2008年に6人組ボーイズグループとしてデビューした”U-KISS(ユーキス)”。その後、メンバー追加や入れ替えを経て、気が付けば12年もの年月が流れていた。グループに在籍しているメンバーは、現在3人。唯一のオリジナルメンバーであるリーダーのスヒョンが、意外なところから韓国で第2盛期を迎えている

人生は分からないから面白い。彼の突然のフィーバーも、まさにそれではないだろうか。

最近、歌手のRAIN(ピ)の楽曲をネタにした“1日1GANG”がネット上で流行し、思わぬ逆走人気を手にして話題となった。

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そして韓国では、これをきっかけに”隠れた名曲”特集が組まれることが増え、その中の1曲にU-KISSが2010年に発表した楽曲『시끄러!!(シクロ:うるさい)』があった。

意外な方向から注目されるようになり、ついにはミーム文化(特有の流行)として位置づけられることとなる。この流れに乗って、先月メンバーのスヒョンがウェブの芸能番組『文明特急』に出演。U-KISSのビハインドを打ち明けて大きな関心を集め、スヒョンは韓国で”スヒョンOPPA(オッパ:お兄ちゃん)”として親しまれているようだ。

19歳でデビューしたスヒョンも、もう31歳。

19歳でデビューしたスヒョンも、現在はすっかり大人の31歳。(画像出典:U-KISS Korea 公式Instagram)

今月初旬、スヒョンは日本と韓国のメディアで多くの取材を受け、その紹介と共に、U-KISSのフィルモグラフィーを振り返ってみたい。

2008年、デビュー

メンバー:アレクサンダー、スヒョン、キボム、イライ、ケビン、ドンホ

後列左端が現メンバーのスヒョン。

後列の左端が現メンバーのスヒョン。(画像出典:MBCkpop 動画キャプチャー)

ミニアルバムのタイトル曲『子どもじゃない(Not Young)』でデビュー。当時スヒョンは抱川(ポチョン)からソウルまで電車で通いながら練習生生活を送っていた。デビューしてからも、しばらくは往復生活を続けていたようだ。

「会社の人たちに認められたくて必死だった」と話しながらも「良い姿は見せられてなかったと思う」と思いを馳せる。

2009年、キソプ加入

メンバー:アレクサンダー、スヒョン、キボム、イライ、ケビン、ドンホ、キソプ

「Man Man Ha Ni」でU-KISSの知名度もあがった。

「Man Man Ha Ni」でU-KISSは当時最高の3位になった。(画像出典:Amazon music)

キソプ加入を快く思わないファンから「U-KISSは6人組だ」という誹謗中傷を受け、当時辛い思いをしたと、彼は後のインタビューで語っている。

スポーティーなイメージから脱却し、キソプ加入後に発表されたミニアルバム『Conti UKiss』ではイメージを一新してスモーキーメイクに。タイトル曲『Man Man Ha Ni(ママハニ)』が人気を呼んだ。

カメラを睨みながら左右に揺れるダンスが話題に。

カメラを睨みながら、左右に揺れるダンスが話題に。(画像出典:MBCkpop 動画キャプチャー)

2011年、日本進出。アレクサンダー、キボム脱退。フン、AJ加入

メンバー:スヒョン、イライ、AJ、フン、キソプ、ケビン、ドンホ

このメンバーで日本へ本格進出を果たす。

このメンバーで日本へ本格進出を果たしたU-KISS。(画像出典:Amazon music)

大阪を拠点に合宿生活を7人で開始。

この時からスヒョンはリーダーを任され、プレッシャーが大きくなっていた。韓国でも成功したいという思いを抱えながらも、日本で頑張る日々。うまくいかないことがあれば「リーダーの自分が、もっと頑張らなければいけなかった」と、自責の念にかられた。

しかし、どんな時もそんな自分たちを支えてくれるファンがいたことで、耐えられたという。

「(たくさんの出来事に)耐えてくれてありがとうって言ってくれるんです。そんなキスミー(ファンクラブ名称)の期待を、もう絶対に裏切りたくない。だから大変だった時期を乗り越えて、今のように僕を調べて訪ねて来てくださることに感謝しかありません。今はすごくやりがいを感じています」

Mnet"TMIニュース"に登場したスヒョン

Mnetバラエティー”TMIニュース”に登場したスヒョン。(画像出典:U-KISS korea 公式Instagram、Mnet動画キャプチャー)

2012年、AJ活動中断

メンバー:スヒョン、イライ、フン、キソプ、ケビン、ドンホ

およそ1年ほど6人での活動となった。

およそ1年ほど、6人で活動を続けた。(画像出典:Amazon music)

メンバーのAJが、語学留学のため歌手活動を一時休止。その間、6人でU-KISSとしての活動を継続、日本では2枚のシングルと1枚のアルバムをリリースしている。また、日本の音楽の聖地とも呼ばれている日本武道館でのコンサートも成功させた。

2013年、AJ復帰、ドンホ脱退

メンバー:スヒョン、イライ、AJ、フン、キソプ、ケビン

日本進出メンバーでリリースした最後のアルバム。

日本進出メンバー7人でリリースした最後のアルバム。(画像出典:Amazon music)

AJが復帰を果たし、ジャパンライブツアーを成功させる。が、同年秋のイベントにドンホの姿はなく、そのまま脱退したことが発表された。

2014年、AJ活動中断。ジュン加入

メンバー:スヒョン、イライ、フン、キソプ、ケビン、ジュン

6人でヨーロッパツアーを成功させた後、AJはその足で再び語学留学へ。初めて最小となる5人編成で活動を継続。韓国でのカムバックをするタイミングで最年少のジュンが加入されることが発表された。

19R指定のMVにファンの間でも物議を醸した1枚。

19R指定のMVは、U-KISSファンの間で物議を醸した。(画像出典:Amazon music)

これまでのメンバー入れ替えの多さについてスヒョンは「今考えても惜しい出来事だったなと思う。もっと強く一緒にやろうと言えば良かった。あの時の自分に、もう少しだけ我慢して、もっと頑張れと言いたい。そしたら、少しは状況が変わっていたんじゃないかな」と言及。

同じ方向を向いていたとしても、長い時間過ごして入れば思いに変化が生じるのは当然の事。責任感が強いがゆえに、その責任を背負い過ぎているスヒョンをファンは知っているからこそ「耐えてくれてありがとう」と言わずにはいられないのだろう。

2017年、ケビン脱退

6人編成でリリースした最後の韓国ミニアルバム。

6人編成でリリースした、最後の韓国ミニアルバム『Always』。(画像出典:Amazon music)

U-KISSの絶対的エースだったケビンの脱退は、ファンの間でも衝撃的ニュースとなった。かわいらしさとカッコよさが共存した存在で、ファンも多かった。彼の卒業コンサートは名古屋・神戸・神奈川で行われ、いずれも空席は無い状態、悲しみもありながら彼の決断と新たな門出を祝った。

そして2020年

メンバー:スヒョン、イ・ジュニョン、フン

昨年、イライとキソプが事務所と契約更新を行わず脱退。最終的にU-KISSはスヒョン、フン(現在兵役中)、イ・ジュニョン(ジュンから本名に改名)の3人となった。

現メンバーのスヒョン、イ・ジュニョン、フン

現U-KISSメンバーのスヒョン、イ・ジュニョン、フン。(画像出典:U-KISS korea 公式Instagram)

イ・ジュニョンは現在韓国で俳優としても活躍し、その名を知らせている。彼が活動のたびに「U-KISSのメンバーとして」と発言してきたことで、韓国でU-KISSの存在を示してきたとも言える。これは韓国ではよくあるパターンで、「あの作品に出ていた子は、実はアイドルグループ〇〇のメンバー」という形で音楽活動が知れ渡り、人気を得ることも十分にあり得るのだ。

しかし、スヒョンは「韓国で活動するということは、僕らにとって大きな宿題」と眉間にしわを寄せる。「関心を持ってくれる時に、しっかり何かを見せる事が大事なのに、どんな感じで、どんな方向性で見せればよいのか悩んでしまう。できれば良いステージや、歌をお見せできればいいのだけど」

周囲の友人からは「身近なお兄さんという印象を受けた」と言われ、「ハハハ、現実に存在しそうなのが僕なんですね。でもそういう魅力をもっと見せて、親しみやすい人と思ってもらいたい」と笑顔を見せた。

U-KISSは自身にとって「大変なこともあったけど、楽しいこともたくさんあった。U-KISSだったから、今こうして活動できて、再注目してもらっている。僕はいつだってU-KISSを優先したいし、それでいいと思う。そして最終的に、卒業したメンバー全員で同じ舞台に立つことを実現したいと本気で思っている」

再びつかんだ韓国活動のチャンスを、しっかりつかんで前進することを、日韓両国のファンは願っている。