2PMが約5年振りに完全体でカムバックしてから、快進撃が止まらない。ニューアルバム『MUST』を引っ提げ、精力的なプロモーション活動をするとともに、JYPエンターテインメントを離れたメンバーのテギョンも含め、グループの継続が可能であることを体現している。
2PM(ツーピーエム)が、活動の新たなモデルケースを生み出し、K-POPアイドルの後輩やそのファンに、明るい未来を見せている。
それは、6月28日に7枚目のニューアルバム『MUST』でカムバックした彼らが、6人という”完全体”の姿でファンのもとに還って来たからだ。
2018年、メンバーのテギョンは入隊中にJYPエンターテインメント(以下、JYP)との専属契約を終了させ、違う事務所に移籍を発表。ファンに驚きと衝撃を与えた。移籍発表とともに「2PMの活動は変わらず続け、グループ活動については、引き続きJYPがマネジメントを行う」と伝えられたが、完全体での活動は期待できないかもしれないという思いが、多くのファンの心に宿っていた。
というのも、過去に事務所を移籍したメンバーのいるグループが「解散・脱退はしていない」と明言していても、実際にカムバック活動を実現させた例がほとんどないからだ。
その言葉を信じたいけど‥不安視された完全体での活動
彼らがプライベートでも仲良しなのは、ファンの間では知られていることだが、こと活動となれば、事務所の違う彼が、これまで通り2PMとして参加できるかは別問題だということも、ファンは認識していた。
その後、テギョンを筆頭に続々と除隊した2PMだったが、SNS上ではやはり以前ほど、頻繁な交流は見られなくなっていく。
テギョンは俳優業にまい進する姿を見せ、個人で日本オフィシャルファンクラブが設立されるなど、単独活動が活発になり、一方でJun. K、ニックン、ウヨンは3人で”*テヤンヒョンゴム”を結成し、2PMのデビュー12周年を祝うオンラインイベント『テヤンヒョンゴムSpecial Day』の開催を告知するなど、今後6人での活動の可能性が、ますます不安視されるように。
*テヤンヒョンゴム:ハングルで”태양현곰”と書き、ニックンの故郷であるタイと、Jun. K&ウヨンが軍隊生活を送った土地のヤング、そして”現在ゴム靴”(韓国では、入隊した恋人を待つ女性を“ゴム靴”と表する)の頭文字取った造語(出典:2PM オフィシャルファンクラブ)。
しかし、3人が『My House』のステージを披露していたその時、ダンサーがサイドにずれると、ラップパートでテギョンがサプライズ登場。2PMとしての変わらぬ姿を見せ、ファンを安心させるのだった。
そして3月20日、いよいよジュノが除隊し、6人揃って「こんにちは、2PMです!」といつもの挨拶をした時は、彼らなら本当に6人でカムバックしてくれると、信じさせた。
その後テギョンは、自身のインスタグラムストーリーで、レコーディングスタジオにいるJun. Kの姿を載せるなど、2PMとして少しずつ活動している風景を匂わせ、6月28日、満を持してニューアルバム『MUST』を引っ提げ、見事完全体でカムバックする姿を見せているのは、周知の通りだ。
事務所が変わっても見せてくれた、揺るぎない結束力
かつてオーディション番組『PRODUCE』シリーズから誕生した、Wanna One(ワナワン)やIZ*ONE(アイズワン)も、事務所がバラバラのグループであり、活動継続が厳しかった背景には、同一事務所でない場合マネジメントに限界が生じるからという側面があったと思われる。
この2グループと、2PMの環境や事情はまた少し違う部分はあるが、やはり”完全体”を前提とするなら、それは無視できない問題だろう。
それでも彼らは、ともに過ごしてきた時間に築き上げて来た関係をないがしろにすることなく、互いをビジネスパートナーと割り切ることをせず、おそらく乗り越えねばならなかったであろう”大人の事情”も乗り越え、6人で『2PM』として帰ってきてくれた。
このグループ活動の形は、きっと今後の韓国アイドルの新たなモデルケースとなるだろう、もちろん、明るい未来として。
第2期とも言える全盛期を迎えている2PMは、アイドルとしての真摯な姿だけでなく、新しい挑戦とも言える頼もしい背中を見せてくれた。そんな彼らは、これからまだまだK-POP界のトップスターとして君臨し続けそうだ。
2PM
2008年9月4日にデビューした韓国の6人組ボーイズグループ2PM。JYPエンターテインメント所属。
Mnetの新人育成番組’熱血男児’で集められたJYPE練習生の新グループ結成までの過酷なトレーニングなどが放送され、デビュー前より注目された。2PMというグループ名の由来は、「1日の中で最も活動的な午後2時に聞きたい音楽」をコンセプトに名付けられた。2009年にメンバーのパク・ジェボム(ハングル 박재범)が脱退したため、現在は6人で活動している。
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