【韓流20周年企画-ハ・ジウォン編】2022年は、日韓同時開催が話題となったFIFAサッカーワールドカップから20年を迎える年となる。振り返ると日本の韓流ブームの歩みも、同じようなタイミングだったのではないだろうか。そこで今回は韓流20周年、あの女優の人生と思い出を追ってみたい。
昔からの韓国ドラマファンにはお馴染みの女優、ハ・ジウォン。
1978年6月生まれの43歳(日本年齢)という若さでありながら、すでに芸歴26年を誇るベテラン俳優だ。トレンドドラマから時代劇と、あらゆるジャンルを演じ切る名優としても知られている。
現在もなお、日韓で愛され続けている彼女の俳優人生を振り返ってみよう。
‘ホラークィーン’の異名を持っていた新人時代
出演する作品は軒並み大ヒットを記録し、まさに”視聴率の女王”という名が相応しい成績を収めているハ・ジウォンだが、新人時代には驚きの作品に出演していた。
ハ・ジウォンは、高校3年生だった1996年、KBSドラマ『新世代報告 大人たちは知らない』の生徒役で芸能界デビューを果たす。
彼女の名を広めたのは、1998年に放送された『学校2』で反抗的な不良役のチャン・セジンを演じてから。
2000年の映画『真実ゲーム』でも印象的な演技を見せ、各種新人賞を受賞。次世代ホープとして注目を集めた。
優れた演技力が認められるも、なかなか人気に繋がらなかったハ・ジウォンは、2000年に『友引忌』、2002年には『ボイス』と、ホラー映画に続けて出演。持ち前の演技力で、観客の背筋を凍らせる迫真の芝居を披露し、”ホラークイーン”という称号を獲得するほど大きな反響を得た。
だが、女優は一定のイメージが定着するのを嫌がるもの。それは次回作にまで響くからだ。
そのような中で、ハ・ジウォンも何作かのホラー映画に出演し、そのインパクトの強さから”ホラー”というイメージが付いてしまった。
怖すぎて見られない。
大衆にそれほどの恐怖とインパクトを与えたハ・ジウォンは、周りから「そのイメージを払拭できないのでは」とも囁かれていた。ほかのキャラクターを演じても、ホラーの影がチラいてしまうといった心配する声も多く聞かれていた。
コミカルな作品を通じて、そのイメージを一変! 一躍スターダムへ
しかし、そこは”名優”ハ・ジウォンだ。
2002年にセクシーコメディー映画『セックス イズ ゼロ』に出演し、豊かな演技力でエアロビクス部の選手イ・ウニョを演じ、一躍大衆的なスターダムへと駆け上る。
ここで”ホラークイーン”の異名を払拭したハ・ジウォン。その後は、ご存知の通り映画やドラマを通じて多くの作品でファンを楽しませている。
2003年にはMBC『チェオクの剣(茶母)』で韓国を代表する女優としての地位を確立し、2004年はSBS『バリでの出来事』でイ・スジョン役を演じ、没入感を与える繊細な演技を披露した。2006年、KBS2『ファン・ジニ』に出演し、古典的でありながらファム・ファタール的なファン・ジニを表現し、その年の『KBS演技大賞』を受賞。
2009年には映画『TSUNAMI-ツナミ-』が1000万人を超える観客数を記録し、生涯初の千万観客突破作品となった。同年に撮った『私の愛、私のそばに』もヒットし、この映画で『青龍映画賞』の主演女優賞を受賞。その演技力も認められたハ・ジウォンは、興行と演技力の二兎を得た。
映画界で爆発的な人気を得たハ・ジウォンは、その後、ドラマ界でも旋風を巻き起こす。
ヒョンビンとW主演『シークレット・ガーデン』が大ヒット
2010年に『シークレット・ガーデン』が大ヒットを飛ばし、『SBS演技大賞』の最優秀演技賞をはじめ、4冠に輝いている。2013年にはMBC『奇皇后 ~ふたつの愛 涙の誓い~』をヒットに導き、演技力、興行性を全て備えた最高の女優へと成長した。
出演作の視聴率を見れば、そのすごさが分かるだろう。
『チェオクの剣』は24.2%、『バリでの出来事』は40.4%、『ファン・ジニ』は27.8%、『シークレット・ガーデン』は37.9%、『奇皇后 ~ふたつの愛 涙の誓い~』は29.2%と、驚異的な数字が並んでいる。
現在はドラマの公開形態が多様化したこともあり、近年の出演作はこれよりも寂しい数字を見せているが、彼女が韓国を代表する女優であることに間違いはない。
優しいキャラクターから悪役、清純でかわいい女性から強烈でセクシーな女性まで、現代劇と時代劇、悲劇とコメディー、ラブストーリーとアクションと、あらゆるジャンルのあらゆるキャラクターを演じられる。
演技力の面で見ても、同世代女優の中で最高といっても過言ではないだろう。
作品の中のキャラクターによって、全く別人のように感じられるほど変身能力の高い”カメレオン”のような俳優、それがハ・ジウォンだ。
彼女の快進撃はこれからも人々を驚かせ、感動させていくことだろう。
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