俳優のクァク・ドンヨンが、9月30日から韓国で放送予定のENA新ドラマ『ガウス電子』にメインキャストとして出演する。いまや、韓国ドラマに欠かせない役者となりつつあるが、現在の地位を確立するまでには苦労を経験したようだ。
俳優のクァク・ドンヨンが、勢いに乗っている。
昨年、ソン・ジュンギの主演作『ヴィンチェンツォ(2021/tvN・Netflix)』に出演。
チャン・ジュノ(オク・テギョン扮)の異母兄弟、チャン・ハンソ役で兄ジュノに言われるがまま操り人形のように生きてきたが、ヴィンチェンツォ(ソン・ジュンギ扮)と出会い、自身を取り戻していくというキャラクターを演じ、さらに天然キャラな一面を持つという、魅力たっぷりの人物を描き出した。
どんなポジションでもマルチにこなし、ドラマをはじめ、映画、演劇、ミュージカルなど多様なジャンルでその実力を発揮している。
現在、MBC『ビッグマウス』に特別出演しており、本作は第6話から視聴率10%を突破し、第12話では12%を記録。
主演俳優のイ・ジョンソクとイム・ユナ(少女時代)の演技はもちろん、ストーリーをより一層盛り上げているクァク・ドンヨンも、視聴者から熱い視線を浴びている。
そして9月30日から韓国で放送となる、生活家電本部“マーケティング3部”の若者たちの恋を描くENA新ドラマ『ガウス電子』に主役として出演。コミカルな姿を存分に披露する予定だ。
しかしここに至るまでにクァク・ドンヨンは、様々な苦労を重ねて来たようだ。
彼は、元々バンドマンになるのが夢で、FNCエンターテインメント(以下、FNC)の練習生になるため中学生の時にソウルへ上京、2年の合宿所生活の後、一人暮らし生活を始める。
そんな中、事務所からKBSドラマ『棚ぼたのあなた(2012)』の出演者オーディションを勧められ、俳優としてデビュー。翌年にSBS『チャン・オクチョン』に出演すると、歌手の道を諦め役者として歩むことを決意する。
高校2年生の時『*私は一人で暮らす』に、当時最年少で登場しプライベートを公開したのだが、この時の暮らしぶりが衝撃的だった。
*芸能人の日常生活や自宅を公開する、MBCの人気バラエティー番組
半地下の家で、一人暮らしをしながら学校に通い、部屋を掃除する姿などを見せ、一般的にはまだ親元で過ごすことの多い年齢の子が、頑張って生活している様子が映し出された。
住み心地について聞かれると、「窓を開けると、通行人の足のすねの半分から下だけが見えて、それを見ると囚人になった気がします」と語り、トイレから悪臭がすることや虫が出てくることなど、快適とは言えない環境で生活するつらさを口にする。
そして番組最後には、一人暮らしの寂しさを吐露。しかし、これまで続けてこられたのは「自分のやりたいことをしているから」だと、役者に対する格別な思いを明かすのだった。
夢のために、寂しさや厳しい環境下でも耐える姿は、見る者の心を当然動かし、スタジオで映像をモニタリングしていた出演者はもちろん、視聴者は自身を省みてクァク・ドンヨンに感心したほどだったという。
以降も『モダン・ファーマー(SBS/2014)』や『帰ってきて ダーリン!(SBS/2016)』などに出演。
そして、2016年に放送された『雲が描いた月明り(KBS)』で、寡黙ながらもいざという時は世子(皇太子)イ・ヨン(パク・ボゴム扮)を守り、華麗でキレのあるアクションを披露すると、これが高い評価を得て、世間に名が知られるように。
2018年には『私のIDはカンナム美人(JTBC)』や『ボクスが帰ってきた(SBS)』で、準主役として登場。
さらに『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~(KBS/2017)』『サイコだけど大丈夫(tvN/2020)』『その年、私たちは(SBS/2021)』などには特別出演し、安定的な演技活動を繰り広げている。
夢を叶えるため、10代で単身上京した一人の少年は、腐ることなく真面目に“役者”という職業に向き合った結果、とうとう主役級の座にたどり着いた。
いまや、韓国ドラマに欠かせない俳優といってもよいほどに、クァク・ドンヨンは成功を手にしている。
クァク・ドンヨンの公式Instagramを見る(外部リンク)
(構成:西谷瀬里)
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