俳優ソン・ジュンギにとって、2021年上半期は何と言ってもの第2最盛期だったと言えよう。2019年はプライベートで世間を騒がせ、翌年は新型コロナウイルスで映画撮影の中断や公開延期など、マイナスなニュースが目立っていたが、ドラマ『ヴィンチェンツォ』で見事復活。そんな彼が、ようやく日の目を見た映画(Netflix)『スペース・スウィーパーズ(2021)』の際に応じたインタビューを再編して紹介する。 (記事・写真提供:ⓒ 女性東亜)

ソン・ジュンギは、2008年に映画『霜花店(サンファジョム) 運命、その愛(邦題)』で俳優として正式デビューを果たし、その名を世に広めた。

『ヴィンチェンツォ』で新たな最盛期を迎えたと言われるソン・ジュンギ

『ヴィンチェンツォ』で新たな最盛期を迎えたと言われる俳優のソン・ジュンギ。(写真提供:ⓒ 女性東亜、画像出典:Netflix)

そして2010年にKBSドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』でク・ヨンハ役を務め、人気を博すのだが、彼は単純な”イケメン俳優”という場所にとどまらなかった。

2011年にSBS『根の深い木 -世宗大王の誓い-』で、青年時代の世宗(イ・ド)役を熱演し、俳優のハン・ソッキュに負けない存在感を披露。翌年には、KBS『優しい男(邦題)』で単独主演を務め、善と悪が共存するカン・マル役を見事に演じ切り、演技力を備えた俳優として認知されるのだった。

さらに2016年、軍除隊後の復帰作として出演したKBS2『太陽の末裔 Love Under The Sun(邦題)』でユ・シジン役を担い、韓国でシンドロームを巻き起こす。こうしてソン・ジュンギは、名実共にトップスター俳優へと登り詰め、今に至る。

しかし、プライベートでは痛みもあった。『太陽の末裔』で共演した、女優のソン・ヘギョと結婚し”世紀の結婚”と称されるも、わずか1年8カ月でその結婚生活にピリオドを打つ。

離婚後、初の出演作となった映画『スペース・スウィーパーズ』の制作発表会で彼は、自身が演じたテホについて「実際の僕の心の状態と、テホの状態が似ていた」と撮影当時を振り返り、また「テホは自暴自棄の状態で、”寄せ集め”と表現したクルーに出会い、人生の糸口をつかんだ気がした」と言及し、彼の心理状態について憶測を呼んだ。

俳優業以外のこと、ましてやプライベートの話題で世間を賑わせたことは、ソン・ジュンギにとってさぞかし不本意だったに違いない。

それでも2021年、彼は俳優として見事に這い上がってきた。その上、”第2最盛期”という肩書きまで手に入れて。

こうなっては、2021年上半期が、ソン・ジュンギの年だったと言っても過言ではないだろう。

正直に、自分らしく

映画『スペース・スウィーパーズ』のメガホンを取ったチョ・ソンヒ監督とソン・ジュンギは、2012年公開の映画『私のオオカミ少年(原題:オオカミ少年)』以来、約8年ぶりの顔合わせとなった。

“超大作”が付けられるほどの製作費が投下された『スペース・スウィーパーズ』

映画『スペース・スウィーパーズ』でチョ・ソンヒ監督と8年振りの再会を果たした。(画像出典:movie.naver)

チョ・ソンヒ監督は、久しぶりの再会となったソン・ジュンギに対して「彼は当時と全く変わっていなかった。いつも明るくて、周囲の人間とコミュニケーションを取り、現場を良い雰囲気にしてくれた」と称す。

「僕は、撮影現場に真心と情がないとダメなんです。それがあって、初めて演技ができるタイプなんです。だから僕自身のためにも、現場を明るくするようにいつも務めています」

ソン・ジュンギには、有名なエピソードがある。

彼は、デビュー作の映画『霜花店 運命、その愛』で国王の親衛部隊の一人、ノダク役を担ったが、端役のためセリフは元々あまりなかった。しかし、そのセリフさえも別の俳優に奪われてしまう。さらに撮影中、落馬事故にも遭い、負傷してしまった。

それでも彼は屈することなく、ユ・ハ監督に「どこも痛くありません。セリフを一言、単独ショットをいただければ、1日中馬に乗って10キロ走ります」と言い、監督の心を掴む。その結果、セリフ一行と単独ショットを獲得したそうだ。

ソン・ジュンギは完成したその場面を見て、無意識のうちに涙を流していたという。演技者という部分でも、撮影現場における思いは変わっていないのだろうか。

『根の深い木』(左)と『アスダル年代記』

史劇『根の深い木』(左)と『アスダル年代記』。(画像出典:SBS、tvN)

「演技者として切迫した思いは、その時が一番大きかったですね。僕も人間なので、怠けたいと思うことはもちろんあります。でもそう思うたびに、不思議とこのエピソードが僕の耳に入って来るんです。そしてそのたびに身を引き締める思いがするので、このエピソードは人に話しておいて良かったということですね(笑)。エピソードが巡り巡って、最終的に自分を励ましてくれてるわけですから」

俳優の矜持のようなもの‥そのブレない秘訣を聞いてみた。

「人はよく”そう簡単に変わらない”と言うじゃないですか。それと同じで、僕も大きく変わってないだけです。ただ、人に評価される芸能人という職業を持っているので、表と裏に差が広がり過ぎると、心のバランスが崩れてしまうと思うんですよ。だから正直に、自分らしく生きようと努力しているだけです。秘訣と言うには、少し恥ずかしいですけど(笑)」

俳優としての僕は欲張り

様々な役柄や人物を演じて来たソン・ジュンギだが、さらに挑戦してみたいという気概はあるようで‥。

「僕は、いろいろなジャンルの作品に挑戦したいという欲は強い方だと思います。どうすれば新しい世界に出会えるのか、常々考えてますし。これまでやったことのない世界や、役に出会えたらうれしいし、新鮮な気持ちが芽生えますよね。『私のオオカミ少年』ではオオカミ少年を演じたし、『スペース・スウィーパーズ』で宇宙映画にも関わることができた。元々史劇が好きなので、『根の深い木』やtvN(Netflix)『アスダル年代記(2019)』も念願の出演だったんですが、なぜかファンの方たちがやめろと言うんですよね‥(笑)。人の欲というのは、挙げればキリがないんですけど、最近はとても暗い物語に挑戦したいなと考えてます」

写真提供:ⓒ 女性東亜、画像出典:Netflix

まだまだ新しい世界に出会いたいと話す。(写真提供:ⓒ 女性東亜、画像出典:Netflix)

そんな彼が、インタビュー当時撮影真っ只中だったのが、tvN(Netflix)『ヴィンチェンツォ』だった。

ブラックコメディーと掲げたドラマ『ヴィンチェンツォ』は、タイトルと強烈に合致する作品だった。洗練された演出とスピード感ある展開、興味を誘うアクションが確実な見どころとして提供され、重いテーマを扱いながらも随所にユーモアを差し込み、視聴者に没入感を与えることに成功する。

後に「新しい自分の姿を発見した」と言い「いつも見ている自身の顔なのに、新たな感覚があった」と語っている。『ヴィンチェンツォ』の台本と出合った時、恐らくはワクワクと新鮮な気持ちを抱いただろうことが想像できる。

そして次回作は、2022年に放送予定のJTBC『財閥家の末息子』だ。

ソン・ジュンギは、財閥一家のオーナーリスクを管理するための秘書、ユン・ヒョヌを演じるのだが、この財閥家の末息子チン・ドジュンとして生まれ変わり、2回目の人生を生きるファンタジー作品。

「自分も知らない自分に出会った」という『ヴィンチェンツォ』

「自分も知らない自分に出会った」というドラマ『ヴィンチェンツォ』。(画像出典:tvN)

さらに、新型コロナウイルスで撮影が一時中断していた映画『ボゴタ』の撮影も無事に終了し、公開を待つばかり。

彼の俳優としての”新世界と出会う旅”はまだまだ続いている。それは、我々を新たな世界へ誘い、楽しませてくれる旅が続くということでもある。

最後に、彼の面白いTMIを1つ。2021年のうちに達成したい目標を聞かれたソン・ジュンギだったが、まさかの回答だったので、記して締めたいと思う。

「ものすごく個人的なことなので、ここで話してよいものか悩ましいんですけど‥僕、前屈ができないんですよ。床に座って体を前に倒した時に、手が足の指に付かない。だから、柔軟性を養わなければと思ってて。これは笑い事じゃなくて、本当に達成したい目標なんですよ! 本当にできるようになりたいんですけど、ダメなんですよねえ(笑)」

女性東亜 提供
本記事は韓国メディア Donga.com Co., Ltd.が運営する女性東亜の記事内容の一部あるいは全部 及び写真や編集物の提供により作成されております。



ソン・ジュンギ

HISTORY D&C所属の俳優ソン・ジュンギ(ハングル 송중기)。1985年9月19日生まれ。

2008年ドラマ『霜花店 運命、その愛』でデビュー。

2010年に出演したドラマ『トキメキ 成均館スキャンダル』で一躍名を広め大ブレイクしたソン・ジュンギは以降、映画『私のオオカミ少年』、ドラマ『太陽の末裔』などに出演し人気を博した。

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