パク・ユチョン、芸能活動を禁止する裁判所の臨時命令(仮処分)取消し申請に対し、ソウル中央地方法院の民事合意部が棄却した。パク・ユチョンの申請が棄却された理由、芸能活動禁止仮処分を巡る議論について考察する。
パク・ユチョンの、韓国芸能界復帰への試みは暗礁に乗り上げた。
彼が行った申請は、芸能活動を禁止する裁判所の臨時命令(仮処分)を、取り消してほしいというもの。
しかし9月27日、ソウル中央地方法院の民事合意部は、これを棄却した。
パク・ユチョンの申請を棄却した理由
昨年8月、芸能事務所であるハブファントゥゲザー(旧イェスフェラ)は、「パク・ユチョンが専属契約に違反し、第3者と営利活動を行っている」として、裁判所へ彼の芸能活動停止に関する仮処分を申請する。
韓国裁判所は、この申請を受理し「判決が確定するまで、あらゆる芸能活動を禁止する」と命令。
パク・ユチョン側は「ハブファントゥゲザー側は、裁判所の提訴命令期限内に提訴していない」と指摘し、仮処分を取り消してほしいと申告した。
しかし同裁判所は「専属契約違反による損害賠償請求と、芸能活動禁止請求はその基礎が同一である」と解釈。
加えて「ハブファントゥゲザー側の仮処分申請を、“権利の乱用”と見なすのは難しい」との見解を示し、パク・ユチョン側の申請を棄却したのである。
芸能活動禁止仮処分とは
韓国の法律で定められている“仮処分”とは、主に債権と債務に関する執行保全制度である。これは、争いの対象となる金銭や物が、裁判所の判決が出る前に処分される事を防ぐための措置だ。
しかし、パク・ユチョンに下された“芸能活動禁止仮処分”は、直接的な金銭や不動産などの取引により生じた債権・債務ではないため、“契約上の地位を保全”するための仮処分という性質を持つ。
すなわち「本来彼の所属事務所として得るべき会社収益を、芸能人である当事者の契約違反によって“喪失”してしまった」という趣旨であり、裁判所は該当芸能人に対して紛争が終結するまでの間は、芸能活動をしてはいけない、と言うものである。
芸能活動禁止仮処分を巡る議論
しかし、仮処分を命じられた芸能人は仕事を失うことになるため、このような措置に対して問題提起する声も。
芸能人の損失は金銭での換算が難しく、さらにイメージダウンという致命傷も負う。
何より、基本的人権の一つである“自由権”が制限され、且つ韓国憲法に明示されている“職業選択の自由”に抵触するため、この仮処分に反対しているのだ。
実際、2000年と2001年に、所属事務所の芸能人に対する芸能活動禁止仮処分申請を、韓国裁判所が棄却した判例もある。
しかしパク・ユチョンに関しては、ハブファントゥゲザー側(所属事務所)の申請が受け入れられた形だ。
芸能活動禁止仮処分とは、所属事務所の持つ“収益保全”と、芸能人の持つ“職業選択の権利”が衝突する性質を持ったもの。
どちらの権利が優先されるべきかという議論は、事案によってその判断が分かれるが、速やかな裁判進行のため、両者が積極的に協力するべきであり、個人の経済活動を制限する以上、救済に関する議論も併せて必要になると見られる。
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(構成:Danmee編集部)
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