キム・ウンスク脚本家が、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『ザ・グローリー(The Glory)』で復帰する。彼女といえば、『パリの恋人(SBS/2004)』が代表作の1つに挙げられるが、撮影中なんと大物俳優と葛藤があったのだとか。気になる当時のエピソードを振り返ってみる。
キム・ウンスク脚本家が、『ザ・キング:永遠の君主(SBS/2020)』以来久しぶりに、女優ソン・ヘギョ主演のNetflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『ザ・グローリー(The Glory)』で復帰する。
韓国のドラマ界で、“ナンバーワンヒットメーカー”として有名な彼女が手掛けるとあって、配信前から既に注目を浴びている状況だ。
ところで、彼女の代表作といえば、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~(tvN2016)』や『太陽の末裔 Love Under The Sun(KBS2/2016)』などが有名だが、その中の1つに、『パリの恋人(SBS/2004)』が挙げられる。
韓国で最高視聴率56%、平均視聴率41%を記録し、“2004年の最高傑作”と称された作品だ。日本でも放送され、ときめくシチュエーションやセリフ、キスシーンなど、あらゆる場面が話題となったため、覚えている人も多いだろう。
しかしこの作品には、人気の裏に隠れたエピソードがある。それは、主演を務めたパク・シニャンとキム・ウンスク作家の間に生じた葛藤だ。
パク・シニャンは、自身が務める役柄をしっかりと分析する俳優として有名。しかしその過程で、台本にあるセリフの言葉尻や伝え方のニュアンスを若干変更することが複数回に渡り、キム・ウンスク作家との間に溝が生まれたようだ。
事実、キム・ウンスク作家が過去に受けたあるインタビューで、「パク・シニャンさんは、台本に関しては忠実な俳優ではありません。独自のものを作ろうとし、それが時々(全体の)バランスを崩す時もあります」と吐露している。
両者ともに、良い作品を作ろうとする気持ちが共通しているだけに少々残念ともいえるが、2人のエピソードはなんとこれだけに留まらない。最終回のシーンを巡って、これまでになかったほどの衝突を見せたという。
争点となったのは、物語の“全て夢であった”という結末。パク・シニャンがキム・ウンスク作家に修正を依頼するも、当初は元のままであったため、2人の関係性は収拾がつかないほどに。ちなみに、韓国の一部メディアによると、この際は、彼以外の出演陣もほぼ同様の姿勢だったとか。
ところが、同作を通して『2004 SBS演技大賞』で大賞を手にしたパク・シニャンは、受賞コメントでキム・ウンスク作家に感謝の言葉を述べる。そして、作家との関係性についてインタビューを受けると、「撮影中は仲良く過ごしました」と言いながらも、結末の急展開には合点がいかなかった旨を示し、自身はそのオチに反対した1人であったと語った。
一方キム・ウンスク作家は、ドラマのあるインタビューで他の俳優を絶賛する中、パク・シニャンに関しては、「話すことはないです」と彼に関する質問を受けない意思を表明したことがある。
また、約4年後に受けたオフレコ取材では、パク・シニャンをこれでもかというほど批判し、彼が台本にあるシーンを全く別のものに変えてしまったり、撮影拒否したりされたことがあったと語ったという。
このエピソードだけを切り取ると、撮影現場には相当張り詰めた空気が流れていたのではないかと思われるが、驚くべきは『パリの恋人』が大ヒットを記録したという点。傑作誕生の裏には、こだわりと苦悩、そして葛藤がつきものなのだろうか。
(構成:西谷瀬里)
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