- 今、人気の話題作『キング・ザ・ランド(JTBC)』が、アラブ圏の視聴者から非難を浴びている。
- 問題とされているのは、ホテルのVIP客である、アラブの王子様に関連するシーン。
- 今や世界で人気の韓国ドラマは、ここ数年、海外視聴者から人種差別や文化歪曲と苦情を受けるケースが増えている。
今夏話題のドラマ、JTBC『キング・ザ・ランド』が、アラブ圏の視聴者から抗議を受けている。
韓国メディアのSPOTV NEWSによると、問題となっているのは、7月8日9日放送分。
ドラマの舞台となっているキングホテルの本部長ク・ウォン(イ・ジュノ扮)と留学時代に犬猿の仲だった、アラブの王子様サミールに関連する部分だという。
VIP客であるサミール王子は、ク・ウォンを困らせるため「指示には必ず従う」「笑顔でもてなす」などの条件を盛り込んだ契約書を交わして、キングホテルを訪問。そこで彼は、自分を出迎えてくれたホテリエ、サラン(ユナ扮)に一目惚れし、ク・ウォンと様々な心理戦を繰り広げる。
しかし、王子の出演シーンやキャラクター設定などにおいて、アラブ圏視聴者の怒りを買ってしまった。
まず、ク・ウォンが王子をホテルに誘致しようと電話をかけた際、王子はクラブのような雰囲気の場所のカウンターに座り、数人の女性たちと一緒にお酒を楽しんでいる様子が描かれた。
また、ホテルで一目惚れしたサランに様々なアプローチを試みる場面も多く、そんな女性に対して積極的な王子を、ク・ウォンが「浮気者」と非難するシーンもある。
視聴者にとって王子のキャラクターは、とてもわかりやすいものだった。
ところが、その設定や劇中での描写がよくなかったのである。
王子のエピソードが、Netflix(ネットフリックス)を通じて全世界に公開されると、アラブ圏の視聴者たちは「お酒が禁止されたアラブ文化圏を尊重しなかった」と該当場面を削除し、謝罪を要求。
アラブの王子様という設定にもかかわらず、 アラブ文化に対する尊重はもちろん、理解すらなかったと非難の声が上がった。
また一部では、インド系俳優がアラブの王子役を演じたという点を問題視する声もあるようだ。
制作陣は、SPOTV NEWSに対し「ドラマに登場する人物、地域、地名は全て仮想の設定。特定国家の王子としては描写しなかった」と人種差別の意図はないと釈明した。
しかし、視聴者の憤りはおさまらず、ドラマ制作側は「ドラマに登場する人物、地域、地名などは仮想の設定であり、特定文化を戯画化したり歪曲する意図は全くなかった」と改めて伝え、「制作陣は多様な文化を尊重し、視聴に不便がないよう、より繊細な注意を払って制作する」と追加の立場を示した。
劇中の描写に対する海外視聴者からの抗議は、今回が初めてではない。
MBC『ビッグマウス(2022)』では、連続殺人犯である死刑囚に向かって、イ・ジョンソク演じる弁護士チャンホが「お前の母親は、お前みたいなサイコパスを生むなんて、一体何を召し上がったんだろうな。(タイのスープ)トムヤムクンか?」と挑発するシーンがあった。
このセリフに、タイのネットユーザーは「タイに悪い人間がたくさんいると思わせる皮肉めいたセリフ」「トムヤムクンを食べたら、血が汚れてるって言いたいの?」と不快感を示した。
tvN(Netflix)『シスターズ(2022)』では、ベトナム戦争に行った人物を“英雄”と表現し、関連するシーンのセリフが物議を醸した。
ベトナム情報通信部は「歴史歪曲だ」と韓国ドラマ制作側へ抗議、その後、Netflixベトナムでは、本作の配信が中止されている。
Netflixオリジナルシリーズ『ナルコの神(邦題/原題:スリナム)』は、実在国家であるスリナムを「麻薬密売が行われる“腐敗した国”と描写した」とスリナム外交部から強い反発を受け、韓国大使館が現地の韓国人へ「安全に注意してほしい」と要請する事態にまで発展した。
SBS『ペントハウス3(2021)』では、俳優パク・ウンソクが“アレックス”という役で登場するが、ドレッドヘアと体中にタトゥーという姿だったため、海外視聴者が「黒人文化を馬鹿にした表現だ」と人種差別を主張した。
パク・ウンソクは「嘲笑するつもりはなかった、傷付いた方に心よりお詫びする」と伝え、制作サイドも「特定の人種や文化を戯画化するつもりではなかった」と謝罪している。
SBS『ラケット少年団(2021)』では、インドネシアのジャカルタで開催された、国際大会のエピソード描写で差別的表現があったと抗議を受けた。
ドラマでは、遠征先の環境に不満をこぼすセリフや、地元の人々がゲーム中にブーイングをしたり、国旗を破いたりするなど、インドネシアを否定的に描写するようなシーンがあったため、インドネシアの視聴者が「国を侮辱している」と抗議。ドラマの公式アカウントには、謝罪文が掲載された。
(関連記事)タイにベトナム‥世界がクレームつける韓国ドラマ「もう視聴者は韓国人だけではない」
今や韓国ドラマは、全世界から注目を集めており、視聴者は世界中に広がっている。
しかし前出の通り、劇中の描写が物議を醸し、“他国”からクレームを受ける事案が、ここ1~2年で相次いで発生している。
そのため、ドラマの制作者には「“海外の人が見る”という意識や配慮が足りない」「“意識改革”をしなければ、同じような過ちを繰り返すことになってしまう」といった指摘がされていた。
ところが今再び、視聴率も上々の人気ドラマで、海外視聴者から抗議を受ける事態が発生してしまった。
韓国ドラマは、世界で広く愛されているコンテンツだからこそ、人種差別、文化歪曲につながるようなセリフや描写には、特に細心の注意が必要。
視聴者からは「まだ、“韓国ドラマ=国内コンテンツ”という認識でいるのか?」「学習能力が足りないのでは?」といった厳しい声も上がり、制作陣に対する風当たりがさらに強くなっている。
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