今年、4年前に発表した楽曲『Rollin’』が、男性を中心に韓国中で大ブレイクしたBRAVE GIRLS(ブレイブガールズ)。すっかり人気アイドルグループの仲間入りを果たした彼女たちだったが、成績不振に陥っているという。一体BRAVE GIRLSに何が起きているのだろうか。
2021年を振り返るには、まだ少し早い感はあるが、今年最も大きなK-POPイシューと言えば、BRAVE GIRLS(ブレイブガールズ)だろう。
彼女たちは言わば”逆走神話”、”遅咲き童話”という、ドラマチックな起死回生を見せてくれたが、ここに来て”危機論”が浮上している。
去る9月20日、韓国の主要オンラインコミュニティーには、ある音楽ファン(便宜上、A氏とする)が書き込んだとされる文書が拡散され、多くのネットユーザーがそれに同調しているという‥果たしてその内容とは。
BRAVE GIRLS、解散を目前に起きた奇跡
「Brave Girls、4年越しの反撃!」「軍人たちのおかげで逆走に成功、ついに1位」「発売から4年で音源チャート1位!”夢のよう”」
去る3月に韓国メディアは、音楽チャートにおけるBRAVE GIRLSの快進撃を一斉に報じた。
デビュー11年目を迎える、売れないK-POPガールズグループ。結果のついてこない現実に疲れ、メンバーは「解散しか道がない」と、日々感じていた。だがその*矢先、童話のような出来事が巻き起きる。
*メンバー曰く、所属事務所にグループの解散を提言しようとした前日
テレビ出演の機会に恵まれず、韓国軍専用チャンネル『国防TV』に出演を重ねていたBRAVE GIRLSだったが、4年前に発表した楽曲『Rollin’』が、男性を中心に韓国中で大ブレイクしたのだ。
軍を除隊した男性たちが「軍隊では『Rollin’』が大人気だったのに、一般社会では違うなんておかしい」と疑問を抱きはじめ、SNSやYoutube(ユーチューブ)で『Rollin’』の良さを積極的にアピール。すると、口コミと関連映像が広まり、瞬く間に話題を総なめ。ついに、韓国主要音源チャートで1位という快挙を成し遂げるのであった。
(関連記事)「戦争に出てもBrave Girlsとなら」K-POP女性アイドルの人気は軍人次第?
以降、すっかり人気アイドルグループの仲間入りを果たしたBRAVE GIRLSは、様々なテレビ番組に出演し、大手自動車保険をはじめ20社を超える広告やCMでモデルオファーされるという“成功神話”を書き下ろしていく。
ブレイクから半年‥彼女たちに何が起きているのか
しかし、”逆走神話”からわずか半年後、韓国ネットでは彼女たちへの評判が、急速に落ちている空気が感知されている。
CD販売チャートはもとより、セールスパワーを見せていた音源チャートでも不振が目立ち始めた。「半年前に韓国中を熱狂させていた、あのガールズグループだよね?」と聞きたくなるほどの成績不振である。
前出の音楽ファンA氏は、その原因が以下の3つだと断言する。
- 国民的な関心は大きかったが、ファンダムの形成にはつながらなかった
- 男性ファンをターゲットにした、時代遅れのコンセプト
- 海外ファンの不在
BRAVE GIRLSの人気は、日本でも毎年のように登場する”一発屋”のお笑い芸人のように、音楽的成功ではなく”一時的な流行”に終わったという見方だ。
また、20〜30代の”サンチョンファン(おじファン)”の忠誠心と経済力に頼った、セールス戦略とコンセプトが、ティーンや同性ファンから「おじさん臭い」「ダサい」といった悪評を呼び起こす原因ともなった。
おまけに去る7月には、彼女たちのマネージャーのファンに対する横暴や、クオリティーの低いグッズなども議論となり「初心を忘れてる」「人気スターになったと勘違い」などと、批判を浴びることに‥。
(関連記事)売れたアイドルはBrave Girlsが初めて・・事務所の未熟さが呼んだ悲劇
BRAVE GIRLSの童話は幕を閉じるのだろうか
ファンダムの育成よりも、素早く”資金回収”に走ったせいで、音楽ファンから背を向けられるという、思わしくない結果を招いてしまったBRAVE GIRLS。
A氏は、BRAVE GIRLSの成績不振を分析しながら、人気アイドルグループ、Red Velvet(レッドベルベット)の事例を用いる。
昨年、メンバーアイリーンのパワハラ議論により、世間の批判を浴びていたRed Velvetは、8月に発表した新譜が、グループ史上最高のセールスを記録。その背景には、国内と海外ファンダムのサポートや、大型事務所(SMエンターテインメント)ならではの戦略があると言う。
韓国ネットユーザーは、A氏の意見に概ね同調の意を示しながら「ファクトすぎてゾッとする」「巨大ファンダムの有無がアイドルの生命線」「BRAVE GIRLSは、最近のサンチョンファンにとってもオールドすぎる」「所属事務所がトレンドを読む力量のなさが残念」「4年後の逆走が楽しみ! オリンピック周期のブレイクでもいいね」などと、皮肉めいた意見を寄せている。
果たしてBRAVE GIRLSの童話は、ここで幕を閉じてしまうのだろうか。
彼女たちのドラマは、いまだに多くの人に感動を与えている。ただ、ドラマだけでファンダムは誕生しない‥それを教訓に心機一転、出直しを図るべきではないだろうか。
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