tvN(Netflix)ドラマ『私たちのブルース』が変わらず話題だ。済州(チェジュ)島を舞台に、島の人々のほろ苦い人生をオムニバス形式で描いており、14人の登場人物が物語をつないでいる。中でも韓国を代表する俳優イ・ビョンホンの出演は大きな話題に。そこで今回は、長きに渡り韓流ブームを牽引してきたイ・ビョンホンのキャリアを振り返り、共演中の女優シン・ミナと共に出演した主演映画『甘い生活』を紹介したい。
Netflixのドラマ『私たちのブルース』が評判を呼んでいる。
![イ・ビョンホンとシン・ミナの新たなポスターが公開された。](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/leebyunghun-movie3-725x1024.jpg)
『私たちのブルース』イ・ビョンホンとシン・ミナの新たなポスターが公開された。(画像出典:tvN)
済州(チェジュ)島を舞台に、島の人々のほろ苦い人生をオムニバス形式で描いており、14人の登場人物が物語をつないでいる。
また出演には、同じくNetflixドラマ『海街チャチャチャ』の主演が記憶に新しい、シン・ミナをはじめ、キム・ウビンら豪華キャストが集結した。
中でも韓国を代表する俳優イ・ビョンホンの出演は大きな話題に。よろず屋のドンソクに扮し、アウトローな男性を好演している。
そんな彼は、近年『KCIA 南山の部長たち(2018)』『白頭山大噴火(2019)』など、大作映画に立て続けに出演。これらの作品は興業的にも成功を収め、50代を迎えてもなお衰えない人気を見せつけている。そこで今回は、日本でも長きに渡り韓流ブームを牽引してきたイ・ビョンホンのキャリアを振り返り、『私たちのブルース』で共演中の女優シン・ミナと共に出演した、若き日の主演映画『甘い生活』を紹介したい。
日本と韓国で同時開催された、『2002 FIFAサッカーワールドカップ』から今年で20年。と同時に、日本の韓流ブームも約20年の歴史が刻まれた。
![“韓流四天王”と呼ばれた(左から)ペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、ウォンビン](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/leebyunghun-movie4-1024x534.jpg)
イ・ビョンホンと共に“韓流四天王”と呼ばれた(左から)ペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、ウォンビン。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
KBSドラマ『冬のソナタ』の大ヒットを機に、“韓流四天王”と呼ばれる4大俳優の人気が日本中で沸騰。当時の四天王の中で、映画・ドラマともに主演作が途切れることなく、トップを走り続けている唯一の存在は、イ・ビョンホンと言っても過言ではないだろう。
1970年生まれのイ・ビョンホンは、20代前半から俳優として活躍。90年代は“青春ドラマには欠かせない俳優”として、スターダムへ駆け上った。30代を迎えると、徐々に活躍の場をスクリーンへとシフトし、アクション、ノワールなど幅広いジャンルに挑戦していく。そんな彼の、俳優としてのターニングポイントとなった作品が、2005年の主演映画『甘い人生』ではないだろうか。
『甘い人生』は、名匠キム・ジウン監督がメガホンを取ったアクションノワール作品である。イ・ビョンホンは、これまでの好青年のイメージから一転、暴力と権力争いが渦巻く裏社会に生きる男を演じ世間を驚かせた。
組織のボスの恋人ヒス(シン・ミナ扮)の監視を命じられた、愛を知らない寡黙な男ソヌ(イ・ビョンホン扮)。ヒスには、ボス以外にも恋人がいることを突き止めたソヌだったが、ヒスへの感情からこの事実を見逃すことに。
![映画『甘い人生』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/leebyunghun-movie-718x1024.jpg)
2005年に公開された映画『甘い人生』。(画像出典:movie.naver)
このことで怒りを買ったソヌは、ボスから壮絶な拷問を受ける。ヒスへの想いが“愛”であることに気付かぬまま、ソヌはボスと組織を潰すため復讐の化身へと変わってゆく。
壮絶なバイオレンスや、裏社会の闇が描かれた本作。爽やかなイ・ビョンホンの活躍を期待した多くのファンが、その内容に劇場で絶句したという逸話もあるほど。しかし本作は、第42回『百想芸術大賞』男性最優秀演技賞の受賞をはじめ、国内外の数々の映画賞で高評価を受けることに。
その後イ・ビョンホンは、ハリウッドのエージェントと契約を勝ち取り、2009年『G.I.ジョー』でハリウッド進出を果たすまでになったことは周知の通りだ。現在もコンスタントにハリウッド作品への出演を続け、今では韓国を代表するグローバルスターへと成長を遂げた。
![ボスの恋人ヒス(シン・ミナ扮)の監視を命じられた、ソヌ(イ・ビョンホン扮)](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/leebyunghun-movie5.jpg)
ボスの恋人ヒス(シン・ミナ扮)の監視を命じられた、ソヌ(イ・ビョンホン扮)だったが‥。(画像出典:movie.naver)
また、キム・ジウン監督とは、『グッド・バッド・ウィアード(2008)』『悪魔を見た(2010)』『密偵(2016)』といったヒット作への出演で、何度もタッグを組むことに。30代後半から40代は、常に話題作への出演で注目を集め、名実ともにトップ俳優となった。
『甘い人生』は、甘い”青春メロ”を期待していた日本のファンにとっては、少々期待を裏切る“苦い”一作になったかもしれないが、その後の華やかな活躍へと通じるターニングポイントとなったことは間違いない。
『私たちのブルース』で、初恋相手として登場するシン・ミナとの若き日の共演も、今見返してみればきっと楽しめるだろう。50代も第一線で活躍し続けるであろうイ・ビョンホンに、今後も注目していきたい。
(投稿:島田元)
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