現在放送中のMBCドラマ『明日』が、ある議論に巻き込まれている。5月13日に放送された内容が”慰安婦問題”であったからだ。本作はNetflix(ネットフリックス)でも世界配信されているため、もちろん日本の視聴者もおり目にしており、様々な意見が飛び交うことになった。

現在放送中のMBCドラマ『明日』が、物議を醸している。

物議を醸したMBC(Netflix)ドラマ『明日』

物議を醸しているMBC(Netflix)ドラマ『明日』。(画像出典:MBC)

本作は、同名の人気ウェブトゥーンを原作に、”死者”を案内していた死神たちが、今は”死にたい人々”を救う、あの世のオフィスヒューマンファンタジー劇だ。

初回こそ良いスタートダッシュを見せたものの、2話以降はジェットコースターのような推移を見せている。それでも「徐々に面白くなってきた」という声も多い。

しかし、だ。5月13日に放送された『春』と題した13話は、”慰安婦”がテーマだったため、日本の視聴者は複雑な思いを抱いたようだ。

そして翌日に放送された第14話では、いよいよキム・ヒソン演じるクリョンの過去が明かされることに。

夫の代わりに村を守っていたクリョンだったが

夫ジュンギル(イ・スヒョク扮)の代わりに村を守っていたクリョン(キム・ヒソン)だったが‥。(画像出典:MBC)

*この記事にはネタバレが含まれています、ご注意ください。

400年前、実はクリョンと引導チーム長のパク・ジュンギル(イ・スヒョク扮)は、夫婦だった。

2人の幸せな時間は長くは続かず、女真族(10世紀頃の中国東北地方の部族)が攻めてきたため、ジュンギルは戦場へ。

クリョンは家を守ることになったが、彼女も攻めてきた女真族の兵士により捕まってしまう。

捕まった女性たちと連行される中、クリョンは機転を利かせて脱出に成功するも、村は国境を越えた者が故郷に戻ることを拒否。

それだけでなく、彼女自身に関する根も葉もない噂が村中に回り、*還郷女と言われ差別を受ける。

*還郷女:ハングルで”환향녀(ファンヒャンニョ)”と書き、貢物として献上された女性が、無事に帰国してもこう呼ばれ、蔑視や差別待遇された。

クリョンの噂を流した人々を斬りつけ、理性を失ったジュンギル

クリョンの噂を流した人々を斬りつけ、理性を失っていったジュンギル。(画像出典:MBC)

夫に代わり守り抜いた義母からも「名誉のために自死せよ」と命じられ、「自分は何も悪い事はしていない」と気丈に振る舞ったが、自身のせいで理性を失ってしまったジュンギルを見て、自ら命を絶ってしまう。

13話でも、命からがら日本軍から逃げてきた女性を、故郷の人々は「図々しい」「恥ずかしくないのか」「厚かましい女」などと蔑んだ。女性は「それは慰安所で受けたつらさよりも傷付いた」と口にする。

そして14話でも、クリョンが”性的暴行を受けた”という噂で後ろ指を指され、まるで加害者のように責められる立場に。

本作は、第10話でも現代で性的暴行を受けた女性が、SNSで私刑される様子を描いた。

そしてこれをクリョンは「なぜ被害者が責められる立場になり、加害者の行為が正当化されるのか」と断罪。”二次被害”の辛さを訴えた。

これは、被害者の思いを代弁していると思われたが、実際は、自分の身に降りかかった出来事だったのだ。

結局、慰安婦被害者や還郷女のつらい歴史をあえて『明日』が盛り込んだのは、それが忘れられる過去の歴史ではなく、その時とは違う”明日”があるということを語るためだった。

慰安婦を助けた男はジュヌン(ロウン扮)に瓜二つの男だった。

慰安婦を助けに登場した男は、ジュヌン(ロウン扮)に瓜二つの男だった。(画像出典:MBC)

それでも、『明日』はNetflixで世界に配信されていることを考えれば、”慰安婦”を扱うというリスキーをなぜ選んだのか、疑問が残る。

その世界の中に、日本がいるということも知りながら。

第13話を観た日本の視聴者は、

「韓国ドラマ好きだけど、この回は複雑な気持ちで観た」

「エンタメに歴史問題をねじ込むのは、ちょっといただけない」

「まさか全世界発信のドラマに、この問題を盛り込むとは」

「自殺願望者を救うという主旨とは、方向性が違うと思う」

「この回ばかりは、作り手の意図がわからなかった」

「ロウン君、日本にもファンがいるのにどんな気持ちで演じてるの?」

など、SNSで様々な気持ちを吐露している。

せっかく伝えたい意図が、現代人にとってセンセーショナルものだったにもかかわらず、取り扱ったテーマがテーマだったが故に、物語の核がボヤけてしまった印象だ。




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