Netflix(ネットフリックス)で配信が開始された新作ドラマ『未成年裁判』が好調だ。韓国で深刻化する少年犯罪の実態を、裁判官の目線から描いた見ごたえある人間ドラマが、視聴者の心を揺さぶっている。そこで今回はドラマだけではなく、映画作品として見ごたえ抜群の裁判ドラマ3作品を紹介したい。

現在Netflixで配信中の新作ドラマ『未成年裁判』が好調だ。韓国で深刻化する少年犯罪の実態を、裁判官の目線から描いた見ごたえある人間ドラマが、視聴者の心を揺さぶっている。

『未成年裁判』をきっかけに、韓国では少年法について議論が浮上

『未成年裁判』をきっかけに、韓国では少年法について議論が浮上しているという。(画像出典:Netflix 公式Instagram)

裁判を物語に盛り込んだ作品は、懸命に生きる者の苦悩が力強く描かれ、視聴者を惹きつける力がある。また判決の行方を、ついつい真剣に見守ってしまったりする。

いわゆる”裁判モノ”と呼ばれる作品は、常にその社会情勢を映し、鉄板ジャンルと言っても過言ではない。そこで今回はドラマだけではなく、映画作品として見ごたえ抜群の裁判ドラマ3作品を紹介しよう。

『8番目の男(2019)』

1本目は、アイドルグループZE:Aのメンバーパク・ヒョンシクの映画初主演作『8番目の男(原題:陪審員たち)』を紹介しよう。

パク・ヒョンシク『8番目の男』

パク・ヒョンシク初主演映画『8番目の男』((C)2019 CJ CGV Co., Ltd., banzakbanzak Film, All Rights Reserved)

KBS『花郎(ファラン/2016)』、KBS2『SUITS/スーツ~運命の選択~(邦題/2018)』などのヒットドラマに出演してきた彼にとって、待望の映画初主演作だ。2008年から韓国で導入された、一般市民の参加による“国民参与裁判”を題材に、陪審員に選ばれてしまった平凡な青年をパク・ヒョンシクが熱演。

裁判長役は、韓国を代表する女優ムン・ソリが担い、導入されたばかりの制度で揺れる法廷を舞台に、裁判長をクールに演じている。またパク・ヒョンシクとともに、裁判所へ集められた人物たちも、個性的な俳優が集結した。

韓国映画で初の国民参与裁判を題材にした作品とあって、初対面の者同士が知恵を絞りながら判決へ導く過程が、ユーモアたっぷりに描かれており、これまでになかった法廷劇が楽しめる。

一般市民が、同じ一般市民の人生を左右する――判決を下すことの意義・難しさを、観る者にライトに問いかけながら、思わず泣ける上質な法廷エンターテインメントだ。

パク・ヒョンシク映画初主演!『8番目の男』予告編(動画出典:YouTube Klockworx VOD)

『無垢なる証人(2019)』

2本目はそのルックスと演技力で、韓国映画界のトップを走り続ける俳優チョン・ウソンが弁護士として奮闘するヒューマンドラマ『無垢なる証人(原題:証人)』を紹介。

チョン・ウソンは本作で『2019年青龍映画賞』男優主演賞を受賞

チョン・ウソンは本作で『2019年青龍映画賞』男優主演賞を受賞した。((C)2019 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.)

本作は中年弁護士が、事件の唯一の目撃者である自閉症の少女(キム・ヒャンギ扮)との出会いを通じて、事件の真相を追いかけながら弁護士としてかけがえのないものを見つめ直していく質の高いヒューマンドラマだ。

キム・ヒャンギ演じる少女ジウは、自閉症でありながら記憶力など特定の分野で天才的な能力を発揮する。しかし、少女が裁判の証言台に立つには、いくつものハードルがあって‥。

“法廷劇”と”自閉症”という個性を、丁寧に結びつけながらストーリーを描き、障害を持つ者が裁判に関わることの難しさ、意義を、名優チョン・ウソンが等身大の演技で体現している。これまで、アクションやクールな悪役で存在感を発揮してきたチョン・ウソンが、弁護士でありながら、様々な人生のトラブル抱える中年男性を演じている点も新鮮だ。

チョン・ウソンは、本作で韓国国内のアカデミー賞とも言える『2019年 青龍映画賞』男優主演賞を受賞。さらなる飛躍のきっかけとなった。

『無垢なる証人』予告編(動画出典:YouTube Klockworx VOD)

『イテウォン殺人事件(2009)』

3作目は、日本でもお馴染みのチャン・グンソクが主演を務めた『イテウォン殺人事件』を紹介したい。

チャン・グンソクが、孤独を抱える韓国系アメリカ人という難役に挑んだ

チャン・グンソクが、孤独を抱える韓国系アメリカ人という難役を演じた『イテウォン殺人事件』((C)2009 SPONGE ALL RIGHTS RESERVED)

本作は1997年、多国籍な人々で賑わうソウルの繁華街梨泰院(イテウォン)で、実際に起きた大学生殺害事件を描いたサスペンスだ。

容疑者は2人の青年。事件の担当検事テシク(チョン・ジニョン扮)は、事件の真相を暴くために容疑者の青年たちと対峙するが、否認し続ける2人によって捜査も裁判も難航する。

当時、アイドルとして人気絶頂だったチャン・グンソクが、孤独を抱える韓国系アメリカ人という難役を見事に演じ、話題を呼んだ。

『イテウォン殺人事件』のベースとなった本事件は迷宮入りしていたが、本作の上映をきっかけに12年ぶりに捜査が再開され、事件から20年後の2017年、真犯人が逮捕されるという驚くべき結末を迎えている。

イテウォンという街の特殊性と、若者たちのさまよう心を描き、裁判の進行とともにストーリーが展開する法廷劇としても楽しめる作品。チャン・グンソクの見事な演技にも注目を。

イテウォン殺人事件 予告編(動画出典:YouTube 이돌영화사)

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事件の真相解明だけでなく、犯人、被害者、裁判官、検事‥様々な人間模様が、好奇心を誘う裁判映画。ぜひ、押さえておきたい見ごたえ抜群の3本だ。




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