ドラマ『愛の不時着』により日本で再び起きた韓流ブーム。本作で主演を務めた女優、ソン・イェジンは今回のブームでライジングスターになったかのように見えるが、彼女の人気は今に始まったことではない。遡ること10年以上も前から日本と縁を結び、素晴らしい活躍を見せていた。

Netflixを通じて日本に再び巻き起こった韓国ドラマブーム。

その先駆けとなったのが、ドラマ『愛の不時着』だろう。本作で主演を務めた俳優ヒョンビンと女優ソン・イェジンの人気は、現在も尚、衰えるどころか上昇を続けている。

ドラマ『愛の不時着』で主演を務めたソン・イェジン

女優ソン・イェジン(画像出典:ソン・イェジン 公式Facebook)

日本では今年のライジングスターとして人気を得たかのように見えているソン・イェジンだが、実はこれ以前から高い人気を誇る”韓国女優”として名を広めていた。

彼女の名が広く知られるようになったのは、今から16年前に起きた”ヨン様”ブームがきっかけ。

2003年から2004年にかけて日本で放送された、ドラマ『冬のソナタ』で大ブレイクしたペ・ヨンジュン。”ヨン様”の愛称で親しまれた彼は、その後も精力的に映画やドラマに出演し、その作品はどれも大ヒットを記録した。
特に2005年に公開された映画『四月の雪』は、日本では約300万人もの動員数(興行収入約28億円)を記録し、韓国映画史上最大のヒット作品(2005年9月時点)となっている。

日本で大ヒットした韓国映画『四月の雪』

ペ・ヨンジュンとソン・イェジンが主演を務めた映画『四月の雪』(画像出典:movie.naver)

その作品でヒロインを務めたのが、ソン・イェジンである。
本作で切なくも美しいロマンスを紡いだ彼女は、優れた演技力が認められ、『第51回アジア太平洋映画祭』で主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げた。

2005年公開『私の頭の中の消しゴム』。チョン・ウソンと美男美女のお似合いカップルとしても話題に(写真提供:©スポーツ韓国)

『四月の雪』に続き、同年10月に日本で公開されたソン・イェジン主演映画『私の頭の中の消しゴム』は、公開後4週連続で第1位となり、30億円を超える興行収入(累計総額)を記録する大ヒット作となった。
これは『四月の雪』の持つ記録を抜き、日本で公開された韓国映画史上第1位の作品となり、以後15年間も記録を保持している。ちなみに、この記録を塗り替えたのはアカデミー受賞作『パラサイト 半地下の家族』(2019)である。

2作品連続で快挙を成し遂げた韓国女優のソン・イェジンは、日韓において清純派美人俳優とメロクイーンのタイトルを獲得したトップスターに浮上し、韓流ブームを象徴する大女優となったのだ。

その後、韓国で250万人を動員した映画『Be With You ~いま、会いにゆきます』(2018)が2019年に日本でも公開され、ともに主演を務めたソ・ジソブと抜群の”ケミ”を見せたと高い評価を得た。

2018年公開『Be With You ~いま、会いにゆきます』。ソ・ジソブと抜群の相性を見せた(画像出典:ロッテシネマ公式サイト)

(関連記事)‘愛の不時着’ ソン・イェジン、過去ソ・ジソブと共演した日本原作の映画とは

このように日本でも成功した数々の映画作品だが、『私の頭の中の消しゴム』は日本のテレビドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』が原作、『Be With You ~いま、会いにゆきます』は、2004年に竹内結子と中村獅童のW主演で映画化された市川拓司のベストセラー小説『いま、会いにゆきます』を韓国で再映画化したものと、どちらも原作は日本の作品となっている。

これだけでもソン・イェジンの日本での人気、そして日本とゆかりあることが証明されたのだが、さらに驚く事実がある。

ソン・イェジンは2001年に、日本企業の商品である”ポカリスエット”の広告モデルを務めていたのだ。
2001年から2002年、続いて2007年から2008年にも広告モデルとして活躍を見せている。これは歴代ポカリスエットモデルの中でも特別とも言える大抜擢で、彼女だけが”初の2年連続モデル”を務め、さらに”唯一再起用されたモデル”という輝かしいもの。ソン・イェジンが出演した広告は、これまでに展開された歴代広告の中で最も印象的な広告として挙げられているほど、大衆から多くの注目を浴び、支持されていた。

この広告が大ヒットして以来、ソン・イェジンは”清純”の代名詞となり、彗星のように現れた青春スターである清純派美人女優へと飛躍した。

このようにドラマや映画だけでなく、広告までと、あらゆるジャンルで日本と深い縁を持つソン・イェジン。
ソン・イェジンにとって日本は10年以上も昔から身近で親しみのある国であり、その国である日本で、2020年に再び彼女のブームが巻き起こったのも深く頷ける。







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