- 【韓流20周年企画-韓流天王編】2022年は、日韓同時開催が話題となったFIFAサッカーワールドカップから20年を迎える年となる。
- 振り返ると日本の韓流ブームの歩みも、同じようなタイミングだったのではないだろうか・・。
- そんな時代、日本では“韓流四天王”と呼ばれる韓流スター4人が名を馳せた。その影で、候補に挙がるほど人気を得ていた俳優がいる。本記事では彼らを紹介する。
日本のメディアでは、いまだ“韓流天王”という言葉がよく用いられる。韓流スターの人気や影響力などを格付けし、上位何名かをまとめてこのように呼ぶケースが多い。
元祖は、ペ・ヨンジュン、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビンで、2004年前後、“韓流四天王”と呼ばれ一世風靡した。
以降、クォン・サンウやソン・スンホンなどの人気俳優が日本で知名度を上げ、メディアの”審査基準”によっては仲間入りを果たすこともあった。
そこで今回は、韓ドラ界においてかかせない大物俳優であるにも関わらず、残念ながらあと1歩のところで、“韓流天王”入りできなかった韓流スターを5人紹介する。
チソン
まず1人目は、人気・実力ともに韓国を代表する元祖イケメン俳優チソン。
韓国で最高視聴率47.7%を記録した、SBSドラマ『オールイン 運命の愛(2003)』で一躍有名になった人物として知られる。同作は、NHK衛星第2テレビジョンなどで放送されたため、ご存じの方も多いだろう。
主演をトップスターであるイ・ビョンホンが務めたが、チソンは彼の人気の陰に隠れることなく、主人公との友情とソン・ヘギョ演じるヒロインへの恋心との間で揺れる野心を秘めた御曹司役を好演し、俳優としての頭角を現わした。
そして翌年、SBS『ラストダンスは私と一緒に』で主演を務め、一気にブレイク。その後も、MBC『キルミー・ヒールミー(2015)』で、『2015 MBC演技大賞』の大賞を受賞するなど、主にドラマ界で活動を繰り広げ、俳優として第1線で活躍し続けている。
少し前にはtvN『悪魔判事(2021)』が話題となり、現在はtvN『ADAMAS』に出演中だ。
イ・ソジン
2人目は、近年バラエティー番組でもよく目にするようになったイ・ソジン。
日本でも大ヒットしたMBC『チェオクの剣(2003)』で主演を務め、第1話から「痛むか? 私も痛い」というセリフで世の女性をときめかせ、大注目されることに。主人公のチェオク(ハ・ジウォン扮)がけがをした際、イ・ソジン扮するファンボ・ユンが、彼女の負傷に心を痛めて言った言葉で、韓国のドラマ史に残るほど話題を集めた。
以後、切なくも情熱的なラブストーリーに多くの人が涙した名作ドラマ、MBC『火の鳥(2004)』や、韓ドラファンなら知らない人はいないほどの話題作MBC『イ・サン(2007)』で、次々とヒットを飛ばし、瞬く間に知名度を上げていく。
2018年に公開された映画『完璧な他人』では、彼の爽やかなイメージにはない真逆をいくキャラクターに扮し、世間から高い評価を得て、役者として活動しながらバラエティー界でも成功を収めている。
イ・ドンゴン
3人目は、180cmを超える高身長に甘いルックスが特徴のイ・ドンゴン。
彼もイ・ソジン同様に名ゼリフを持っており、SBS『パリの恋人(2004)』での「僕の中に、君がいる」という言葉で女性を虜にした。
準主役という立ち位置だったのだが主役俳優よりも注目を浴び、あまりの人気から役名をとって“スヒョク病”と呼ばれる中毒者まで続出、イ・ドンゴンは同作を通して役者人生の全盛期を迎えることに。『第41回 百想(ペクサン)芸術大賞』では、TV部門の人気賞を受賞した。
また、初めて悪役に挑戦したKBS2『七日の王妃(2017)』では、『2017 KBS演技大賞』で中編ドラマ部門の男性優秀賞に輝き、両作は、日本でも各テレビ局で放送され、彼のファンになった人は多かった。
ちなみに、『パリの恋人』の約2年前には、日韓合作ドラマで女優の深田恭子と共演したMBC,TBS『フレンズ(2002)』を通して日本のお茶の間に登場、俳優兼歌手であることから、2008年には東京で初めてのコンサートを開催したこともある。
今後は、2023年配信予定のNetflix(ネットフリックス)シリーズの新作ドラマ『セレブリティー』で、ファンを楽しませてくれる予定だ。
パク・シニャン
4人目は、前出のイ・ドンゴンが出演した『パリの恋人』で、主人公を務めたパク・シニャン。
同作は韓国で平均視聴率41.1%、最高視聴率56.3%という驚異的な成績を残したドラマで、その人気を牽引した1人がパク・シニャンだった。劇中、財閥2世で自動車会社の社長役に扮し、高い演技力とスター性を世間から認められる。
元々、主に映画界で活動してきた人物で、既にスクリーンでは俳優としての実力が評価されていたが、お茶の間で名を馳せたのは『パリの恋人』が初めてだった。
そして、2007年に放送されたSBS『銭の戦争』での、冷徹ながら正義感溢れるサラ金業者役が好評を得て、ドラマ界でポジションを確立する。『SBS演技大賞』では、大賞、10代スター賞、ネットユーザー最高人気賞の3冠王に輝いた。
日本でもBS11などを通して放送され、彼の人気はさらに上昇、2008年には公式ホームページの開設を記念し来日したことがある。
こうして一時期は、韓国だけでなく日本も騒がせた彼だが、2019年のKBS『町の弁護士チョ・ドゥルホ2』を最後に、作品に出演していない。
チョ・インソン
5人目は、韓国を代表するイケメン俳優としてお馴染みのチョ・インソン。
彼を一躍有名にしたのは、SBS『バリでの出来事(2004)』だ。自由気ままな財閥の御曹司ジェミン役は、まさにハマり役。身勝手な行動を見せるも実はかなりの小心者で、“愛”というものを知ってからはさらに臆病になり、不器用で情けないキャラクターを熱演した。
トレンドのファッションに身を包み、スマートな生活を送るジェミンからは想像もできないほど、かっこ悪い姿を披露するシーンもあるのだが、かっこいい見た目とのギャップやぎこちなさが視聴者の心を掴んだようだ。
その結果、韓国を代表するトップ俳優へと躍り出るとともに、日本では韓流スターとして人気を博すことに。
その後は、SBSの『春の日(2005)』、『その冬、風が吹く(2013)』、『大丈夫、愛だ(2014)』などに出演、映画界では『卑劣な街(2006)』で好演を繰り広げ、スクリーンでもその名を知らしめた。現在まで、名実共に大スターとして君臨し続けている。
最近はというと、バラエティー界でも成功を収めており、今年下半期には、Disney+ドラマ『ムービング』で、ファンを楽しませる予定だ。
****
以上、5人の韓流スターを紹介した。かつて“韓流天王”の座には名を連ねなかったものの、どの俳優も名俳優で、今後の活動から目が離せない人物ばかり。この機会に、過去の作品をご覧になってみてはいかがだろうか。
(構成:西谷瀬里)
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