9月12日、BTS(防弾少年団)のリーダーRMが28回目(韓国年齢)の誕生日を迎えた。RMに対しては、世界のBTSファンが持つ感情に特別なものがある。なぜなら彼は、世界でその名が知られたBTSを率いるリーダーであるからだ。そんな彼が見せてきた、リーダーという品格と根性にスポットライトを当ててみた。
BTS(防弾少年団)のリーダーRMが、9月12日に公式ツイッターへ写真をアップするとともに、自身の誕生日を祝福するファンへ感謝の言葉を伝えた。
この日、日常を楽しむ姿が写っている写真に添えたコメントには「28回目の誕生日を皆さんと一緒に過ごせて幸せです」「各地で身に余るほどの誕生日祝福、とても感謝します! より一層(ファンに祝われて恥のないくらい)充分な僕になります」と、綴っている。
おそらく、世界中のBTSファンが、RMに対して持つ感情は特別なものがあるだろう。何故なら、彼はBTSを率いるリーダーであるからだ。
才能あふれるメンバーを1つに取りまとめ、結果を出し続けるためには、”肩書”だけのリーダーでは務まらない。時にメンバー間の”折り合い”をつける能力が必要で、グループのアイデンティティーやビジョンを対外に伝える努力も必要不可欠だ。
RMは、そんなリーダーという名に恥じない美徳を、全て兼ね備えていると言える存在なのだ。
ある公演の直前、控え室でメンバー同士の摩擦が生じたことがある。互いの表情は険しく「間もなく始まるステージで、7人でまともなパフォーマンスができないのでは?」と不安視されていた。しかし、リーダーのRMがメンバーに「我々はプロだぞ! 今は公演に集中する時じゃないのか」と、一喝。
その後、肩を落としていたメンバーに寄り添い、RMは黙って抱きしめる。ステージに上がる前の円陣では「(掛け声を)防弾少年団で行こう! 我々はVでも、RMでも、ジンでもない。防弾少年団だ!」と、メンバーにガッツを注入した。
いつだって最高のステージを作るという”プロ意識”、そしてメンバーに寄り添う”包容力”は、RMがリーダーとしての”器の持ち主”であることを認めざるを得ないシーンだった。
こんなエピソードもある。
有名作曲者でもある、プロデューサーのB氏。
彼は過去に、自身で制作・発売したアルバムで、当時は有名作曲家の1人だった、パン・シヒョクを挑発するような内容を盛り込んでいた。
周知の通り、パン・シヒョクは、BTSの”生みの親”である。彼の屈辱を知ったRMは、練習生だったにもかかわらず『Hook歌謡』という音源を発表。
その歌詞にはこう記されている。
アドリブでもやってみなさい。僕たちは”F”字(Fuck)を入れなくても ここにいる人の耳を誘惑する‥(中略)‥”最後の挨拶”が別れの挨拶になったぜ 歌謡界の発展には目を背け 兄ちゃんが売りまくったHookソング そうすると、本当にフックガヨ
Hookソングとは、リスナーの耳に訴求する単調なリズムの楽曲で、”引っかけ”と呼ばれるジャンルを指す(韓国では、”ジャンル”というより”商法”と悪評するミュージシャンが多い)。
パン・シヒョクを挑発したB氏は、”Hookソングの作曲家”として一世を風靡した人物で、彼の代表曲は、あのBIGBANGの『最後の挨拶』だ。そして「そうすると、本当にフックガヨ」の”フックガヨ”は、”Hook歌謡”をもじった言葉で「一発退場」「圏外に飛ばされる」という意味を持つ。
韓国の音楽ファンの間では「パン・シヒョクに対するリスペクトと、BTSというプライドを守るため、練習生のRMが大物プロデューサーに”復讐”を果たした」と、今でもその”ド根性ぶり”が語り継がれている。
今や世界的人気グループとなったBTS。米ビルボードのシングルチャート(Hot100)1位の獲得は、もはや珍しくないグループへと成長を遂げた。今年、惜しくも逃してしまったグラミー賞も、来年こそは手中に収めるのではと、大いに期待されている。
BTSの好調が続けば続くほど、彼らの名声が高くなればなるほど、チームワーク向上や、共通の目標管理といったリーダーの役割が、非常に大きくなってくる。
過去、人気グループが成功の甘さに酔い、チームが瓦解の危機に直面するシーンを、我々は何度も目撃してきた。BTSも、そのような人気グループの”二の舞”にならないという保障はない。
しかし、世界のARMY(BTSのファン)は、安心している。
何故なら、BTSやファンへ敬意と愛を惜しまず、そして責任感の強い、”ド根性”リーダーがいるからだ。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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