韓国芸能界に起きている様々な不祥事。それを正しい情報で報道するのがメディアの役目であるが、少々度が過ぎる報道をするテレビ局もあるようだ。まるで芸能人をターゲットに袋叩きをしているかのような雰囲気に疑問が残る。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
韓国芸能界のイシューとなっている、過去の校内暴力疑惑。数多くの人気芸能人たちに疑惑が浮上し、芸能界も大衆も大きな混乱に巻き込まれている。
次世代韓流スターとの呼び声が高い、若手俳優のエースであるジスもその内の1人だ。
過去の校内暴力疑惑が浮上し、ジスはすぐさまそれを認め、丁寧に謝罪した。しかしその後、放送をスタートしたばかりの主演ドラマ『月が浮かぶ川』から降板となり、彼は事実上、芸能人としてピリオドを打たんばかりの状況となっている。
芸能界から消えた若手俳優‥その決定打はMBCの報道か
ジスがここまで追い込まれ、その決定打を放ったのは、韓国放送局のMBCが報じたニュースによるものだろう。
MBCは伝統のある大手放送局であることから、国民からの信頼が高い。いわゆる”有力メディア”と呼ばれており、大衆に絶大な影響力を放っている。
そのMBCの報道番組で、ジスの同級生だと名乗る人物のインタビューが放送された。同級生が当時の出来事を赤裸々に語り、その発言は電波に乗って韓国中に広まった。
暴露された内容は過去の出来事であり、実際に詳細な検証をするのは難しい。よって反論のしようもない。
しかし、被害者である同級生のインタビューを放送したことで、さもすべてが事実かのように報道されてしまっている。
校内暴力を受けた側はジスの顔を見る度に当時の屈辱的な気持ちがぶり返し、心穏やかに過ごせずに苦しんでいることも確かだ。
だが、個人のインタビューが全てとなってしまうと、そこには個々の記憶の食い違いや個人的な感情、それらによって正確な情報や真実がぼやけてしまうこともあり、信ぴょう性に欠ける事もある。よってすべての見解に限界があるのも事実だ。
暴露に対し事実関係を検証したのかも定かではないなか、MBCという大手放送局が報じたというだけで、視聴者は「徹底的に調べあげた内容を放送している」と思ったり、「報道番組で取り上げているのだから信ぴょう性が高い」といった印象を受けている。その結果、今回の報道で1人の若手俳優が消えてしまった。
もちろん校内暴力は絶対的にしてはいけないことであり、過去の過ちを認め反省するべきである。被害者からすれば加害者を社会的埋葬したい気持ちも皆無ではないだろう。幼さ故か、それを犯してしまったジスの現在の状況は、自業自得と呼べるものかもしれない。
MBCの報道の在り方に疑問点も
ここで疑問なのは、大手放送局であるMBCが芸能人をターゲットにし、彼らを追い込んでいることだ。
ジスの件もそうだが、今もなお波紋を呼んでいる、東方神起(TVXQ)ユンホのニュースにも同じような疑問点が残る。
これに先立ち、ユンホは2月末に友人と共に深夜0時ごろまで飲食店に滞在したことが発覚。韓国政府の防疫指針を違反し、警察の調査を受けたと報じられ、ユンホはいち早く謝罪文を掲載した。しかし、MBCの単独報道によって大衆の反応は一転し、ユンホに対する怒りの声が後を絶たない状況となってしまった。
ユンホはこれと関係し、東方神起がMCとして出演予定だった韓国のサバイバル番組『Kingdom: Legendary War』の収録に、警察捜査の結果がでるまで参加しないと伝えられた。
ジス、ユンホといった、韓国でも人気と注目を集める芸能人ばかりが集中攻撃とも言わんばかりの一方的な報道をされたものの、その後、正確な情報や真実は大衆の耳に届いていない。
大手放送局、調査報道専門メディア、ネットニュースと、各メディアによって報道内容に食い違いが生じており、いまだ真実が明らかになっていないのが現状だ。
1つの報道でイメージが大きく左右される芸能界。メディアが発信した情報は芸能人だけでなく、大衆にまで多大な影響を与えてしまう。報道するからには言葉に責任を持ち、公平で正しい情報を届けるべきではないだろうか。今回の報道は芸能人を叩いてるだけのように映る。
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