最近韓国では、芸能界と宗教のつながりが、社会的なビッグイシューとなっている。

特に世間の関心を集めているのは、キリスト教福音宣教会、通称“JMS”と呼ばれる宗教団体だ。

3月3日、Netflix(ネットフリックス)のドキュメンタリーシリーズ『すべては神のために：裏切られた信仰』で、チョン・ミョンソク総裁の性犯罪が取り上げられた。

番組では、チョン総裁が女性信者へ常習的な性的暴行を繰り返していたという衝撃な内容が盛り込まれ、大きな波紋を呼んでいる。そしてその影響は、韓国芸能界へと広がっていった。

あるボーイズグループのメンバーは「両親が運営しているカフェが、JMSの関連施設である」と言う情報が広まり、世間をざわつかせた。

すぐに彼は事務所を通じて、カフェの営業中止と脱会を表明するが、批判はおさまらず、後日、直筆の謝罪文を発表している。

その後もJMS批判は強まり、ネットユーザーは、過去にJMSに関連するエピソードを語った芸能人らの発言にも注目し始めた。

韓国メディアのインサイト(insight.co.kr)では「思ったより、JMS信者はあちこちに広がっている。検事、高位な役職にも多い。芸能人もアナウンサーもいた」という元信者の暴露発言を紹介。

SNSでは、宗教と密接な関係がありそうな芸能人を推測し「〇〇は信者では？」といった勝手な憶測や噂を煽る投稿も上がっている。

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ちょうど3年前の今頃、ある宗教団体に名前を言及されたことで、思わぬ騒動に巻き込まれた芸能人がいる。世界的な人気俳優パク・ソジュンである。

彼は、全く関係がない間柄にもかかわらず、名前を挙げられただけで、とんだ災難に見舞われてしまった。

3年前の2020年3月と言えば、新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大した頃で、3月11日には、世界保健機関(WHO)が“パンデミック”になっていることを宣言した。

韓国では「新型コロナウイルスの温床」として、ある宗教団体が世間の関心を集めていた。

韓国のある地域の感染患者の大半が、この団体の関係者だったため、韓国内での集団感染を招いたとして、批判の目が向けられたのである。

同年3月10日には、MBCの調査報道番組『PD手帳』が、この団体の実体を取り上げたことで、さらなる注目を集めることに。

この宗教団体の信者は「信者数を14万4,000人集めることができれば、永生(永遠の命)を受け、全世界を治めることができる」と信じているだという。

インタビューに応じた宗教団体のカウンセラーも「信者たちが、全世界を治める時が来るだろう」と語り、「世界中の人が入信し、自身たちを受け入れて欲しい」と話した。

そして女性信者らの「韓国芸能人を宗教団体に迎え入れる」といった発言も注目を浴びた。

ここで名前が挙がったのが、パク・ソジュンだったのだ。他には、パク・ボゴムの名も登場したよう。

ちょうどこの頃、韓国では『梨泰院クラス(JTBC)』が放送中。話題のドラマに出演し、世間の注目の的だったパク・ソジュンは、別の意味で注目を集めていた騒動の巻き添えになってしまった。

SNSでは「カルト宗教団体が、パク・ソジュンを引き入れようとしている」という噂が広まった。

ネットユーザーは「パク・ソジュンやパク・ボゴムをなんだと思ってるの？」「彼らに何の罪があって巻き込まれなきゃいけないんだ！」「本人たちがこれを見てどう思うか‥」と怒りをあらわに。宗教団体に対する批判が、さらに強まった。

それは、世界中に信者を作りたい宗教団体が、世界的な人気スターを利用したことが大きな理由。彼のビッグネームが注目を引いたことで、宗教団体の名を世に広めるきっかけにもなったからである。

そして今、世間が宗教と芸能界のつながりに鋭い視線を向ける中、パク・ソジュンのように、口コミに利用されるスターがいるのではないかと懸念されている。