを仕掛け、挑戦し続けるNetflixのオリジナル作品にはクオリティーの高いものが多い。

そこで本記事では、日本最大級の映像レビューサイトFilmarksとGoogleユーザー評価において、2024年10月16日現在、日本の韓国ドラマファンが最も評価した今年公開済みのNetflixオリジナルシリーズベスト5を紹介する。

殺人者のパラドックス

『殺人者のパラドックス』は、今を輝く人気俳優チェ・ウシクと、大人の魅力で世の女性を魅了し、今最も脂の乗った実力派ソン・ソックが主演を務めたクライムサスペンス。同名の韓国の人気ウェブ漫画を原作にしている。

殺人の証拠が全て消えた青年の物語で、韓ドラノワールを存分に堪能できる演出となっているが、過度な残虐性はほどよく回避してスタイリッシュな仕上がりに。

ダークな雰囲気が続く中、時折挿入される明るい音楽と映像のギャップが、独特の世界観を作り出して観る者に得体のしれない不安感を抱かせる。

●Filmarks評価/レビュー数：★3.8/1690件
●Googleユーザー評価：88%

寄生獣 ーザ・グレイー

前出の『殺人者のパラドックス』に負けず劣らず、多くの人から支持されたのが『寄生獣 ーザ・グレイー』。寄生生物とそれらを阻止しようとする部隊、共生する人間の物語を描いたSFホラーだ。

日本の漫画『寄生獣』の韓国スピンオフ版で、原作の世界観はそのままにオリジナルのストーリーで構成され、原作ファンにとっては満足度の高い作品。ファンタジックな設定が多いが、クオリティーの高いCGによってあっという間に物語に没入させられ、Netflixの資金力の高さがうかがえる1作となっている。

また、メッセージ性の高い脚本も大きな見どころとなっており、視覚的要素だけにおさまらなかったのが、好評を得たもう1つの理由となっている。

●Filmarks評価/レビュー数：★4.0/1919件
●Googleユーザー評価：84%

The 8 Show ～極限のマネーショー～

『The 8 Show ～極限のマネーショー～』は、『イカゲーム』にハマった人におすすめしたいドラマ。謎のマネーゲームに招待された8人が、過酷なショーに参加して繰り広げるブラックコメディーだ。

“共感”がドラマ作りにおける大きなポイントとなっている韓ドラ界において、真逆をいく作品。あえてメインの登場人物に感情移入できないトリックが仕掛けられており、監視カメラで8人の様子を見守る劇中の観客と同じ視点で傍観するスタイルだ。

全体像を俯瞰することができ、本作のテーマである資本主義の負の側面を目の当たりにすること間違いなし。それを盛り上げるべく、クセの強いキャラクターを熱演した役者陣の姿にもご注目。

●Filmarks評価/レビュー数：★3.6/612件
●Googleユーザー評価：80%

ヒエラルキー

アメリカドラマも韓国ドラマも好きな人にぴったりなのが『ヒエラルキー』。復讐のためにセレブ高校に転入した主人公の姿を描いた青春ピカレスクだ。

一言で表現するならば、韓国ドラマにアメリカンスタイルのドロ沼要素がプラスされたハイティーンもの。麻薬や、未婚の母、身分格差、学校暴力などといった視聴者の興味を引く題材が散りばめられている。

韓ドラによくあるタイプのカタルシスを感じる復讐劇ではない点が新鮮で、観る者によって解釈が分かれる余白を残しているのが特徴。また、絶妙に好奇心をくすぐる展開も、本作が支持された理由の1つとなっており、気づいたら完走していたという人が多い。不思議な魅力を持つ作品だ。

●Filmarks評価/レビュー数：★3.3/625件
●Googleユーザー評価：76%

誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる

『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』は、キム・ユンソク、ユン・ゲサン、コ・ミンシ、イ・ジョンウンなど、名前を聞いただけで観たくなる演技に定評のある役者陣が集結した作品。Netflixオリジナルシリーズによくみられる、豪華共演が叶った1作だ。

役者陣の演技力はさることながら、脚本も秀逸。韓ドラお得意の2つの時系列が平行して進む物語で、伏線回収も忘れない。

また、サスペンススリラーかと思いきや途中からジャンルが変わり、本来のテーマが見え隠れしはじめる。本作が伝えたいメッセージとはなにか、ぜひご自身の目で確かめてみてはいかがだろうか。

●Filmarks評価/レビュー数：★3.7/891件
●Googleユーザー評価：73%

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