• “正祖(チョンジョ/イ・サン)”は、韓国時代劇に欠かせないお馴染みの国王の1人だ。
  • さほど大衆から注目を浴びた歴史上の人物ではなかったものの、彼を描いた小説『永遠なる帝国』がベストセラーを記録したのをきっかけに、数々の作品で取り上げられるように。
  • 朝鮮王朝の王でありながら、今は視聴率王となっている正祖が登場する韓国時代劇を4つ紹介する。

“正祖(チョンジョ/イ・サン)”といえば、韓国時代劇でお馴染みの朝鮮第22代国王。韓ドラ好きなら名前を知っている人は多いのではないだろうか。

本国では1990年代以前までは歴史上の人物としてそこまで注目されておらず、作品に登場する機会も少なかったが、1993年小説家イ・イナが執筆した『永遠なる帝国』がベストセラーを記録したのをきかっけに、同作で取り上げられた正祖が日の目を浴びることに。

以降、彼をメインにしたドラマはもちろん、主人公でなくても彼の生きた時代を背景にした作品が数多く世に送り出され、いつしか時代劇で重宝される代表的な国王の1人に。

本国では、彼が登場する史劇は成功すると言われるほど人気を得ており、朝鮮王朝の王でありながら、視聴率王として今もなお人々の心の中で生き続けている。

事実、正祖を扱ったドラマには本国はもちろん日本でも愛された名作が多い。

イ・サン (MBC/2007)

『イ・サン』は、最高視聴率35.5%を記録した韓ドラ史を語るうえで抜きにはできない大ヒット作。タイトルロールからもわかるように、主人公はもちろん正祖。波乱万丈な彼の半生を描いた超大作だ。

史実をベースにした骨太の時代劇で、権力争いや陰謀、ロマンスまで盛り込まれ、正祖の挫折や成功、後悔、輝かしい功績までどこを切り取ってもドラマチック。

これほどまで命を狙われた王がいたかと思うほど、手に汗握る展開も見どころの1つだ。

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画像出典:MBC
イ・サン
時代劇
MBC/2007/全77話

あらすじ

11歳の時、イ・サン(イ・ソジン扮)は父が何者かの謀略によって謀反の罪を着せられ、祖父である朝鮮王朝第21代王・英祖(イ・スンジェ扮)によって死に至らしめられた。無念な思いと、父が残した「聖君になれ」という言葉を抱え、サンは王位継承者となり、賢君である祖父から王としての哲学や手腕を学ぶ。一方、サンの父を陥れた陰謀の黒幕とその一派は朝廷内で勢力を拡大し、サンの廃位や暗殺を画策していた。しかし、サンにはソンヨン(ハン・ジミン扮)とテス(イ・ジョンス扮)といった信頼できる仲間たち、そして頭脳明晰な側近ホン・グギョン(ハン・サンジン扮)に支えられながら、困難な状況に立ち向かっていく・・。

キャスト

イ・ソジン、ハン・ジミン、イ・スンジェ、ハン・サンジン、イ・ジョンス 他

最高視聴率・受賞歴など

35.5%

口コミ

「見応えはあるも少し暗い」
「チャングムファンにはたまらない」
「辛くて悲しい作品」

赤い袖先 (MBC/2021)

正祖をメインにした最近の人気作といえば『赤い袖先』。視聴率の獲得が困難を極める昨今、最高視聴率17.4%を記録した宮廷ロマンス時代劇。イ・ジュノ&イ・セヨンの紡ぎ出す切ないラブストーリーが、アジアを中心に大旋風を巻き起こしたことでも知られる。

史劇ならではの王宮内で繰り広げられる権力闘争はしっかりと描きながらも、極上のラブストーリーに仕上がっているのがポイント。

また、正祖は既存の作品でよく見られたキャラクターではなく、イ・ジュノの高い演技力によって威厳と色気溢れる魅力的なツンデレ王子として登場している。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年11月14日現在):U-NEXT、Lemino

画像出典:MBC
赤い袖先
ロマンス/時代劇
MBC/2021/全17話

あらすじ

粛清により一族が没落し、宮中で宮女として仕えることとなったソン・ドクイム(イ・ソラ/イ・セヨン扮)。同じく朝鮮王朝21代国王英祖の孫、イ・サン(イ・ジュウォン/ジュノ扮)は悲劇的な出来事で父を失い、宮中で孤独な時間を過ごしていた。ある夜、サンはドクイムの巧妙な計らいによって窮地を脱する。その時の出会いが、サンの心に淡い感情を芽生えさせるが、運命は2人を再び引き裂いてしまう。数年後、成長したドクイムは聡明さを発揮し、尚宮たちから注目を浴びながらも、自らの生き方を模索していた。ある日、彼女は走っている最中に足を踏み外し、近くにいた世孫を巻き込んで池に転落する。ドクイムは反省文を書くよう命じられるが、中へ入ってきた世孫を司書と勘違いし、無礼な態度で彼を追い返してしまう。怒り心頭の世孫は何度も書き直しを要求し、その過程で2人は徐々に心を通わせていき・・。

キャスト

イ・ジュノ、イ・セヨン、カン・フン、イ・ドクファ、パク・ジヨン 他

最高視聴率・受賞歴など

17.4%

口コミ

「思ったより難しくない時代劇」
「宮女の人生にもフォーカスを当てていて新鮮だった」
「とにかく泣ける」

予告映像


動画出典:KNTV

秘密の扉 (SBS/2014)

『秘密の扉』は、朝鮮第21代国王・英祖(ヨンジョ)と、その息子である思悼(サド)世子との葛藤を描いた物語。朝鮮王朝史に残る最大の悲劇をテーマにしたミステリー時代劇だ。

正祖は、メインとなる登場人物ではないが主人公の1人。父である思悼世子が、英祖になぜ米びつに閉じ込められ餓死させられたと言われているのか、いまだその真相が明らかになっていないのは、正祖が記録を消したから。

なぜ父が亡くなった理由を永遠に葬ってしまったのか、正祖が主人公の作品をご覧になる前に視聴しておくと、より物語に没入することができるだろう。

視聴率はそこまで獲得することができなかったが、各役者陣の熱演が高く評価された史劇の1つだ。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年11月14日現在):Netflix、みるアジア

画像出典:SBS
秘密の扉
時代劇
SBS/2014/全24話

あらすじ

朝鮮第21代王の英祖と、その息子である思悼世子との葛藤を描いた時代劇。

キャスト

ハン・ソッキュ、イ・ジェフン、キム・ユジョン、パク・ウンビン、キム・ミンジョン 他

最高視聴率・受賞歴など

10.0%

口コミ

「政治の困難さがリアルに感じた」
「他の時代劇と違ってまとまっている感じ」
「少し話が長いかも」

予告映像


動画出典:衛星劇場

トキメキ☆成均館スキャンダル (KBS/2010)

『トキメキ☆成均館スキャンダル』は、ユチョンをはじめパク・ミニョンやソン・ジュンギなど、韓国芸能界で人気を誇るスターの若手時代を満喫することのできるラブコメ時代劇で、正祖はサブキャラクターとして登場している。

出演分量としてはさほど多くないものの、儒生を国の未来であると考え、支援を惜しまない王としてチョ・ソンハが熱演を繰り広げている。

また、思悼世子の死について書かれた金縢之詞(クムドゥンジサ)をついに手に入れ、長い間思い続けていた夢が叶ったと感謝するシーンも。そこに記されていたものとは‥主人公たちの青春物語も面白いが、正祖のストーリーも本作に欠かせないスパイスとして用いられている。

●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年11月14日現在):Amazon Prime Video、DMM TV、ABEMA、U-NEXT、Lemino、Netflix

画像出典:KBS
トキメキ☆成均館スキャンダル
時代劇/ロマンス
KBS/2010/全20話

あらすじ

幼少期に父を亡くしたキム・ユニ(パク・ミニョン扮)。母と病気を患う弟の面倒を見るため、男装して科挙試験の代筆でお金を稼ごうとする。試験当日、彼女は代筆依頼人と間違え、イ・ソンジュン(ユチョン扮)に声を掛けてしまう。不正に嫌悪感を抱くソンジュンは、ユニを追い出そうとするも、ユニはソンジュンに懇願し、何とか見逃してもらい・・。

キャスト

ユチョン、パク・ミニョン、ソン・ジュンギ、ユ・アイン、チョン・テス 他

最高視聴率・受賞歴など

14.3%

口コミ

「男装時代劇の中で1番面白い」
「面白く楽しめる時代劇」
「良い作品」

予告映像


動画出典:ponycanyon

最後にドラマではないが、番外編として映画を2作紹介する。まず1作目は、2014年に公開されたヒョンビン主演の『王の涙 -イ・サンの決断-』。正祖が即位して間もない頃を背景に暗殺未遂事件を描いてヒットした。

また、冒頭で触れた正祖の毒殺説をテーマにした小説『永遠なる帝国』は、アン・ソンギを主演に迎えて『スキャンダル-永遠なる帝国-』(1994)というタイトルで映画化され、数々の栄誉ある賞に輝いている。

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

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