あらゆるキャラクターを、まるで現実に存在するかのように演じてしまう女優のヨム・ジョンア。実力派俳優に位置付けられる彼女だが、意外にもデビュー後はスランプに悩まされていた。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
富裕層だけが住む高級住宅街を舞台に、セレブ家族たちの受験戦争と複雑な人間関係を描いたJTBC『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~(2018)』(以下、SKYキャッスル)。放送当時、非地上波チャンネル歴代最高視聴率1位を記録するほど高い人気を博した作品だ。
このドラマで主演を務めたのが、女優のヨム・ジョンアだ。
彼女は劇中、誰もが憧れる完璧な妻であり良き母であるハン・ソジン役を演じ、エレガントさと同時に用意周到で徹底した戦略家の顔も見せ、数々の際どいシーンを展開してきた。
まるで何役もこなしているかのような幾つもの表情を披露し、特に複雑な心情が入り交じったシーンでは理想的なバランスで自然な演技を見せたと称賛を浴びている。
そんな演技派女優と呼ばれるヨム・ジョンアの次回作は、BLACKPINK(ブラックピンク)のジスとチョン・ヘインが主演を務めるJTBCの新ドラマ『雪降花』だ。本作に特別出演をする彼女はどのようなキャラクターに扮するのかと、早くも視聴者から注目が集まっている。
ミス・コリア出身の”平凡な女優”で、イケメン俳優の”彼女”だった頃
1991年のデビュー以後、都会的な雰囲気のミス・コリア出身としてのイメージが強く残ったヨム・ジョンアは、女優としてキャリアが持続的に続かず、平凡な女優の1人に位置付けられていた。
特に演技のネックとなっていたのが、172センチという高い身長だった。
当時、相手役を演じる俳優たちの身長も彼女と同じくらいだったため、男女2人が並ぶシーンでは画的によろしくない、さらにキャラクターのイメージにも合わないという理由からだったよう。
しかし自身が願ったところで背が低くなる訳でもなく、悩ましい日々を送っていたという。ヨム・ジョンアはデビュー当初、自分が持つ限界点を知っていたが、むしろ経験を通じてこれを克服しようとしたと告白している。
女優として伸び悩んでいたが、その一方で俳優チャン・ドンゴンとの交際発覚で話題を集めてしまう。
ヨム・ジョンアは1990年代、チャン・ドンゴンが若手のトップ俳優として活躍していた当時、約7年ほど交際をしていた。女優としてよりも”チャン・ドンゴンの彼女”として名を広めてしまったようだ。
2作品の映画を機に主演クラスの女優へと飛躍
2000年代半ばまではサブ主演、または比重の高い助演で演技活動を続けてきたヨム・ジョンア。
平凡な女優として続いていくと思われたが、2003年にキム・ジウン監督の『箪笥』に子供たちを虐待するヒステリックで奇怪な若い継母役で出演し、不気味な名演技を披露したことで再び注目を浴びた。
さらに2004年には、チェ・ドンフン監督のデビュー作『ビッグ・スウィンドル!』で妖艶なファム・ファタール演技を披露し、映画界だけでなく観客にも自身を名優として印象付けることに成功。
このような地道な努力と活躍が実を結び、2000年代の後半からは数少ない主演クラスの女優として活躍している。
その後、ドラマ『ロイヤルファミリー(2011)』や『SKYキャッスル』、映画『明日へ(2014)』、『完璧な他人(2018)』などで大ヒットを収め、女優としてさらに大きな成功を掴んだ。
*****
たゆまぬ努力の末、今は演技力も優れ、主演クラスの女優になったヨム・ジョンア。
まるでチャートを逆走するかのように、年を重ねるごとに人気を得る”大器晩成型”の見本のような芸能人生を歩んでいる。
大衆に良い印象を残す数少ない女優として常に最全盛期を迎えているヨム・ジョンア。彼女の今後の活躍にも期待が寄せられている。
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