日韓で人気を集めている、韓国ドラマ『二十五、二十一』。クライマックスを目前に控えた第14話では、あるキャラクターが外国籍に帰化するシーンが登場。これに対し、韓国のインターネット上では激論が繰り広げられている。一部のネットユーザーからは「売国奴だ」という反発的な意見が、この一方で「その気持ちも分かる」という肯定的な意見も見られ、双方が真っ向から対決。その背景には、あるスポーツ選手が影響しているようだ。

日韓で人気を集めている韓国ドラマ、tvN(Netflix)ドラマ『二十五、二十一』。

韓国ドラマ『二十五、二十一』は日本でも話題沸騰中

日本でも話題沸騰中の韓国ドラマ『二十五、二十一』。(画像出典:tvN)

去る27日に放送された第14話では、フェンシング選手のコ・ユリム(宇宙少女ボナ)が、ロシアに帰化する姿が描かれた。

父親が交通事故を起こしてしまい、被害者に支払う治療費や示談金を用意しなければならなくなったユリム。彼女はそれを引き受けるために、ロシアに帰化することを決意する。

だが、大衆からの風当たりは強かった。彼女に対し「売国奴」と非難を浴びせる人々も多く、そんな大衆に対し、ユリムは「国を売った覚えはない、私は私の実力を売っただけだ」と反論をする。

ストーリーは盛り上がりを見せている、クライマックス目前

クライマックスを前に、ストーリーは盛り上がりを見せている(写真提供:©スポーツ韓国)

このシーンについて、韓国のインターネット上では激論が繰り広げられているという。

一部のネットユーザーは「この時期にロシア?」「あえて(ロシア関連イシューを)入れるべきだったの?」「どうしてこういう内容にしたのか」など、ストーリー展開に理解できないという反応を見せた。

この一方で、「ストーリー上問題はないが、誰かを連想させたようだ」「韓国人は帰化に敏感だ」など、この描写に対し問題ないという反応を見せるネットユーザーもみられている。

また、ユリムの言動を巡り「ユリムの考え方に賛成。個人と家族より国を優先してはならない」「韓国で生まれ育ち、その才能を他の国のために使うのは売国行為」「韓国人として許したくないが、”売国奴”呼ばわりはひどい」といった甲論乙駁も。

これ以前、韓国では、ドラマの世界で起きた”スポーツ選手の帰化”という出来事が現実にも起こっていた。

それは、スピードスケートのショートトラックで活躍を見せていたヴィクトル・アン(アン・ヒョンス)選手のことだ。

『二十五、二十一』の影響を受け、韓国のオンラインコミュニティーではアン選手が話題を集めている。

ショートトラックの韓国代表だったアン選手は、2006年に開催されたトリノオリンピックで3冠に輝き、圧倒的な強さを見せた。

しかしその後、所属していたチームが解散し、活躍の場を奪われてしまう。1人での練習には限界があったようで、あと一歩のところで代表の枠を逃してしまうことに。

このような中、スケートに専念できる環境を模索していたアン選手は、ロシアへの帰化を決断した。

アン・ヒョンス 選手

アン・ヒョンス 選手(画像出典:SBSスポーツ)

アン選手はあるインタビューで「私の胸にどの国の国旗が掲げられてもさほど関係はない。スケートに集中したくて下した決定だからだ」と語り、これに続いて「良くない目で見る人もいるだろう。自分の選択なので覚悟もしている。そして、その選択に後悔がないよう一生懸命に準備してオリンピックで良い姿を見せたい」と語っていた。

実際、帰化後にロシア代表として出場したソチオリンピック(2014年)では、男子の500m、1000m、5000mリレーと3種目で金メダルを獲得する快挙を成し遂げている。

華やかな記録を数多く生み出したアン選手は、2020年に現役を引退。その後、2022年2月まで中国のスケートチームの技術コーチとして活躍した。

まるでドラマの中の出来事のようなストーリーが実際に起きていた、韓国スピードスケート界。

このこともあってか、『二十五、二十一』で登場した”ロシア帰化”について、ネットユーザーらが熱い激論が繰り広げていたようだ。

青春、恋愛、そして時代を描き、視聴者を熱くさせている本作。これほど大ヒットを見せた背景には、リアルなストーリーが盛り込まれていることも理由のようだ。




ナム・ジュヒョク

モデルとして活動後、2014年ドラマ『インヨ姫』で俳優デビュー。

以降、ドラマ『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』(2016)『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』(2016)でバイプレーヤーとして活躍して頭角を現し、同年『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ』では女優のイ・ソンギョンとダブル主演を務め、人気を博す。

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