Netflix(ネットフリックス)シリーズ『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』に出演したキム・ソンオは、今でこそ名バイプレーヤーとして知られているが、長い下積み時代を経験した俳優の一人だ。そんな彼が、一躍有名になった作品とその過程を紹介する。

現在配信中の、Netflix(ネットフリックス)シリーズ『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』。

『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』ポスター(画像出典:Netflix)

『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』ポスター(画像出典:Netflix)

公開翌日に、グローバルランキングで3位に浮上するなど、人気の高さを誇ったが、そんな作品を盛り上げている一人が俳優のキム・ソンオだ。

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俳優キム・ソンオは、『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』に出演中。

『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』に出演中の俳優キム・ソンオ。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

本作は、“教授”と呼ばれる天才戦略家を中心に構成された犯罪専門家集団が、南北共同貨幣を作る造幣局で、世紀の人質強盗劇を繰り広げる。キム・ソンオは事件の解決にあたる、北朝鮮側の特殊要員出身の交渉人、チャ・ムヒョクとして登場している。

韓国側の交渉人、ソン・ウジン(キム・ユンジン扮)と協力する必要があるのだが、物語の序盤に意見が対立。その後の展開に緊張感を持たせる、キム・ソンオの独特な演技が、観る者をハラハラさせた。

出演時間だけで言えば、メインキャストに比べて比較的少ないのだが、短い時間の中で、視聴者をその世界観へ引き込む役者としての実力は、さすがだと言わざるを得ない。

キム・ソンオは、『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』で、北朝鮮側の交渉人チャ・ムヒョクを演じている。

『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』で、北朝鮮側の交渉人チャ・ムヒョクを演じるキム・ソンオ

そんな彼にも、多くの役者と同じように、売れずに苦労していた無名時代がある。

軍隊で特殊部隊出身のキム・ソンオは、毎年“戦友会”なる集まりに参加してきたという。無名時代が長かったことから、当時を記憶している後輩は多い。

2007年の集合時には「現役俳優が来る」と、期待を寄せていた参加者が彼を見て「10年近くも舞台で活動しているのに、いまだに無名な人」「かわいそう」という反応を見せたという。

周囲がそう感じるほどであれば、本人はさらに自身の置かれている状況を痛感していただろう。

ところが長かった下積み生活は、2010年に公開された映画『アジョシ』と、SBSドラマ『シークレット・ガーデン』にキャスティングされたことで、ついに終わりを迎える。

まず『アジョシ』では、観客に「本物の悪党に、出演オファーをしたのではないか」と思わせるほどのリアリティー溢れる悪役ぶりを披露、俳優としての認知度を得る足掛かりとなった。

映画『アジョシ』(画像出典:映画『アジョシ』ポスター)

映画『アジョシ』(画像出典:映画『アジョシ』ポスター)

キム・ソンオは、『アジョシ』で見事な悪役ぶりを披露した

『アジョシ』で見事な悪役ぶりを披露したキム・ソンオ(画像出典:『アジョシ』映像キャプチャー)

そして『シークレット・ガーデン』では、ジュウォン(ヒョンビン扮)の秘書で、お茶目で愛嬌たっぷりな役を演じ、視聴者から大きな注目を浴びることに。主演のヒョンビンとハ・ジウォンに、劣らない存在感を発揮していたとの評を得ている。

ドラマ『シークレット・ガーデン』(画像出典:SBS)

ドラマ『シークレット・ガーデン』(画像出典:SBS)

また、サイコパスな悪者に扮することの多かった彼に対して、一部からは「(今までとは)違う演技ができるのか?」と懸念する声も上がっていたが、そんな周囲の心配も一掃するほどの熱演を繰り広げた。

キム・ソンオは、『シークレット・ガーデン』に出演し、愛嬌のある演技を披露した

『シークレット・ガーデン』に出演し、愛嬌のある演技を披露したキム・ソンオ(画像出典:SBS)

ちなみに『シークレット・ガーデン』で人気を得た後、“トップスターの証”と称されるCMに出演し、再びヒョンビンと共演を果たしている。

2017年には、パク・ソジュンの主演ドラマ『サム・マイウェイ~恋の一発逆転!~』に出演し、ドンマン(パク・ソジュン扮)のテコンドーのコーチ役を好演、同年の『KBS 演技大賞』において男性助演賞を受賞した。

こうして『アジョシ』以降の今日まで、映画に17本、ドラマには27本に出演。さまざまな役柄を演じてきた彼は、いつしか“変身の鬼才”と呼ばれるように。

韓国では、作品ごとに異なる人物に変身する役者を先のように表現するのだが、キム・ソンオが、まさにその一人だ。

その実力は、冒頭で触れた『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』で発揮したばかり。

今後、彼がどのようなキャラクターで視聴者の前に登場するのか、活躍に一層期待が寄せられる。

(構成:西谷瀬里)





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