ナム・ジュヒョク×キム・テリ主演ドラマ『二十五、二十一』が第16話を最後に幕を下ろした。韓国ネットでは、エンディングを惜しむ声から好評まで、様々な感想と評価が寄せられている。しかし、放送前から様々な議論に巻き込まれていたのだが‥
4月3日、tvNドラマ『二十五、二十一』が第16話を最後にエンディングを迎えた。
多くの視聴者の予想通り、ペク・イジン(ナム・ジュヒョク扮)とナ・ヒド(キム・テリ扮)の恋は、”叶わない初恋”という結末だった。
韓国ネットでは、”バッドエンディング”ではなかったが、”サッドエンディング(悲しい結末)”だったことを惜しむ声から「上半期ドラマを代表する名作らしい結末」という好評まで、様々な感想と評価が寄せられている。
*この記事にはネタバレが含まれています、ご注意ください。
しかし本作は、こんなにも高い作品性と出演者たちの熱演に心打たれた視聴者が多かったにもかかわらず、放送開始前から”酷評”を浴びていたことをご存じだろうか。
『二十五、二十一』に好意を持っていないネットユーザーは、ドラマの至るところに”いちゃもん”を付け、今回の結末に対しても「歴代最悪なドラマ」「脚本家の思想が疑わしい」と、大ブーイング。
4月2日に放送された第15話では、アメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)を現地からレポートするイジンの姿を見て、笑顔を見せするヒドの姿が描かれたのだが、このシーンを巡っても「史上最悪なテロ事件を、恋愛を描写するための素材にするとは」と猛烈な批判を浴びせた。
もちろん、アメリカ同時多発テロ事件は世界中が悲嘆に暮れた惨事であるため、ドラマに使用したことに対して”デリカシーがない”という大衆の批判を免れる事は難しいだろう。
しかし不運にも、アンチファンはここぞとばかりに、この機に乗じてドラマ非難を強めているのだ。
“ウェルメイドドラマ”との呼び声高い『二十五、二十一』は、一部の人々からなぜここまで嫌われているのだろうか。
その理由は、脚本を担当したクォン・ドウン作家(以下、クォン作家)にあるようだ。
韓国のSNSやオンラインコミュニティーを確認してみると、その理由は大きく2つある。
まず1つ目は、クォン作家の盗作疑惑だ。
彼女が書き下ろしたドラマ『検索ワードを入力してください:WWW(2019/tvN)』のプロットの一部が、当時ハリウッド映画『女神の見えざる手(2017)』に酷似するとの指摘が浮上したが、制作側は3年を経た現在も釈明をしていない。
韓国ネットユーザーは、この件を黙秘し続けながら新たなドラマの執筆に取りかかったクォン作家に「厚かましい」「視聴者を舐めているのか」と呆れた様子を見せたのである。
そしてもう1つは、”キム・ヨナと浅田真央”のライバル議論だ。
『二十五、二十一』の放送前、ホームページのコンセプト説明欄に「キム・ヨナと浅田真央はお互いにとって、どんな意味があっただろうか‥同伴者であり、良縁でありながら、悪縁、そしてライバル」と記されていた。
ドラマの登場人物で、フェンシングのライバルであるヒドとコ・ユリム(宇宙少女 ボナ扮)の関係性を解説するための文言だと思われるが、これにキム・ヨナのファンが猛反発。
彼・彼女たちは、浅田真央よりもキム・ヨナの成績が優位を占めているため、「浅田真央をライバルに位置付けてはならない」と憤っているのだ。
他にも、”成人男性と女子高校生の恋愛”、”ユリムのロシア帰化”など、情勢的に敏感なイシューが劇中に登場した事に対して「何らフィルタリングも行わず、ストーリーに盛り込んだ」と批判を続けている。
****
ドラマの放送開始前から、難癖を付けては非難を繰り返す‥この悪質な行為は、今年1月に放送終了を迎えたドラマ『スノードロップ』も同様の状況に泣かされていた。
当時、”歴史歪曲”議論が勃発した本作は、”議論で始まり議論で終わった”という不名誉なレッテルを貼られたまま、お茶の間からの退場を余儀なくされてしまった。
高いクオリティーで世界のドラマファンを魅了している韓国ドラマだが、残念ながら、まずは本国の高い倫理観と歴史観に見合う作品を制作しなければならないようだ(もちろん、自国のスポーツ英雄の名にも触れてはならない)。
ナム・ジュヒョク
モデルとして活動後、2014年ドラマ『インヨ姫』で俳優デビュー。
以降、ドラマ『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』(2016)『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』(2016)でバイプレーヤーとして活躍して頭角を現し、同年『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ』では女優のイ・ソンギョンとダブル主演を務め、人気を博す。
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