プロデュース能力が高い評価を受けている、歌手でプロデューサーのパク・ジニョン。そんな彼が、プロデューサー業を始めた当初、ミューズとしていた女性歌手がパク・ジユンだ。K-POP界を揺るがす大ヒットを飛ばした2人だが、最後は悲しい結末を迎えていた。
最近、ワールドツアーを成功裏に終え、今まさにK-POP界の最前線で活躍するTWICE(トゥワイス)。歌手でプロデューサーのパク・ジニョン(J.Y.Park)が手掛けたグループである。
彼は、TWICEの他にも、ITZY(イッジ)やNMIXX(エンミックス)など、数々の人気女性アーティストを輩出している。
時代と共に、変化してきた部分はあるにしろ、そんな今日の女性アーティストの礎とも言える人物が、2000年代初めに多くの人気を得た歌手のパク・ジユンだ。
彼女は、パク・ジニョンのミューズとも言える存在で、彼のプロデュースの下で活動し、『Coming of Age Ceremony』という楽曲で、2000年に大きな注目を浴びた。
※ミューズ:ギリシア神話で、知的活動をつかさどる女神のこと。現代ではブランドやアート作品の象徴となる女性を指す
当時、同曲は、衝撃的なミュージックビデオと、破格的な歌詞、インパクトのあるセクシーな振り付けに、中毒性のあるメロディーが合わさり、大衆に強い衝撃を与えた。
1997年のデビュー以降、清純なコンセプトで活動していたパク・ジユンだったが、パク・ジニョンとの出会いで、大胆にもセクシーなイメージに路線を変更して、大成功を収めたのだ。
ちなみに同曲は、作詞作曲はもちろん、振り付けまでパク・ジニョンが担当し、以前には、韓国のあるバラエティー番組で、「自分が作った振り付けの中で、一番気に入っている作品だ」と語る程の自信作だと明かしたこともある。
パク・ジニョンにとっても、パク・ジヨンとの出会いはプロデュース業を行う上で、大きな岐点となった。
1990年代に歌手として活動していたパク・ジニョンが、プロデューサー業を始めた頃、大ヒットを収めた楽曲の1つであるためだ。
この実績により、彼はプロデューサーとしての能力や才能を披露すると共に、自身の存在をも世間に知らしめた。
パク・ジユンはデビュー当初、別の所属事務所に在籍していたが、後にパク・ジニョンが代表を務めるJYPエンターテインメント(以下、JYP)に移籍し、『Coming of Age Ceremony』後も、数年に渡ってパク・ジニョンの下で活動を繰り広げてきた。
しかし、そんな2人の関係にも終わりが訪れ、2003年の6thフルアルバム『Can You?』の発表を最後に、契約を終了している。
当時、韓国のネット上では不仲説が流れ、パク・ジユンは様々な噂に巻き込まれる事態に追い込まれた。
数年後に、韓国のある番組に出演した彼女は、当時を振り返り、「JYPと6thフルアルバム『Can You?』が終わり、契約も終了する時期でした。とても一生懸命走ってきましたが、家族のような関係にはなれず、放っておかれため、寂しい思いがありました」と吐露。
そして、「正直にお話すると、あちら側(JYP)が私を、別段、求めていませんでした。再契約の話もきていましたが、自然としない流れになりました」と、所属事務所を離れた理由を明かした。
一方、2004年JYPは、パク・ジユンと彼女の母親を相手に、「専属契約当時、先払いした契約金5億ウォンのうち、音源販売量や印税などを除外した約2億3000ウォンを返還して欲しい」として訴訟を起こした。
JYPの主張によると、「2000年1月から2003年2月まで専属契約をしていたが、パク・ジユン側が2003年2月中旬頃、特別な理由なしに契約終了を要請し、未精算の先払い金の返還を条件に、契約終了に合意しました」と伝えた。
また、パク・ジユンも後に「実は”ある企業の高位幹部の接待をした”という悪質な噂が広まっていた。にもかかわらず、セクシーコンセプトを押し通そうとしたJYPを、当時は憎んでいた」と告白している。コンセプトや方向性について、両者の食い違いがあったことを示唆したのだ。
一時は、韓国歌謡界の歴史に残る程の大ヒットを記録した2人だが、なんとも悲しい終わりを迎えたようだ。
去る2019年パク・ジユンは、元KAKAOグループの代表、チョ・スヨン氏と結婚。昨年は待望の第一子を出産した。
今年5月22日には、自身のSNSを通してシングルアルバムの発売を予告した。
(投稿:西谷瀬里)
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