出演したドラマで数々の泣きの演技を見せ、視聴者を泣かせてきたパク・ボゴム。そんなパク・ボゴムのフィルモグラフィーは、韓国ファンの間で「塩田(えんでん)」と呼ばれていたという。「塩田」とはいったいどういう意味を表しているのだろうか? パク・ボゴムの代表作とともに解説していきたい。
捨てられ、片思いし、借金に追われ、ナイフで刺され、殺される‥。
これまで演じてきたパク・ボゴムの役は、総じてよく泣き、悲劇的な運命を持つものが多い。
韓国ファンの間では、パク・ボゴムのこういった一連のフィルモグラフィーを「塩田」と呼んでいた。
※塩田(えんでん):大量の海水から水分を蒸発させ、塩だけを取り出すために用いられる場所および施設のこと。
パク・ボゴムが出演ドラマで常に”しょっぱい涙”を大量に流していたため、この呼び名がつけられた。もう泣かないでほしいというファンもいるが、その涙の綺麗さに心を打たれ、自らを「塩田変態」と呼び、もっと泣かせることを願うファンも多いそうだ。
今回はそんなパク・ボゴムの「塩田」リストに入る作品と役柄を紹介する。
※この記事にはネタバレになる内容が含まれています、ご注意ください。
SBS『ワンダフル・ラブ~愛の改造計画~』(2013)
このドラマでパク・ボゴムは、ワガママお騒がせ3姉弟の末っ子、コ・ヨンジュンを演じている。
最終回、サプライズで行われた母親の結婚式のシーンで、3姉弟が手紙を読ながら大号泣。中でもパク・ボゴムは声を詰まらせて泣く姿は演技とは思えないほどで、視聴者の涙を誘った。
映画『バトル・オーシャン/海上決戦』(2014)
観客動員数1760万人を突破し、韓国国内での歴代観客動員数1位の記録はいまだ破られていない。
この映画でパク・ボゴムは、敵軍に最後まで立ち向かい命を落とした将軍の息子ペ・スボンを演じた。敵に捕虜として捕らえられた父親の死を目撃し号泣する姿は、新人とは思えない迫真の演技で、評論家たちからの評価も高かった。
KBS『君を憶えてる』(2015)
このドラマでパク・ボゴムは、凄腕弁護士チョン・ソンホ(イ・ミン)を演じた。
20年ぶりに再会し、成長した弟を見て申し訳ないと涙するイ・ヒョン(ソ・イングク)と対面し涙する弟ミン。兄に捨てられたと恨み続け、サイコパスになってしまったミンを哀れみ、視聴者もともに涙した。
サイコパスという難しい役どころを力演し、パク・ボゴムが俳優としてまた1つステップアップできた役柄だった。
(関連記事)‘君を憶えている’ パク・ボゴム、ソ・イングクの子役は実兄弟?【韓ドラAgain】
映画『コインロッカーの女』(2015)
この映画でパク・ボゴムは、父親の借金を背負いながらレストランで働く見習いシェフ、パク・ソッキョンを演じた。
厳しい生活ながらも前向きに生きているソッキョンに出会ったイリョン(キム・ゴウン)。2人はしだいに惹かれあうが、ソッキョンは父親の借金を返すための臓器提供を目的に殺されてしまう。映画序盤であっさり殺されてしまうソッキョンに視聴者からは驚きの声があがった。
tvN『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015)
このドラマでパク・ボゴムは、天才囲碁棋士のチェ・テクを演じた。
幼くして母親を亡くしたテクが、母親に対する思いを語るシーンで、目にいっぱいの涙をためながら「毎日母さんに会いたい」というテクの姿にもらい泣きした人は多い。このドラマはパク・ボゴムの出世作となった。
KBS2『雲が描いた月明かり』(2016)
このドラマでパク・ボゴムは、純祖の長男で世子イ・ヨンを演じた。
ドラマ終盤、唯一信じていた親友ビョンヨン(クァク・ドンヨン)の正体を知ると同時にその死を目の当たりにしたイ・ヨンが号泣する姿は、目を伏せたくなるほど辛く悲しい演技だった。
tvN『ボーイフレンド』(2018)
このドラマでパク・ボゴムは、トンファホテルの新入社員キム・ジニョクを演じた。
突然チャ・スヒョン(ソン・ヘギョ)から別れを切り出されたが、自分の母親がスヒョンに別れを迫った事実を知り、説得しようと試みる。しかし、スヒョンは「自信がない」とその場を去ってしまった。その後、呆然としながら歩いていたジニョクだったが、それまでこらえていた涙が一気に溢れ出した。
細かい感情の変化を見事に演じたパク・ボゴムの演技に感情移入し、多くの視聴者はともに涙を流した。
tvN『青春記録』(2020)
このドラマでパク・ボゴムは、役者志望のモデル、サ・へジュンを演じている。
オーディションに合格し役者としての夢を叶えたが、そのことで環境が変わり思うようにいかないことも増えた。そんな大変な現実を目の当たりにしながら平静を装っていたが、自分の部屋に戻ると、その辛さにひとり泣くヘジュン。そんなヘジュンの純粋な姿に視聴者も泣かされた。
「塩田」と呼ばれるフィルモグラフィーを持つパク・ボゴムは、近年でも悲劇的な運命を持つ役を演じている。美しい涙を流し、視聴者の心を惹きつけるのも、自然に役に入り込む力を持つ高度な演技力の賜物だ。これからも見る人の心に刻まれる役を演じ続けてくれることだろう。
パク・ボゴム
2011年映画『ブラインド』でデビュー。
以降、映画『コインロッカーの女』(2015)、ドラマ『君を憶えてる』(2015)などに出演。
『恋のスケッチ~応答せよ1988~』(2015-2016)で天才棋士チェ・テクを演じブレイク。2016年8月より放送されたドラマ『雲が描いた月明り』で地上波初主演を果たし、爆発的人気を得る。
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