『相続者たち』『紳士の品格』『太陽の末裔』『トッケビ』‥”キム・ウンスクワールド”と呼ばれるドラマには、必ずヒーロー的存在の男性が登場する。これらの作品は、長い間視聴者から圧倒的支持を得ていたが、最近は時代とともに変化しつつあるようだ。しかし、キム・ウンスクが”シンデレラストーリー”を描き続けるには理由があったようで‥。

SBS『パリの恋人(2004)』『プラハの恋人(2005)』『シークレットガーデン(2010)』『ザ・キング:永遠の君主(2020)』、KBS2『太陽の末裔(2016)』、tvN『トッケビ(2016)』‥数々のヒット作を生み出した、作家のキム・ウンスク。

彼女の作品の特徴として、物語の中心軸には男性がいることで知られている。

ソン・ジュンギ扮するシジンが危険を顧みず戦う姿を描いた『太陽の末裔』

『太陽の末裔』ではソン・ジュンギ扮するシジンが危険を顧みず戦う姿が描かれた。(画像出典:KBS2 ‘太陽の末裔’公式サイト)

視聴者はこれまで”キム・ウンスクワールド”に一喜一憂してきたが、近年は時代と共に視聴者の思考も変化しているようで”男性を引き立たせる女性”に不快感を持つ者も増えつつあるようだ。

(関連記事)‘ザ・キング 永遠の君主’を観てキム・ウンスク時代の終焉が囁かれる理由

今月23日に配信されたYouTubeの『VIVO TV』では、「作家キム・ウンスクは、なぜシンデレラストーリーに執着するのか?」について言及していたので紹介する。

この日、ドラマ・映画監督のチャン・ハンジュンが、キム・ウンスクから直接聞いたというエピソードを明かした。

デビューわずか1年でスター作家になったキム・ウンスク。

『パリの恋人』で、デビューわずか1年でスター作家になったキム・ウンスク。(画像出典:YouTube VIVO TV 動画キャプチャー)

キム・ウンスクは3人姉弟の長女として生まれ、貧しい家庭だったために雨が降ると、部屋の中は雨漏りするほどの家に住んでいたという。

一家は傘も満足に買うことができず、自分よりも先に家を出る弟2人は、姉のために1本しかない傘は使わず、雨の中を走って学校へ行っていた。その光景を見たウンスクは、涙ながらに「弟たちに豊かな暮らしをさせてあげたい」と思ったそうだ。

いつか作家になりたいと思っていたウンスクは、その後ソウル芸術専門大学の文芸創作学科に入学。卒業後は演劇の戯曲を創作していたが、ドラマ制作をしていた知人から脚本依頼の声がかかり、作家デビュー。2003年に共同脚本を手掛け、翌年には『パリの恋人』で爆発的ヒットを放ち、瞬く間にスター作家街道を歩む事となった。

爆発的ヒットとなったドラマ『パリの恋人』

爆発的ヒットとなったドラマ『パリの恋人』の最高視聴率は57.6%を記録!(画像出典:SBS ‘パリの恋人’公式サイト)

後年、キム・ウンスクはチャン・ハンジュンに「ハンジュンお兄さん、私のドラマに登場する男たちは、どうして白馬に乗ってくるか分かる? 私のために傘を使わなかった弟たちを見て、男はそうすべきだと思ったからなの」と言ったという。

彼女の作品に、思慮深くて犠牲の精神を持った男性キャラクターが登場する背景には、キム・ウンスク自身が2人の弟から得た感情が込められているということが、意外なところから明かされれる事となった。

(関連動画)作家キム・ウンスクの作風に関するエピソード映像



コン・ユ

マネジメントSOOP所属の俳優コン・ユ(ハングル 공유)。1979年7月10日生まれ。

“コン・ユ”という芸名は両親の苗字から付けられたもので、本名は、コン・ジチョル。

2000年、Mnet VJ 7期として芸能界にデビューしたコン・ユは、2001年KBSドラマ『学校4』を通じて演技者としてデビュー。

2007年、日本でも人気を博したドラマ『コーヒープリンス1号店』が大ヒットし、この年MBC演技大賞で優秀賞を受賞。当ドラマは、コン・ユの出世作となった。

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