- 2023年上半期の期待作『キング・ザ・ランド』の放送がスタートした。
- 視聴率も好スタートとなったドラマには、単なるラブストーリーではないかもといった反応も。
- 中には、短大卒でホテリエになったヒロインが奮闘する様子を描く、女性版「ミセン」を期待させるという声も上がっている。
*この記事にはネタバレが含まれています。
6月17日から韓国で放送が始まった、JTBCの土日ドラマ『キング・ザ・ランド』。
初回放送の視聴率は、全国5.0%、首都圏5.3%、第2話は全国7.5%、首都圏8.3%と上昇傾向を見せている(ニールセンコリア、有料世帯基準)。
日本では、Netflix(ネットフリックス)で楽しむことができ、6月19日現在、韓国同様、2話まで配信されている。
韓国で好スタートを切った『キング・ザ・ランド』は、夏のトレンディードラマであり、2PM(ツーピーエム)のイ・ジュノと少女時代(SNSD)のユナという夢の組み合わせに、シンデレラストーリーを予感させる設定と、視聴者をドキドキさせる要素が揃っている。
舞台は、主演2人が働く“キングホテル”。作り笑いを軽蔑する御曹司ク・ウォン(イ・ジュノ扮)と、“スマイルクイーン”のホテリエ、チョン・サラン(ユナ扮)という正反対の2人が繰り広げるロマンチックコメディーである。
しかし、人気の理由はそれだけではない。どうやら物語は、単純なシンデレラストーリーではなさそうなのだ。
視聴者の間では、サランの学歴と経歴から、彼女が一社会人として奮闘する、女性版“ミセン”を期待させると注目が高まっている。
ドラマ『ミセン-未生-(2014/tvN)』は、新社会人の奮闘をテーマにしたドラマで、韓国で社会現象を起こしたほどの人気作。
囲碁の棋士を目指していた主人公チャン・グレ(イム・シワン扮)が、父の死をきっかけに商社で勤務するようになり、満足な学歴も社会経験もない中で、現実と向き合いながら日々奮闘し、成長していく姿が描かれている。
高卒のグレは、他のインターン生のように正社員にはなれず、契約社員。激しい競争社会の中で同僚から見下されたり、理不尽な扱いを受けながらも、彼が自身のやり方で奮闘する姿は、多くの世代の共感を得た。
『キング・ザ・ランド』のヒロインのサランは、4年制大学ではなく、2年制の短大出身。小さい頃、母と遊びに行った海辺のホテルの思い出を大切にしており、ホテリエになる夢を抱きながら、努力を続けてきた。
学歴は応募要件を満たしていなかったが、手違いで受けたキングホテルの採用面接は、持ち前の笑顔で合格し、1カ月間の実習生となる。
短大出身ということで、すぐにクビになるだろうという周囲の予想に反し、彼女はさわやかな笑顔と優れた能力で、キャリアを積んでいき、見事正社員に。
ホテルの同僚の中には、美人でチヤホヤされる彼女を妬み、冷たくあたる人もいる。しかし、サランはフロント業務を経て、最優秀社員にまで上りつめ、ホテルの顔として広報モデルを務めることに。
イ・ジュノ扮するホテルの後継者候補ク・ウォンとの出会いは、ホテルのジム。その後いくつかの偶然が重なり、一緒にホテルのPR映像を撮影することになってしまう。
第一印象が良くない2人の態度は、第2話まで放送を終えた時点では、まだまだとげとげしい。
けれど、本ドラマは、作り笑顔を軽蔑するウォンと、ホテリエという立場上、笑顔を振りまくサランが、心から明るく笑える日常を作っていく様子が描かれるため、2人のロマンスがいつ頃から始まるのかも楽しみである。
しかし、劇中でロマンス要素が増えれば、サランが周りから「玉の輿に乗る」といった妬みや嫌がらせを受ける展開が起こることも予想される。
幼い頃からの夢を叶え、ホテリエとしての誇りを持っているサランは、上司であるウォンに対してもいつも強気。無料で部屋をアップグレードするよう迫るVIP客相手でも「規則だからできない」とビシッと対応する。
ユナ演じるサランからは「夢は自分の力で勝ち取りたい」という芯の強さを感じる。
そんなヒロインのキャラクターやドラマの設定が、韓国の視聴者たちに、“女性版ミセン”を連想させたよう。
ホテルのVIP専用ラウンジ”キング・ザ・ランド”を舞台に描かれるドラマは、御曹司と女性社員の単なるラブストーリーではなく、愛と仕事を頑張る女性たちが共感するストーリーを期待させている。
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