JTBCの人気ドラマ『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能?!』に登場するある人物の行動に多くの視聴者が憤りを感じているという。その人物とは、ソン・ガン演じるシウの父、ミョンハンである。

2月12日から放送されている、JTBCの人気ドラマ『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能?!(以下、気象庁の人々)』。本作に登場するある人物の行動に、視聴者が憤りを感じているという。

『気象庁の人々』は、日本ではNetflix(ネットフリックス)で配信されており、スタート直後から人気ランキングトップ10に名を連ねるなど、高い人気を誇っている。

パク・ミニョン、ソン・ガン主演 JTBC『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能?!

パク・ミニョン、ソン・ガン主演 JTBC『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能?!』(画像出典:JTBC)

本作は、韓国ドラマ界において”ロコ(ロマンチックコメディー)の女王”と称されるパク・ミニョンと、若手イケメン俳優で”次世代韓流スター”として注目を浴びているソン・ガンが主演を務めている。

『気象庁の人々』シウが激怒した理由

2人の恋の行方と日常で抱く感情の変化を、”天気”に例えるという斬新なコンセプトが、多くの視聴者の共感を引き出す中、ある登場人物から垣間見えた”韓国社会の実態”が、密かに話題だ。

その人物とは、ソン・ガン演じるシウの父、ミョンハンである。

ミョンハンはギャンブルにのめり込んでいて、お金がなくなると周囲の人々に”シウの父”である事を口実に金銭を要求する、いわば”ろくでなし”の典型だ。

3月20日に放送された第12話では、シウが目を負傷したにもかかわらず、息子の容態には関心を示さず、補償金目当てにシウの前に現れたミョンハの姿が描かれた。

シウの父、ミョンハン

シウの父、ミョンハン(画像出典:JTBCドラマ)

そんなミョンハンにうんざりしたシウは「なぜここに来た? 誰かこの人を帰らせてくれ」と激怒。そして、補償金の具体的な金額を口にするミョンハンにシウは「いい加減にしてくれ! あなたという人間が、本当に恥ずかしい」と憤慨した。

するとミョンハンは、目が負傷しているシウの頬を強く叩くのだった。

韓国ドラマに登場する破廉恥な親

ミョンハンへの描写--息子や娘を利用して金銭を求める恥知らずな親は、韓国ファンなら初めて見る光景ではないだろう。

多くの人気作品で、金に目がくらんだ父と母は登場し、視聴者の感情移入を促してきているのだから。

しかしこのような親の姿は、ドラマだけに存在している”架空の人物”ではない。現実にも”産んで育てた”ことを恩に着せ、親としての権利を主張する者が少なくないようだ。

ただその大半は、産んではいるものの、扶養の責任を全うしていないケースが多いという。さらには、故人になった子どもの財産を要求するという、とんでもない事が起きているのは、知る人ぞ知る話だろう。

2019年に逝去した故ク・ハラさん

2019年に逝去した故ク・ハラさん(写真出典:©TOPSTAR NEWS)

2019年、自らこの世を去った故ク・ハラさんと実母が、まさにその例である。

“ク・ハラ法”の発案

ソン氏は、故ク・ハラさんが9歳の時、幼い兄弟を残して家を出て行った実母だ。彼女は、故ク・ハラさんの逝去後に突然現れ、娘の財産分割(50%)を要求してきたという。

財産分与の口実は「ソン氏が故ク・ハラさんの実母であるため」。この動きに、故ク・ハラさんの実兄が大激怒、民法で定める相続に関する法律改正を求める事態へと発展した。

通称『ク・ハラ法』と命名されたこの改正案は「養育への貢献度が低いなど、明らかな欠格事由があると判断された場合、相続権を喪失させることができる」という内容を主としている。

しかし「養育への貢献度というのは非常に抽象的な概念であり、それを推し量る基準がない」と、難色を示す法律専門家の反発に阻まれ、現在もまだ韓国の国会で審議中だという。

多くの韓国人は、『気象庁の人々』のミョンハンの厚かましい行動を見て、故ク・ハラさんとその実母を思い浮かべながら、シウへの同情を禁じ得ない様子だ。

***

韓国は「子が親の老後を、責任を持って仕えなければいけない」という認識が、ここ日本より高いと言われている。

このような背景には、親孝行が強調される“儒教国家”というお国柄もあるが、子どもの将来のために、成人になるまで多額の教育費を負担する韓国ならではの事情もある。

ただし、それが”親子”という関係性から生まれた支援ではなく、「与えた分だけ返してもらう」という計算も見え隠れしているようで、少しほろ苦い気も。

もちろん、親として教育と養育に最善を尽くした者なら、それを主張しても一部納得できる。だが、他人同然に会っていなかった子どもに対して、”親の報酬”を具体的な金額で口にする人がいるという事実(それがたとえドラマであっても)には、驚愕せざるを得ないのだ。






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