タン・ウェイという女優をご存知だろうか。2000年代以降の韓国映画史にその名を刻み続ける名匠パク・チャヌクの最新作『別れる決心(2022)』のヒロインを務め、注目を集めた中国人女優である。そこで今回は、中国人である彼女が、なぜ韓国芸能界で人気を得るようになったのか、そのキャリアと魅力に迫りたい。

タン・ウェイという女優をご存知だろうか。

『レイトオータム』でヒョンビンとの"ロングキス"が話題となったタン・ウェイ

『レイトオータム』では、ヒョンビンとの”ロングキス”が話題となった女優のタン・ウェイ。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

彼女は、映画『オールド・ボーイ(2003)』『お嬢さん(2015)』などで、2000年代以降の韓国映画史にその名を刻み続ける、名匠パク・チャヌクの最新作『別れる決心(2022)』のヒロインを務め、注目を集めた中国人女優である。

『別れる決心』は、第75回『カンヌ国際映画祭』コンペティション部門で、監督賞受賞が発表されたばかりの話題作だ。

近年、世界中から期待を集めている韓国映画だが、主要キャストに中国人女優が名を連ねることはそう多くない。そこで今回は、中国人である彼女がなぜ韓国芸能界で人気を得るようになったのか、そのキャリアと魅力に迫りたい。

中国浙江省(せっこうしょう)出身のタン・ウェイは、2004年に『ミスワールド北京大会』で5位となって脚光を浴び、芸能活動を本格化。約1万人の中から主演に選ばれた、映画『ラスト、コーション(2007)』に女スパイ役で出演。

映画『ラスト、コーション(2007)』

映画『ラスト、コーション』に女スパイ役で出演。過激な描写が賛否を集めた。(画像出典:movie.naver)

本作で、彼女が挑んだ過激な性描写は大きな話題となり、一躍注目の的に。しかし、センセーショナルな役柄や描写は物議を醸し、批判を浴びてしまう。理由は明らかにされていないが、その後彼女の出演CMが放送差し止めになったというニュースが飛び交うなど、彼女のブレイクは波乱の幕開けとなった。

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中国では、多方面で賛否を呼んだ『ラスト、コーション』だったが、韓国ではそのドラマティックな内容に多くの観客が心を掴まれたという。

2010年、タン・ウェイは中韓合作映画『レイトオータム(2010年/原題:晩秋)』に出演。人気俳優のヒョンビンとダブル主演を果たし、韓国で知名度を上げることに成功する。本作は、誤って夫を死なせ服役中の主人公アンナ(タン・ウェイ扮)が、母の葬儀のために72時間限定の外出許可をもらい、シアトルへと向かうロードムービーだ。

数年ぶりに再会した、家族や街の変化に疎外感を抱き、母の葬儀を前に引き返そうかと迷うアンナ。しかし、道中で出会った謎の男フン(ヒョンビン扮)との再会により、凍てついた心が少しずつほどけていくのだった。タン・ウェイは、服役中の女性という難役を英語のセリフで演じ切っただけでなく、孤独や弱さ、芯の強さなど、繊細な感情を見事に表現。高い演技力を見せつけた。

ヒョンビンとの熱烈キスは韓国で話題に。

ヒョンビンとの熱烈キスは当時韓国で大きな話題に。。(画像出典:movie.naver)

そして本作で、韓国のゴールデングローブ賞とも言われる『百想芸術大賞(2011)』女性最優秀演技賞を受賞。2014年には『レイトオータム』の監督、キム・テヨンとの結婚を発表し、より韓国で親しまれる存在となる。

そんな彼女の待望の最新出演映画が、パク・チャヌク監督の最新作『別れる決心』(6月29日韓国公開予定)である。山で起きた変死事件を捜査する刑事(パク・ヘイル扮)が、被害者の妻(タン・ウェイ扮)に疑念を抱くことから始まるヒューマンサスペンスだ。

先日開催された、第75回『カンヌ国際映画祭』で上映された本作は、シンプルなストーリーがゆえに観客の心を揺さぶり、その見事な世界観が早くも高評価を得ている。そして、コンペティション部門で監督賞を受賞。

パク・チャヌク監督は、第57回『カンヌ国際映画祭』で審査員特別グランプリを受賞した『オールド・ボーイ』に続く、カンヌでの受賞という快挙を達成した。これをきっかけに、ヒロインを務めたタン・ウェイは一層の注目を集め、国際的スターへと飛躍することになりそうだ。

タン・ウェイは、夫キム・テヨン監督の最新映画『ワンダーランド』に出演することも発表されている。本作は韓国を代表する人気俳優コン・ユとパク・ボゴムの主演起用に加え、チョン・ユミ、ペ・スジ、チェ・ウシクなどの豪華キャスト集結としても注目を集めている。

彼女の活躍を堪能できる、この2作品の日本公開が待ち遠しい。

『ラスト、コーション』から15年、女優としての円熟期に入ったタン・ウェイには、今後もアジアを代表する実力派女優として、第一線を走り続けて欲しい。




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