【韓流20周年企画-歌手KARA(カラ)編】2022年は、日韓同時開催が話題となったFIFAサッカーワールドカップから20年を迎える年となる。振り返ると日本の韓流ブームの歩みも、同じようなタイミングだったのではないだろうか・・そんな時代に、日本でも人気を博したガールズグループKARAの国内での活躍を振り返る。
TWICE(トゥワイス)やBALCKPINK(ブラックピンク)などをはじめ、日本で大きな人気を得ているK-POPガールズグループ。
最初に旋風を起こしたグループの1つがKARA(カラ)だった。
“ヒップダンス”といえば、ピンとくる人も多いのではないだろうか。性別問わず幅広い年齢層から愛され、特に子どもが振り付けを真似するなど、かつて日本を一世風靡した。
そんなKARAのメンバーで、現在は女優として活躍中のハン・スンヨンが、最近自身のインスタグラムに「中学1年生の時、初めてオーディションを受けた日」、というコメントと共に1枚の写真を掲載した。
当時、アイドルを夢見た少女は、日本でもデビューすると予想していただろうか。
そこで、彼女がメンバーとして活動したKARAの、日本での活躍ぶりを振り返ってみる。
KARAは、日本進出前から一部の間で話題となり、2009年には文化放送のラジオ番組『Voice of A&G Digital 鷲崎健の超ラジ!』で彼女たちの楽曲が取り上げられた。
またそれ以外にも、KARAのファンだというお笑い芸人の劇団ひとりが、出演番組ごとに彼女たちに言及して国内での認知度をアップさせ、KARAファンは急増していった。
当時子役だった芦田愛菜もKARAの大ファンの1人として知られる。
2010年2月7日、東京赤坂BLITZでショーケースを開催した際には、当初1回公演の予定であったが、反応が良かったため追加公演が行われ、計2回開催されている。
そして同年の5月8日には、日本でのスペシャルCDボックス『KARA SPECIAL PREMIUM BOX FOR JAPAN』の発売記念イベントとして、日本での正式デビューがまだであったにも関わらず、4000人という大規模握手会が行われた。
その後、8月11日に1stシングル『ミスター』をリリースし、華々しくデビューする。
当日は、渋谷の大型ビジョンや広告トラックもデビューを盛り上げ、SHIBUYA109ではゲリラ公演が開催されたが、開始とともに約3000人以上のファンが殺到するという事態に。
安全上の理由から警察まで出動したものの、予想を超える大きな騒ぎとなったため、予定していた30分公演を3分で中断した。
また、8月14日に開催した『ミスター』発売記念握手会では、予定の6000人をはるかに超える1万人が集まり、1万2000個準備していたグッズもわずか15分で完売するなど、大きな反響に主催者側も驚いたほどだったという。
オリコンランキングからもその人気ぶりは証明されており、発売して第1週目のオリコン“週間シングルランキング”で5位を記録。
海外の女性アーティストが5位以上に参入するのは、KARAが29年ぶりのことだった。
加えて、『ミスター』の振り付けのポイントである“ヒップダンス”も各メディアや番組で取り上げられ、子どもから大人まで真似して踊るほどの高い人気を誇った。
そしてこの後、KARAの活躍はさらに勢いを増していく。
2010年11月10日にリリースされた2ndシングル『ジャンピン』は、フジテレビ系『めざましどようび』のテーマソングとして起用され、オリコン“デイリーシングルランキング”では最高5位を獲得した。
同年の11月24日にリリースした1stフルアルバム『Girl’s Talk』は、翌年の2011年にオリコン“デイリーアルバムランキング”で首位に輝き、KARAを主人公にしたテレビ東京系列ドラマ『URAKARA』の放送まで開始されている。
同年4月6日にリリースされた3rdシングル『ジェットコースターラブ』は、4月18日付のオリコン“週間シングルランキング”で1位となり、海外女性アーティストが初登場で首位を獲得したのは、1968年にオリコンが“シングルランキング”を発表するようになって以来、初の快挙だった。
6月29日にリリースした、4thシングル『GO GOサマー!』は、初週で約11万4000枚という販売量を記録し、オリコン“週間シングルランキング”で2位を獲得。
『ジェットコースターラブ』に続き2週連続で初週売上10万枚突破したのは、海外女性アーティストしては史上初の快挙だった。
2012年に、竹島問題に関する質問をされた際にKARAの対応が一時議論となったこともあったが、最終的には2015年までに、日本でシングル12枚とアルバム5枚をリリースした。
そして、その間には各音楽番組をはじめ、バラエティー番組や雑誌、広告などで幅広く活躍している。
2013年1月6日には、K-POPガールズグループとして初めて東京ドームでの単独ライブを、10月8日からは2度目となるコンサートツアーも開催した。
こうして日本で華やかな活動を繰り広げてきたKARAだったが、同時期に日本で絶大な人気を誇った少女時代(SNSD)が今でも人気を得ているのに対し、KARAは2015年頃から陰りを見せはじめたという指摘もある。
一部ではその理由を、コアで熱狂的なファンを持つ少女時代とは異なり、KARAの人気は大衆性が強かったため、活動途中でのメンバーの脱退や、政治や外交問題による感情悪化などに影響を受けたのではないかと言われている。
しかしながらいずれにしても、KARAは日本にK-POPブームを牽引したグループの1つで、その功績は今でも輝かしく残っている。
(構成:西谷瀬里)
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