日本で”韓流ブーム”と呼ばれた当時、このムーブメントは女性だけが楽しんでいるような雰囲気があった。しかし長い時を経て、現在は老若男女問わず楽しめるコンテンツのひとつへと進化を遂げた。新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続き、VODプラットフォームが大活躍し、中でも韓国ドラマ人気が復調の兆しを見せ始めている。

日本でも新型コロナウイルスの感染者数がようやく1桁台となり、1都1道3県を除き緊急事態宣言が解除された(5/22現在)。約3か月にも及ぶ自粛生活で大いに活躍したのが、VODプラットフォームだ。中でもNetflixの登録者数が群を抜いて急増し、韓国ドラマも恩恵にあずかることとなった。

日韓通じて一大ムーブメントを巻き起こした

日韓通じて一大ムーブメントを巻き起こした『愛の不時着』(画像出典:tvN)

Netflixで配信されている韓国ドラマは、一部韓国と同時配信されており本国と時間差なく楽しめるという点で、以前から韓ドラファンから人気を得ていた。また一部の作品については韓国語字幕が選択できることもあって、韓国語勉強のひとつとしても活用されているという声もある。

新型コロナウイルス以前は、韓国ドラマが好き=韓流ファンとカテゴライズされていたが、コロナウイルスが感染拡大され世界的に外出自粛を余儀なくされると、韓流ファンでなくても「(韓国ドラマも)観てみようかな」という時間の隙間ができたため、試しに観てみた結果、予想外に楽しかったというわけだ。

とりわけ、今回盛り上がりを見せているのは男性が多く、本サイトでも読売ジャイアンツの選手が『愛の不時着』にハマっているというニュースを報じたのが記憶に新しい。

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そして意外なところからも、韓国ドラマにハマったという声が。落語家の笑福亭鶴瓶が、自身のラジオ番組で2週に渡り『愛の不時着』について熱く語るというニュースが報じられたのだ。番組冒頭からドラマについて言及し、ドラマを観ていないリスナーから「話についていけない」というクレーム(?)まで届いたという。

パク・ソジュンのヘアスタイルも流行になった

パク・ソジュンのヘアスタイルも流行(?)になった『梨泰院クラス』。(画像出典:JTBC)

芸人の東野幸治がYouTubeで配信している「東野幸治の幻ラジオ」では博多華丸から手紙が届き、「韓国ドラマの『刑務所のルールブック』にハマってしまい、劇中の影響を受けて花言葉図鑑を2冊買ってしまった」と綴っていた。同じく俳優の野村宏伸も『刑務所のルールブック』に夢中になり、夕ご飯に韓国料理を作ってしまったと自身のブログに投稿。元メジャーリーグのマック鈴木も同ドラマがきっかけで韓国ドラマを観るようになったそうだ。

男性に人気のドラマ

男性に人気のドラマ『刑務所のルールブック』(画像出典:tvN)

『梨泰院(イテウォン)クラス』の人気も凄まじい。キム・ダミが好きすぎて絵を描いてしまったという千鳥のノブや、オリエンタルラジオの藤森慎吾、スピードワゴンの小沢一敬らが『梨泰院クラスについて語る』だけのZoomを配信し、話題となった。

(関連記事)‘梨泰院クラス’にハマり座談会を行った日本のお笑い芸人‥新たな韓流ブーム到来か

トレンディエンジェルの斎藤司はBIGBANGの熱狂的なファンとして知られているが、やはり彼も『梨泰院クラス』の虜になった1人で、自身のブログではパク・セロイ風の衣装を着用し、ヘアスタイルも真似した様子をアップしている。

韓国ドラマを好む女性は、恋愛要素のある作品にハマることが多い。両想いの2人が恋人になるまでの紆余曲折にイライラヤキモキしながらも、甘いシーンに思わず胸がときめいてしまう‥ドラマを通して、疑似恋愛を楽しませてくれるのが醍醐味である。一方の男性はというと、前述の『刑務所のルールブック』や『ミセン~未生~』など、社会生活の中で胸がすくような男たちの戦いを描いたものや、『キングダム』のようなゾンビと死闘を繰り広げるスカッと系要素の作品を好む傾向にある。

“韓流ブーム”は時として“作られた感”が否めず、結果それが韓流アレルギーへの要因とも取れた。しかし、今回の韓国ドラマムーブメントは間違いなく自然発生的に生まれた流行だ。特に韓国映画は骨太な作品が多く、日本とはひと味違う制作方法がなされているため、今後映画ジャンルに足を伸ばす男性視聴者も増えそうだ。

日本ドラマと比較する必要はまったくなく、韓国ドラマは“韓国ドラマ”という1ジャンルとして楽しんでもらえる事は、韓流メディアを扱う者として単純に嬉しいことである。

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