• 近年韓国ドラマは、観る者の共感を呼ぶ要素が盛り込まれ、感情移入しやすい作品が増えつつある。
  • 最近話題になった最新ドラマ3作には、韓国の若者の”苦甘い青春”が感じられる設定やストーリーが散りばめられていた。
  • 20代なら思わず頷き、それ以上の年代は自身の若かりし頃を懐かしむことのできる作品を紹介する。

近年韓国ドラマは、視聴者の“共感”を意識した作品が多い。

「ドラマだから・・」という声が上がった一昔前のように完全に別世界の話ではなく、現実的でどこか身近に感じられる要素が散りばめられ、観る者が感情移入しやすい作品が増えている。

本記事で紹介する最新ドラマ3作にも同様の設定が盛り込まれ、ジャンルは青春ものではないが、登場人物の”苦甘い青春”が本題のストーリーと融合、過酷な現代社会を生きる韓国の若者の苦労が垣間見える。

言葉や文化は違っても日本と共通する部分があり、20代の心の声を代弁するかのような構成が韓ドラファンの心にもきっと刺さるはず。

今まさに青春真っ只中の人は登場人物に自分を重ねつい頷き、すでに過ぎ去った人は、じたばたもがき苦しんだものの、振り返ってみると最もキラキラしていたのではないかと思う時代を懐かしむことができる作品だ。

ハートビート (KBS)

人間になれるチャンスを逃したバンパイアのソン・ウヒョル(オク・テギョン扮/2PM)と、人間味のない保健の臨時教師チュ・イネ(ウォン・ジアン扮)がひょんなことから同居をはじめ、本当のぬくもりを探していくロマンチックコメディー。

ファンタジーの中にうまく現実的な要素を盛り込んだ作品で、どこか別世界の話ではなく若者が共感を得やすい内容になっているのが特徴。

ヒロインのイネは現実的な設定

現実的な設定のヒロイン・イネ(画像出典:WEMAD、MONSTER UNION)

例えばヒロインのイネは学生時代、奨学金を逃したことがないほど勉強に励み、食事は節約のため学生食堂に、ありとあらゆるアルバイトをして必死に生きてきたキャラクターだ。

しかしそんな彼女が直面している現実は甘くない。2年ごとに訪れる仕事の契約更新と、家の契約金の支払いに戦々恐々としている設定で、よくあるロマンスものの主人公とは似ても似つかない。

しかも一貫して無表情、「今回の人生が最初で最後だったらいいのに」と口にするなど、冷めた態度が彼女の置かれている状況の過酷さを表している。

臨時教師であることを理由に教え子の保護者から軽視され、詐欺に遭い家を追い出され踏んだり蹴ったりのイネだが、気丈に振る舞いなんとか耐えようと奮闘する。

視聴者はそんな姿に自身を重ねているのだろうか、イネにエールを送っている人が多い。

●現在視聴可能な動画配信サービス:Amazon Prime Video


ハートビート

悪鬼 (SBS)

悪鬼に取り憑かれた女性ク・サニョン(キム・テリ扮)とその悪鬼が見える男性ヨン・へサン(オ・ジョンセ扮)が、謎の死を暴く韓国型オカルトミステリー。

非現実的な物語の中に、青春ならではのエピソードや社会的問題が溶け込んでいるドラマだ。

”悪鬼”を単なる悪霊としてではなく “若者の青春を食べるもの”ととらえ、2023年の韓国社会と融合、青春ならではのエピソードを盛り込んだメッセージ性がある。

主人公のサニョンは、公務員になるのを夢見て努力する

公務員になるのを夢見て努力する主人公のサニョン(画像出典:SBS)

キム・テリ扮する主人公サニョンの設定がまさにそれ。年齢は25歳で公務員になるのを目標に、夜は睡眠時間を削って試験勉強を、昼はアルバイトをして生計を立てている現実的なキャラクターだ。

また第6話と第7話では、人が羨ましがるほどの豪華な結婚式を挙げ、インスタグラムで自慢できるような高級ブランドのバッグや腕時計など、どんなに手に入れても満たされることのない欲望に、自身の魂を差し出し餓鬼になった高校の同級生が登場。

現実と理想の違いや相対的剥奪感の中で、サニョンも餓鬼の誘惑につい負けそうになるシーンが。辛い人生に疲れ、弱った心に巧妙に入り込む悪鬼の姿が描かれ、現代の若者が直面している状況を描き出した。

●現在視聴可能な動画配信サービス:Disney+


悪鬼

キング・ザ・ランド

“キングホテル”のVVIPビジネスラウンジ”キング・ザ・ランド”を舞台に、笑顔が嫌いなキンググループの後継者ク・ウォン(イ・ジュノ扮/2PM)と、職業上笑顔でいなければならないホテリエのチョン・サラン(イム・ユナ扮/SNSD)が繰り広げるロマンチックコメディー。

平凡な女性がお金持ちの男性と出会いって人生が180度変化するといった、単なるシンデレラストーリーではなく、恋物語の中に社会生活を送る若者の苦労が見え隠れする作品だ。

主人公のチョン・サランは、正社員になるのを目標にまい進する

正社員になるのを目標にまい進する主人公のチョン・サラン(画像出典:JTBC)

主人公のチョン・サランがその代表例、学歴による社内差別を受けるもくじけることなく正社員になるのを目標に努力を惜しまない。また上司からの無理な指示にも笑顔で応えるなど、心の中では葛藤もあるが前向きにとらえひたむきに取り込んでいく。

また彼女の友人で客室乗務員のオ・ピョンファ(コ・ウォニ扮)は、真面目で業務に最善を尽くすが世渡り下手で機内販売成績は最下位、同期が昇進していく中、ただ1人取り残されてしまうキャラクターを。

同じくチョン・サランの親友で免税店に勤務するカン・ダウル(キム・ガウン扮)は、新人の頃から少しずつ努力しチーム長にまでなったものの、クレーマーの対応と徐々にエスカレートする上司からの厳しいノルマを達成するために奮闘する日々。しかも家に帰ると、家事と育児もこなしながらいきなり訪問して我が物顔で振る舞う姑や舅の対応にも追われる。

3人のうち誰か1人は自分と重ね合わせることができる作品だ。

●現在視聴可能な動画配信サービス:Netflix


キング・ザ・ランド

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

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