かつて日本で「韓国のマチャミ(久本雅美)」と呼ばれ、バラエティー番組に多数出演していた韓国の女性お笑い芸人を覚えているだろうか? 当時日本での活動名はヘリョンと名乗っており、さまざまなバラエティー番組で韓国の実情などを語って人気を博していたコメディエンヌだ。
ヘリョンことチョ・ヘリョンは1970年5月29日生まれで今年50歳。1992年に『KBS大学ギャグ祭』でコメディー大賞新人賞を受賞し、芸能界デビューした韓国の有名女性お笑い芸人だ。テレビのバラエティー番組で見せる芸人としての姿だけでなく、ドラマ・映画・演劇・ミュージカルなどにも出演。また歌手デビューも果たし、エンターテイナーとして多方面で活躍している。
![チョ・ヘリョンは韓国の有名女性お笑い芸人](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2020/11/johyeryeon-now.jpg)
韓国の有名女性お笑い芸人チョ・ヘリョン(画像出典:チョ・ヘリョンInstagram)
さらに、日本に進出した初の韓国人女性お笑いタレントとしても有名だ。2003年にKBS『冬のソナタ』が日本で放送されスタートした韓流ブームが盛り上がっていた2005年、日本芸能界での活動を決意。その後日本語を猛特訓し、半年で日本語会話能力を習得。翌06年に念願の日本デビューを果たした。そして数々のバラエティー番組に出演していた。
当時、TBSの情報番組『サンデー・ジャポン』では韓流ニュースレポートなどを担当していたが、担当プロデューサーから「彼女は独特な間の取り方で人々を笑わせる」「話の進め方が素晴らしい」と絶賛されていた。またチョ・ヘリョンの日本進出を助けたと言われるユンソナは、彼女のお笑いセンスを褒めたたえ、自分より人気が出るだろうから共演したくないと言っていたほどだった。
しかし、チョ・ヘリョンが日本の番組で韓国の実情を語ることで、韓国のネットユーザーから非難を浴びることもしばしばあったという。
特に議論の対象となったのは、2010年に出版した『チョ・ヘリョンの必殺日本語の第一歩』という日本語教材の中で、ひらがな教材として映像化した『ひらがなソング』のメロディーに韓国が竹島の領有権を主張した歌『独島は我が国の領土』のメロディーが使用されていた問題だ。このことが原因で、チョ・ヘリョンは日本での活動を永久に中止すると宣言し、日本での活動は終了することになった。
そのため今では日本ですっかり姿を見なくなったチョ・ヘリョンだが、韓国では芸能活動を続けており、今年9月には13年ぶりとなるシングル『愛のパンチ』をリリースして話題を呼んでいた。
そして今月16日には、自身のインスタグラムの投稿に「立派な大学生の息子、ウジュ~すっかり大人になった姿に胸がいっぱい♡ウジュ、ありがとう」と綴り、愛息との2ショット写真を掲載し、再び注目を集めた。
チョ・ヘリョンは自身のインスタグラムに息子とのツーショットを掲載した(画像出典:チョ・ヘリョンInstagram)
チョ・ヘリョンの息子ウジュは、かつて母チョ・ヘリョンと共に韓国のさまざまなバラエティー番組に出演していたため韓国では馴染みのある顔だったが、幼い頃とはうってかわって頼もしい男性に成長した姿で写っており、この穏やかな雰囲気の2ショット写真を見たネットユーザーたちからは「ウジュはもう大学生?」、「全然気付かなかった」、「本当に大きくなった」、「かっこよくなった」、「すごく爽やか」など、さまざまな反応が見られた。
そして息子ウジュの隣にぴったりと寄り添い、笑みを浮かべるチョ・ヘリョンの顔は、芸人の顔ではなく息子を思いやる母親の顔を見せていた。
いまもなお微妙な日韓関係が続く中、まったくのノイズなしに韓国人が日本で、そして日本人が韓国で活動をすることは難しいのかもしれない。そんな中、韓流ブームが起こった2000年代に確実に日韓の架橋になっていたチョ・ヘリョンの活躍を、当時の韓流ファンは忘れることはないだろう。
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