昨日、突如として浮上したBTSの同伴入隊の話題。いまや世界に誇るBTSにとって、ナーバスな”兵役問題”だけに、ネット上では賛否両論が飛び交うこととなった。そんな中で目立ったのが、概ね”賛同”の日本ファン、事務所批判にまで及んだ韓国ファンの反応の違いだ。果たして、どうしてここまで顕著に意見が分かれたのだろうか? (写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
昨日(21日)飛び込んだ”2022年 BTS(防弾少年団) 同伴入隊報道”の反応が、何故日韓で分かれたのだろうか‥?
BTSをこよなく愛し、応援し、”兵役問題”への両国ファンの複雑な心境に、大差はないはずなのに‥。
まず、昨日韓国メディアにより報じられた”同伴入隊”について振り返ってみる。
出所は投資アナリストの見解
昨年上場したHYBE(旧Big Hitエンターテインメント)は、韓国株式市場で熱い視線を注がれる存在として浮上している。
その背景には、世界的なアーティストへと成長しているBTSの存在が大きい。BTSの旺盛な活躍、及び成果がHYBEの命運を握っていると言っても過言ではない。
もちろん、収益において”脱BTS”という目標を掲げ、攻撃的な事業拡大も図っているHYBEだが、その成果が現れるまでは時間がかかると見られており、投資家の眼中には”BTSの更なる活躍”しかないのが現状である。
そして、HYBEにとっても投資家にとっても、”BTSの入隊”は避けられるのであれば、避けたい”現実”なのだ。
BTSの入隊時期はもはや、芸能界やファンの関心事という枠を超え、韓国経済界の関心事にもなっている。
そんな流れがあったからか、企業投資に詳しい、あるアナリストの”分析”に韓国ネットがざわつきを見せたが、その話題は海を越え、ここ日本でも様々な反応を引き出した。
(関連ニュース) BigHit、BTS 同伴入隊に’ノーコメント’ 韓国ネットは「バンタンは人形じゃない」
メンバーの同伴入隊が実現すれば、空白期間が1年未満になる可能性が高いとの見解に対し、日本のファンは概ね賛同している様相を呈している。(コメント出典:Twitter ※本人特定を避けるため、一部修正)
「一人ずつの入隊だと、完全体が見られるまで時間がかかる‥少し我慢して完全体で戻ってくる姿が見たい」
「7人全員で入隊するのが、一番いい」
「(完全体の)空白期間が最短で済むように配慮してくれると嬉しい」
「同時入隊希望!」
「同時入隊が理想的」
「コロナで会えない時間が長くなってるし、こんな思いをするのであれば、しばらく我慢してもいいから、同時入隊、同時除隊が望ましい」
「一人でも欠けてるバンタンは想像したくない」
(コメント出典:Twitter ※本人特定を避けるため、一部修正)
一方、本国の韓国では、何故か冷ややか。中には、所属事務所を批判する声も少なくない。(コメント出典:前出の関連記事)
「共産主義か? 個人の意見は尊重されないのか?」
「物事には道理があるのに‥」
「メンバーの人生、本人に決めさせてよ! 雑音が多すぎる」
「成人しても、入隊時期も会社に決めてもらわないとならないのか」
「バンタンは、ソロやってもユニットやっても売れることは間違いない。7人にこだわる必要ないのでは?」
「バンタンは人形じゃありません。本人たちの意思を尊重してください」
同伴入隊に”反対”を表明しているわけではないが、日本ファンのような”歓迎”の意思は見当たらない。いわば、確然とした”温度差”が両国ファンの間に存在している。
何故、日韓の反応は分かれたのか?
国民性の違い? 本国プレミアム? ファン歴?
日韓ファンの温度差の原因を探るため、多角的な考察が必要だろうが、一番の理由は、韓国ファンが感じる”入隊ヒステリー”だろう。
と言うのも、日本のファンが思う以上に韓国は”兵役”に厳しい国であり、特に芸能人の”兵役”に対しては、必要以上に厳しい目を向ける傾向が強い。
BTSも例に漏れず、ファンや海外での活躍を高く評価している人にとっては「ある程度の優遇を与えてもいいのでは」という意見があるものの、そうではない人にとっては「国防の義務を重視しないのか」「公平ではない」「やっぱり芸能人はカネとコネがあるから」など、批判されがちなのだ。
特に、最近の”兵役法”にまつわる施行令改正が「BTSの入隊期限を延ばすために行われた」「BTS優遇だ」と批判の声が上がっており、どうやらBTSのファンにとっては”ストレス”になってしまったようだ。
周知の通り、大きな不祥事に見舞われることなく、誠実なイメージを築き上げてきた彼らだけに、兵役問題によるイメージダウンは致命傷であり、ファンにとっては望ましくないことでもある。だから、ヒステリカルに反応しているのだ。
結局、日韓の反応が分かれた理由は”賛否”の問題ではないのだ。活動における効率性などを、理性的に考え”賛同”の意を示した日本のファンとは裏腹に、韓国ファンは”身近”な入隊問題が取り上げられるたびに、ヒステリーが働いてしまう現状が、温度差の理由なのである。
***
メンバーにだって、兵役や入隊時期に対する要望はそれぞれあるだろう。韓国人男性の人生における”軍隊”は、人生そのものを変えてしまう可能性まで秘めているほどだと、多くの韓国男性が証言している。
しかしBTSメンバーは、そのような”人生の行事”さえも、自ら決められない境遇に置かれているように見受けられる。
今後、どのような結論が下されるかは不明だが、BTSメンバーである以前に、一人の人間としてのBTSの意見も尊重されることを望んでみる。
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