Netflixオリジナル映画『カーター』が好調だ。本作は斬新なアクション演出で、世界中の映画関係者から注目を集める、チョン・ビョンギル監督の最新作である。そんなチョン監督の過去作品として再注目したいのが、日本でもリメイクされた作品『殺人の告白(2012)』である。

Netflixオリジナル映画『カーター』が好調だ。日本を含む19カ国で1位を獲得し、アクションジャンルの韓国映画では快挙となっている。

Netflixにて公開後、世界中で注目を集めているチョン・ギョンビル監督最新作『カーター』(画像出典:movie naver)

約6年振りに映画主演を務めた俳優のチュウォンは、鍛え上げたられた肉体と激しいアクションを披露。見事にアップデートされた姿が、ファンを驚かせている。

本作は、藤原竜也主演のリメイク作でも知られる『殺人の告白(2012)』のメガホンを取ったチョン・ビョンギル監督の最新作。

チョン監督と言えば、斬新なカーアクション、大迫力のカメラワークといったアクション演出で、世界中の映画関係者から注目を集めている人物だ。

前作『悪女/AKUJO(2017)』では、殺人兵器として育てられた女性主人公の激動を描き、“韓国映画史上最高迫力のアクション”と口コミが話題を呼び、観客を魅了した。最新作『カーター』では、さらにスケールアップした映像を披露している。

『カーター』は、死をもたらす謎のウイルスが蔓延した世界を舞台にした、ノンストップアクション。

ワクチン開発の鍵となる抗体を持つ少女を、韓国から北朝鮮へと連れて行く使命を受けた男・カーターの奮闘を、迫力満点のアクションシーンと共に力強く描いた一作だ。

一切の記憶を消された主人公カーターが、戸惑いながらも自身の過去に近付いていく、サスペンスをベースとしたストーリー展開も見所となっている。

日本でもリメイク!映画『殺人の告白』

そんなチョン監督の過去作品として再注目したいのが、『殺人の告白(2012)』だ。

日本でもリメイクされ話題となったパク・シフ主演『殺人の追憶(2012)』(画像出典:movie naver)

本作は、殺人を懺悔する自叙伝を発刊し、世間騒がせた連続殺人犯ドゥソク(パク・シフ扮)と、彼の逮捕を狙う刑事ヒョング(チョン・ジェヨン扮)の因縁の対決を描いた、サスペンス作品。

前述の通り、2017年には藤原竜也主演で『22年目の告白-私が殺人犯です-』として日本でもリメイク。さらに今年6月には、日本でSUPERNOVAのユナクとCHEMISTRYの堂珍嘉邦がダブル主演で舞台化もされ、再び耳目を集めるのだった。

犯人未逮捕のまま、時効を迎えた15年前の連続殺人事件。担当刑事のヒョングは、犯人未逮捕の罪悪感と怒りを抱えながら、15年間を過ごしてきた。(※韓国の殺人事件の公訴時効は15年だったが、2015年7月から廃止となった)

そんな中、イ・ドゥソクという男が「自身が連続殺人事件の犯人だ」と記した自叙伝を発表し、世間を騒然とさせる。

殺人犯と名乗ったにもかかわらず、甘いルックスとミステリアスな雰囲気で世間を魅了、一躍スターとなり‥ドゥソクの狙いは一体何なのか。彼の思惑を暴くため、ヒョングは再び事件に立ち向かう。

『殺人の告白』

自らが連続殺人事件の犯人であることを告白する自叙伝を発表したドゥシク(パク・シフ扮)と刑事ヒョング(チョン・ジェヨン扮)の因縁の対決を描く。(画像出典:movie naver)

本作は、1986年から91年に韓国で実際に起きた未解決事件『華城連続殺人事件』にインスピレーションを受けて、製作されたという。

この事件は、ポン・ジュノ監督の代表作『殺人の追憶(2003)』や、イ・ジェフン主演のtvNドラマ『シグナル(2016)』でもモチーフとなった、韓国犯罪史に残る連続猟奇殺人として知られている。また時効後の2019年に、真犯人が判明したことで、韓国中を驚愕させた。

チョン・ギョンビル監督は、この有名な事件を自ら手掛け、大胆に脚色。監督作品2作目とは思えないほどの、ハイレベルな“本格サスペンス”と“大胆アクションシーンの融合”を見事成功させる。そして韓国サスペンスの新境地となり、ヒットへとつながった。

「美しすぎる殺人犯」ことドゥシク役を演じ、体を張ったアクションシーンを披露したパク・シフ。(画像出典:movie naver)

また、パク・シフが新たな演技を披露したことでも話題に。警察を挑発する“美しすぎる殺人犯”をミステリアスに演じ、肉体美の披露や激しいアクションシーンまで、果敢に挑戦している。街中で繰り広げられる、激しいカーチェイスは息を飲む迫力だ。

パク・シフと言えば、その貴公子のようなルックスを武器にテレビドラマを中心に活動してきたが、本作で演技派俳優としてステップアップすることに成功したと言えるだろう。

ここ数年は映画出演が途絶えているため、スクリーンへのカムバックが待ち遠しい。

Netflixで話題の『カーター』に魅了された人は、ぜひ『殺人の告白』もチェックし、そのスリリングな世界を堪能してみてほしい。

『殺人の告白』予告(動画出典:YouTube シネマカフェ)

(投稿:島田元)




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