ここ最近韓ドラ界は、復讐をテーマにした作品が増加傾向にあり、もはや韓国ドラマの醍醐味といっても過言ではないほど。多くのドラマファンから支持を得ている。

どちらかといえばこれまではコアなファンに愛されてきたジャンルだが、話題作・人気作・新作の宝庫であるNetflix(ネットフリックス)までもが復讐劇の決定版『ペントハウス』(SBS/2020)をラインナップに加えたばかり。

約3年前に本国で放送されたドラマにもかかわらずここにきて配信をスタートしたところをみると、OTT業界はもちろん韓ドラファンの復讐劇への注目度の高さがうかがえる。

演出がエグく人によってはゾッとするような残虐なシーンがあり、「ここまでやらなくても‥」と観る者に疲労感を与える場合も少なくないが、一度観はじめるとやめられない中毒性があるようだ。

そこで本記事では現在ホットな復讐劇に着目、近年の作品に限定してGoogleをはじめ映画やドラマなどのレビューサービスFilmarks(フィルマークス)での評価を調査、早見表にまとめその中から日本の口コミベスト5を紹介する。記事の最後には、2020年から公開された復讐劇をテーマにした作品の早見表も掲載。

復讐劇の人気の秘密

各作品を紹介する前に触れておきたいのが、なぜここまで復讐劇が支持されるようになったのか。人により魅了されるポイントは様々であることが予想されるが、人気の秘密は大きく分けて3つあると言われている。

その1つが、”人間の根源的な感情である復讐心を刺激する”という点。

何らかの理由により傷ついた主人公が復讐を決意するストーリーは、観る者の共感を呼びやすいという。なぜなら人によって程度に差はあっても、何らかの体験をきっかけに一度くらいは抱いたことのある感情だと思われるから。

そして次に”手に汗握るストーリー展開”も大きな魅力となっている。

復讐の過程はたやすくないのが一般的、すでに主人公に共感を抱き応援している立場の視聴者は、果たしてリベンジが成功するのかスリリングな物語に知らないうちに釘付けになるものだ。

またその過程では”主人公の成長”が描かれていることもしばしばで、大ヒットドラマ『梨泰院クラス』(JTBC/2020)の主役パク・セロイのように、復讐をとおしてみるみる変化を遂げていく姿が視聴者に感動や自分も変われるのではないかという勇気をプレゼントする。

どうやら韓国ドラマの復讐劇には、人間が興味を抱かざるを得ない要素がたっぷり詰まっているようだ。

ペントハウス シリーズ (2020、2021)

韓国で社会現象を巻き起こした作品で、超高級タワーマンションの最上階を舞台に愛憎、欲望、殺人、格差社会、出生の秘密など、様々な要素が複雑に絡み合ったサスペンス復讐劇。

華やかなで美しくきらびやかな世界で生きる女性たちが、表では笑顔を見せながら裏では綿密な策略を練り壮絶な復讐を繰り広げていく。

人間の本性が赤裸々に描かれホラーよりもゾッとする怖さがある本作は、まさに韓国ドラマの真骨頂。リベンジをテーマにしたドロ沼劇の極みといっても過言ではない作品だ。

『ペントハウス』(画像出典：SBS)

●Google評価：93％
●Filmarks評価：
シーズン1：★4.2/5 レビュー数392件
シーズン2：★4.3/5 レビュー数218件
シーズン3：★4.2/5 レビュー数243件
●出演：イ・ジア、キム・ソヨン、ユジン他

マイネーム: 偽りと復讐 (2021)

父を殺害され犯人への復讐を誓うユン・ジウが、韓国最大の麻薬組織の一員となり警察に潜入。復讐の道を歩む過程を描いたサスペンスアクションだ。

父親を殺したのは一体誰なのか、身命を投げ打ってまで犯人捜しをする主人公の怒りと執念が画面越しにひしひしと伝わってくる作品。

どれほど過酷で不利な状況でも、復讐のために強い信念を持ち前進していくジウを待ち受ける悲痛なラストに絶句すること間違いなし。

『マイネーム: 偽りと復讐』(画像出典：Netflix Korea)

●Google評価：93％
●Filmarks評価：★4.0/5 レビュー数3001件
●出演：ハン・ソヒ、パク・ヒスン、アン・ボヒョン他

ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜 シリーズ (2022、2023)

今年最も話題となった復讐ものといえば本作。高校時代に受けたいじめにより夢はもちろん心までも壊れてしまった主人公ドンウンが、長い時間をかけて周到な準備をし、練りに練った復讐計画を実行していく物語だ。

目を覆いたくなるようないじめシーンを演じた子役、全く悪びれる様子のない加害者に扮した成人俳優、壮絶な復讐を淡々と行うドンウンを担当したソン・ヘギョの熱演が光る作品となっている。

また、前出の『マイネーム: 偽りと復讐』同様、復讐のために全てを犠牲にし、ひたすらそれを目標に生きる主人公の姿が印象的。強烈なまでの彼女の想いから目が離せず、結末を見届けたくなるだろう。

『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』(画像出典：Netflix Korea)

●Google評価：97％
●Filmarks評価：
シーズン1：★4.1/5 レビュー数3193件
シーズン2：★4.2/5 レビュー数2563件
●出演：ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン他

ビッグマウス (2022)

凶悪な天才詐欺師”ビッグマウス”にでっち上げられ刑務所に入ることになった元三流弁護士のチャンホが、巻き返しを図り自分を罠にはめた人物を探し出して復讐する物語。

チャンホを陥れた人物は誰なのか、またその理由は何か、複数の怪しい人物が登場し観る者の興味をそそる。

チャンホに扮したイ・ジョンソクのカリスマ溢れる演技と、彼の妻役を担当したユナ(SNSD)との夫婦の絆も本作を盛り上げる重要な要素の1つとなっており、家族を守ろうとする思いがチャンホを突き動かしている点が物語をよりドラマチックに。

これぞ復讐ものという爽快なストーリー展開で繰り広げられる作品だ。

『ビッグマウス』(画像出典：MBC)

●Google評価：95％
●Filmarks評価：★4.0/5 レビュー数561件
●出演：イ・ジョンソク、ユナ他

財閥家の末息子〜Reborn Rich〜 (2022)

財閥グループの秘書として忠誠を尽くしてきた主人公ヒョヌが会社に利用されこの世を去るのだが、目を覚ますと財閥家の末息子ドジュンに転生しており、2度目の人生を歩むことになって繰り広げる復讐劇。

グループ創業者のヤンチョルは長子相続を重んじる人物で末息子のことは気にもかけていないのだが、ヒョヌだった頃の記憶を持ち未来を知っているドジュンが、先回りをして次々と成功をおさめていく過程が爽快感抜群。財閥家の人々に踏みにじられた前世があるだけに、カタルシスを視聴者にプレゼントする。

復讐＋転生の組み合わせはよくある復讐劇のラストとは一味異なっており、どのような結末が待ち受けているのかぜひご覧いただきたい。

『財閥家の末息子〜Reborn Rich〜』(画像出典：JTBC)

●Google評価：91％
●Filmarks評価：★4.2/5 レビュー数163件
●出演：ソン・ジュンギ、イ・ソンミン、シン・ヒョンビン他

近年公開の「復讐劇」作品早見表

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