ユルジェ病院を舞台に、医大同期の医師5人の平凡な日常と、熾烈な病院ライフ描いたヒューマンメディカルドラマ、『賢い医師生活』シリーズ。本作のシーズン2で描かれたエピソードが、韓国の医療現場に大きく貢献したという。それは、ドナー登録者数の増加。これほどまでに大きな影響を与えたエピソードとは。

日韓のドラマファンを感動で包み込んだ、tvN(Netflix)『賢い医師生活』シリーズ。

この作品は、誰かが生まれ、誰かが人生を終える人生の縮図版と呼ばれる病院で、平凡で特別な1日を生きる人々と、目を見ただけで理解し合える、20年来の友人のケミストリーを描いている。

『賢い医師生活』シリーズは、チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミドが主演を務めた

チョ・ジョンソク、ユ・ヨンソク、チョン・ギョンホ、キム・デミョン、チョン・ミドが主演を務めた、『賢い医師生活』シリーズ(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典:tvN)

ここで描かれたエピソードが、韓国の医療現場に光をもたらしたという。

新型コロナウイルス感染症の影響で減少してしまった臓器提供希望登録者(以下、ドナー)が、2021年は大幅に増加したそうだ。これは、多様な寄贈事例をさまざまなエピソードで温かく描いたドラマが、”善良な影響力”を及ぼしたという評価だ。

韓国の国立臓器組織血液管理院によると、2019年に14万7061人だった登録者が、2020年では新型コロナウイルス感染症の影響で12万9644人に減少。約1万7417人(11.8%)ほど減少したが、2021年には17万5871人に増加し、前年度と比べて35.7%も急増した。

同院の関係者によると、ドラマ『賢い医師生活』や芸能番組『ユ・クイズ ON THE BLOCK』、生命分かち合い広報大使を務めるガールズグループBrave Girls(ブレイブガールズ)などを通じた広報効果で、”生命分かち合い文化(생명나눔문화)”が拡散したものと見られている。

エピソードとは、韓国国民の心に響いた

韓国国民の心に響いたエピソードとは‥(画像出典:tvN)

特に、『賢い医師生活 シーズン2』に登場した臓器移植のエピソードは、多くの視聴者を考えさせた。

このストーリーが登場したのは、第5話。長い間、心臓移植を待っていた11歳の少年にようやくドナーが現れ、手術を受けることになった。無事に子どもが手術を終え、安堵と感謝に包まれていた母親だったが、医師に対してこう話したのだ。

ドナーが現れて欲しいと願いながらも、その一方でとても心苦しかったです

私たちには幸せであり奇跡ですが、あの方たちには耐え難い不幸なんです。毎晩、それを祈り、願っていることに、とても胸が痛みました

このセリフは視聴者の心を響かせた。あるオンラインコミュニティーには、『賢い医師生活 シーズン2』を見て臓器提供を決心したというコメントが投稿されるほど。

実際、ドラマが臓器移植やドナーに対する話をより比重を置いて描いた後、各種オンラインコミュニティーでは「『賢い医師生活』でドナーを待つ両親の姿を見て、臓器ドナーの申請した」といったコメントが多く見られていた。

同院によると、7月1日から約6週間、ドナー登録に参加した人は1万6231人だという。昨年の5576人と比較すると、3倍以上増加している。特に、臓器提供の手続きが比較的詳細に説明された第7話の放送後、1週間で7042人もの国民がドナー登録に参加、昨年の同期比で見ると11倍も増加した。

“生命分かち合い文化”に貢献した『賢い医師生活 シーズン2』。変えようのない現実と、それを受け入れなければならない人々の心情を丁寧に描いたエピソードは、多くの大衆の心を揺るがし、大きな一歩へと導いている。

(構成:星野沙)






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