3月29日、米ビルボード(Billboard)によると、Stray Kidsの『ODDINARY』が、ビルボードアルバムチャートの”Billboard 200″で1位になったようだ。このニュースは韓国でも大きく報じられており、”学暴ドル”呼ばわりされるStray Kidsへの評価が変わりつつあるが‥。
Stray Kids(ストレイキッズ)が、K-POP歴史に新たな記録を打ち立てた。
3月29日、アメリカの有力音楽チャートであるビルボード(Billboard)によると、Stray Kidsの新譜『ODDINARY』が、アルバムチャートの”Billboard 200″で1位になったようだ。
K-POPアーティストが”Billboard 200″を賑わせたのは、BTS(防弾少年団)、SuperM(スーパーエム)に次いで3組目の快挙となる。しかしデビュー4年目のStray Kidsとしては、同チャートに初ランクインすると同時に、初1位という前例のない記録を達成したのだ。
アメリカ国内で『ODDINARY』の販売高は約11万枚。今年アメリカで販売されたアルバムの中、最も高い数字である。
この日、ビルボードとのインタビューに応じたStray Kidsは「信じられない! ファンが僕たちに贈ってくれたプレゼントだ。もっと頑張りたい」と感謝と意欲を伝えた。
今回の快挙によりStray Kidsは第4世代アイドルの代表格から、BTSを継ぐ“次世代ワールドスター”への飛躍を成し遂げたと評されている。
実際、彼らの偉業を見ている韓国ネットのリアクションは、以前とは違った雰囲気が感知される。いわば”風向きが変わりつつある”のだ。
Stray Kidsは2021年、メンバーヒョンジンの”校内暴力議論”により、一時期”モラルのなさ”を問われるアイドルへと転落した。
彼らの持つ実力や、音楽への飽くなき探求心が一切評価されなくなり、”不良”や”隠ぺい”というキーワードだけが一人歩きするようになったのだ。
ヒョンジンの心からの謝罪や活動自粛、学生時代の担任による「当時の事実とは少し異なる」という証言があったにもかかわらず、彼らへの冷めた視線は変わらず、むしろ大衆から”*学暴ドル”呼ばわりされることも。
*学暴ドル:学校暴力アイドルの略語
(関連記事)Stray Kids ヒョンジン、当時の教師が擁護するも聞く耳を持たない韓国ネット
しかし、韓国国内で横行する大衆からの冷笑や嘲笑とは裏腹に、海外ではStray Kidsの音楽や世界観にのめり込むファンが急増。昨年7月には、海外チャートやメディアで彼らの活躍が大きく取り上げられ、今回の快挙へとつながったのである。
海外で明確な実績を出すと、韓国国内での”待遇”が一変。
なぜなら韓国では、海外から好評価を受けたアーティストやスポーツ選手に対して”愛国者”の称号を与えるという、韓国特有の”評価方式”があるからだ。
その一例が、イギリスのサッカープレミアリーグで活躍するソン・フンミン選手である。現地メディアによる”ウィークリープレイヤーランキング”に選ばれるなど、その実力を発揮している彼は、現在韓国一の”愛国者”なのだ。
一部の韓国サッカーファンは、ソン選手に対し「プレミアリーグに専念してほしい」「韓国A代表に選ばれなくてもいい」と、韓国代表チームでの活躍よりも所属チーム(トッテナム・ホットスパーFC)でのパフォーマンスを高く評価するほどだ。
このように、海外から逆輸入のような形で評価への”渇き”を解消したStray Kidsは、米ビルボードの発表により”学暴ドル”から”愛国者”へと、そのステータスが急変したのである。
残念ながら“Stray Kids”の持つポテンシャルより、”韓国出身”という言葉が脚光を浴びる素材を求めつつある韓国ファン。
結果的に、彼らへの風向きが変わったことはうれしい出来事だが、彼らの追求する音楽や世界観への関心も促したいものだ。
Stray kids(スキズ)
Stray Kids(ストレイキッズ / ハングル 스트레이 키즈 / 愛称 スキズ)は、Mnetのサバイバル番組「Stray Kids」を通じて選抜された、JYPエンターテインメント所属の8人組ボーイズグループ。
2018年3月25日に、ミニアルバム『I am NOT』でデビューし、2020年3月18日にベストアルバム『SKZ2020』で日本デビューを果たしている。
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