- 韓ドラのお家芸の1つである“復讐もの”が近年パワーアップ、容赦ない復讐劇が支持を得つつある。
- 同情の余地すらない醜悪な悪党と、それを最後まで追い詰め徹底的に報復する主人公という構図が、視聴者に爽快感をプレゼントしているようだ。
- 本記事では、最近話題となったNetflix『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』シリーズをはじめ、仁義なき復讐を描いて人気を得た作品を5つ紹介する。
最近の韓ドラ界は、“復讐もの”が増えている。
お家芸と言われるジャンルで長きに渡り愛されてきたが、近年登場し視聴者から支持を得たものは、これまでとは一味異なる。
悪役の改心により主人公が許してエンディングを迎えるという、ほぼパターン化されていたこれまでのような生ぬるいものではない。容赦なく徹底的に復讐をするタイプだ。
このため悪者はとことん悪く、同情の余地すらないキャラクター。報復する側は手加減なしで、復讐に同情は贅沢といわんばかりに自らの恨み辛みを晴らしていく。時には非情とも言える手段をとることも。
リアリティー溢れる描写が特徴の韓国ドラマでは、残虐過ぎるあまり目を覆いたくなるシーンが登場することもあるが、虐げられてきた主人公に感情移入した視聴者からは、徹底した復讐劇にカタルシスを感じると好評を得る傾向が。
どちらかといえば自己憐憫が強い国民性ゆえに弱い者の立場に共感、強者を打ちのめす姿を見て間接的に満足しているのではないかとの見方がされている。
そんな作品の数々を5月7日、韓国メディアのWikiTreeが振り返った。
そこで、同記事で取り上げられている仁義なき復讐を遂行した韓国ドラマを5つ紹介する。爽快感抜群のラインナップだ。
ザ・グローリー ~輝かしき復讐~ シリーズ(2022、2023)
高校時代に受けた学校暴力により魂まで傷つけられた女性が、生涯をかけ緻密に準備してきた復讐劇とその罠に巻き込まれる人物たちを描いた、シーズン2まで続く物語。
壮絶ないじめの末、退学に追い込まれた主人公が、18年にも渡る長い年月をかけ計画した復讐を実行していく様が圧巻。また、自らの行動に全く悪びれる様子のない加害者の醜悪な態度が、より一層ストーリーをドラマチックにしている。
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・Netflix
ザ・グローリー~輝かしき復讐~
ヴィンチェンツォ (2021)
組織からの裏切りにより韓国を追われたイタリアマフィア弁護士が、ベテラン冷血弁護士と共に悪党のやり方で悪い奴らを一掃する物語。法律では裁けない悪に立ち向かっていくダークヒーローたちの、強烈で熱い正義が具現化された作品だ。
そっちが汚い手を使うなら、こっちはさらに卑劣な方法で・・という図式が魅力の1つ。主役ヴィンチェンツォ(ソン・ジュンギ扮)が、冷徹に敵を切り捨てていく姿は、見る者をスカッとさせる。
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・Netflix
ヴィンチェンツォ
豚の王 (2022)
同名のアニメが原作のドラマで、20年前に学校暴力を受けトラウマを抱えて生きる主人公が、ある事件をきっかけに抑圧された感情が蘇り、過去に自分をいじめた加害者を次々と殺害。これを刑事になった当時の親友が追うことになって繰り広げられる追跡スリラー。
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』同様、いじめの被害者が報復していくストーリーなのだが、同作がどちらかといえば精神的に加害者を追い詰めていったのに対し、『豚の王』は、殺人によって仕返しするという点で異なる。
殺人鬼と化すほどの復讐心と憎悪感に満ちた物語は、一部のドラマファンの間で『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』を凌駕するとの声が上がった。
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・U-NEXT
豚の王
復讐代行人~模範タクシー~ シリーズ(2021、2023)
ベールに包まれたタクシー会社“ムジゲ(虹)運輸”と、元特殊部隊将校で現在タクシー運転手のキム・ドギ(イ・ジェフン扮)が、無念の犯罪被害者に代わって復讐する復讐代行劇。今年シーズン2が放送された人気シリーズで、痛快なアクションで魅せるダークヒーローものだ。
韓国中を震撼させた事件を連想させるシーンや、視聴者の共感度が高い社会問題を取り上げるなど、リアリティー溢れる構成が魅力の1つ。
悪党による悪行の数々や復讐シーンの描写が残虐で好みが分かれがちだが、それだけに被害者の無念を晴らす場面は、見る者に爽快感をプレゼントする。
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・Amazon Prime Video
・TELASA
※シーズン2は、現段階において日本での配信は未定
復讐代行人~模範タクシー~
熱血司祭 (2019)
血の気が多い元国家情報員のカトリック司祭と平穏を望む情けない刑事が、ある殺人事件をきかっけに共同捜査するブラックコメディー。
韓国で大きな話題となったバーニングサン事件を彷彿とさせる場面や、本国が抱える社会問題などシリアスなテーマを扱いながらも、随所に散りばめられたコミカルな演出によって重たくなり過ぎないのが本作の魅力。
主演キム・ナムギルが体を張ったアクションで、次々と悪者に制裁を加えていく様子が痛快な作品で、2024年にはシーズンの放送が予定されている。
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・U-NEXT
・Amazon Prime Video
・Rakuten TV
・TELASA
・Hulu
・FOD
熱血司祭
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