2021年に様々な疑惑が浮上し、”悪女キャラ”のイメージが植え付いてしまった女優のソ・イェジが、現在tvNドラマ『イブ』で悪女を演じている。放送開始前から話題を集めていたものの、実際には視聴率がほぼ横ばい状態で、いまだ“悪女キャラ”を生かしきれずにいる。
女優のソ・イェジは2021年、俳優のキム・ジョンヒョンに「*ガスライティングをした」という疑惑をはじめ、スタッフへのパワハラ、学歴詐称、校内暴力への疑惑が同時多発で浮上した。
*ガスライティング:心理的虐待の一種。相手に些細な嫌がらせをしたり、わざと誤った情報を提示して、被害者が自身の記憶や知覚、正気など、自身の認識を疑うよう仕向ける手法(出典:Weblio辞書)。
そのため、一部ではすっかり”悪女キャラ”のイメージが強くなってしまっている。
そんな彼女が、復帰作として選んだドラマがtvN『イブ』だった。
劇中では、幼い頃に無念の死を遂げた父の復讐をするため、13年に渡って緻密に練り上げた計画を、人生をかけて繰り広げる主人公のイ・ラエル(ソ・イェジ扮)を演じている。
同作品はソ・イェジにとって、tvNドラマ『サイコだけど大丈夫(2020)』後、初の出演作品で、一時期は世間を賑わせた彼女が出演するとして、放送開始前から話題を集めていた。
そしてこれは、ソ・イェジの”復帰作”と”悪女キャラ”を逆手に取り、宣伝材料にした制作側の戦略が成功した形だ。
しかし、いざ蓋を開けてみると『イブ』の人気は、現段階においてほぼ横ばいを見せており、さほど高い効果を得られなかったよう。
事実、6月1日の初回放送の視聴率は3.6%で、第2話が3.7%と、前話とほぼ変化がなかった。
そして第3話では3.0%になり、第4話ではなんと3%を切って2.9%にまで落ち込んでしまう。その後、第5話では3.5%、第6話では3.9%と再び3%台を取り戻したが、3%台からは依然として抜け出せずに苦戦中だ。
初回放送から、復讐のための緻密な計算と緊張感走るセリフの数々に加えて、視聴者を引きつける早いストーリー展開で、高視聴率が期待できるだけの要素を含んだ内容であるにもかかわらず、伸び悩んでいる。
また注目すべきは、ソ・イェジの破格的な露出シーンまで盛り込まれていたという点だ。これには視聴年齢の制限がされた程で、十分に世間の関心を集めるだけのものだったが、いまだそれが結果として表れていない状況にある。
また視聴率と同様に話題性も、現段階においては同様の一途をたどっている。
テレビの話題性分析機関であるgooddata(グッドデータ)コーポレーションが発表した、6月1週目の”ドラマTV話題性”ランキングで『イブ』は、ドラマテレビ部門で3位、ソ・イェジはドラマ出演者部門で2位を獲得し、2話までは良い滑り出しだった。
しかし、第3話と4話が放送された6月の2週目になると、ドラマテレビ部門で5位、ソ・イェジはドラマ出演者部門で4位となり、1週目から下降。
劇中の”悪女”を、実生活でも”悪女キャラ”とされているソ・イェジが演じれば、視聴者の興味と没入度が上がり、視聴率アップにつながるかと思われたが、その効果もそこまでは及ばなかったようだ。
とはいえ、第6話では視聴率3.9%を記録し、3%台から抜け出す兆しが全くないとは言い切れず、今後の行方が期待される。
(構成:西谷瀬里)
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