豪華キャストが揃った映画『パイレーツ: 失われた王家の秘宝(原題:海賊:鬼の旗)』が、韓国で公開初日からボックスオフィス1位を獲得するなど、大きな話題を呼んだ。キャストの一人であるクォン・サンウは、デビューして22年というベテランの域に入り、俳優人生で“初の時代劇”、“初の悪役”に挑戦した。そんな彼が、新たな一歩を踏み出すに至った経緯や、本作に対する思い、また、彼の家族の話も交えながら赤裸々に語ってくれた。
新たな挑戦の機会がまだ残っているというのは、いまだかつてない原動力につながることがある。ベテランにとってはなおのことだ。

俳優生活22年目にして、初の悪役に挑んだクォン・サンウ。(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:SU COMPANY)
映画『パイレーツ: 失われた王家の秘宝(以下、パイレーツ2/原題:海賊:鬼の旗)』(監督:キム・ジョンフン)に出演した、俳優クォン・サンウも例外ではない。
デビュー22年目で、演技にも現場にも慣れたものだ。しかし今回、“初の時代劇”と“初の悪役”というテーマは、彼に一味違った力をプレゼントした。
「これまでとは違う姿を見せる時がきた」と、幸せだった撮影現場の裏話を語ってくれた。
必然性を持って演じた悪役、ブ・フンス
韓国で1月26日に公開された『パイレーツ2』は、跡形もなく消えた王室の宝を懸け、海に集った海賊たちのスペクタクルな冒険を描いた物語だ。本作でクォン・サンウは、映画『探偵なふたり(邦題/2015)』以来、7年ぶりにキム・ジョンフン監督と再タッグを組むことになった。
「約2年間、(新型コロナウイルスのせいで)韓国映画がほとんど公開されず、歯がゆい思いをしましたよね。『パイレーツ2』は、海を舞台にしたアドベンチャー映画で、痛快な場面がたくさんあります。だから、久しぶりに皆さんの気持ちをスカッとさせる映画になるのではないかと、期待しています」

『パイレーツ: 失われた王家の秘宝』で高難度のアクションにも挑戦。(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:SU COMPANY)
クォン・サンウ演じるブ・フンスは王室の宝を懸けて、ムチ(カン・ハヌル扮)とヘラン(ハン・ヒョジュ扮)率いる海賊たちと対立を繰り返す逆賊だ。生涯抱いてきた、自身の権力欲と野望のためなら、手段と方法を選ばないほど、猛烈な勢いを持った人物でもある。
「悪役ですが、私は必然性を持って演じました。主人公の行く手を阻む人物でも、自身の目標を達成するために、全身全霊で努力する人だと思ったんです。ブ・フンス自体は単純な性格ですね。(周囲が)コミカルで軽快な雰囲気の中、一人だけ真摯なキャラクターです。最後まで役の持つ重みとかっこよさを守りつつ、緊張感を作り出すために現場では一線を引きました」
クォン・サンウは、圧倒的なカリスマ性のあるブ・フンスを表現するため、高難度のアクションを身につけた。またそれだけでなく、海賊たちとの激しい対立構造を維持し、作品のバランスをしっかりと握っている。彼の余裕を感じさせるアクションと、貫禄あるカリスマ性は、『パイレーツ2』の独自性を出すのに決定的な役割を果たした。
アクションは常に準備万端であることが必須
「剣術アクションは初めてでした。どちらか一方が少しでもミスすると、2人ともけがをする恐れがあるので、意外とストレスを感じましたね。実は私は、素手でやるアクションが好きなんです。そういう運動をたくさんしてきたし、体も(それを)覚えていますし」
(関連記事)カン・ハヌル『パイレーツ2』は「’海賊’と’閉所恐怖症’との戦いだった」
剣術のシーンでは、体の一部の肉が削げるほどの大けがを負ったという。

自分の目的のためなら手段を選ばない男、ブ・クンス(画像出典:movie.naver)
「骨が見えるほどで、縫合が必要な深い切り傷だったんです。撮影後半にはアキレス腱を断裂して、ギプスをしたまま撮影するなど、少し残念な思いが残っています。それでもできあがったものには満足していますね。今でも週に4日ほど、1時間のウエートトレーニングは欠かせません。最近は、メディア環境が今までより速く、大きくなったじゃないですか。それに合わせていくには、俳優も体を使った動き(表現)が必要だと思います」
演技においては、「アクションもとても重要な部分」だと断言する。
「戦うシーンに限ったことではなく、俳優の動き方によって表現されるものが違うんですよ。ロマンスやコメディー作品なども同じです。だからもっと上達したいし、常に準備が整っている必要があるのがアクションですね」
時代劇も悪役も、今回が初となるクォン・サンウにとって、本作への出演自体が挑戦だった。
デビュー22年に至るまで、アクション、ロマンス、コメディーなど、ジャンルを問わず全てにおいて活躍してきたが、一度も通ったことのない道は、やはり漠然とした恐怖があった。この大きな選択を目の前にして、妻で女優のソン・テヨンと、息子のルクヒ君という家族の応援は、彼の大きな力になったと言う。

息子が褒めてくれたと目を細めるクォン・サンウ。(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:SU COMPANY)
「時を重ねる中で、(自身の)多様性や、どこまで成長できるのか考えるようになります。 “クォン・サンウは、ああいうこともできるんだね”そんな風に感じてもらいたいんです。妻は私にとって、良い言葉をたくさんかけてくれるんですが、(今回も)すごく前向きに、“挑戦してみたら?”と言ってくれたんですよ」
対して息子ルクヒ君はと言うと‥。
「息子は最近思春期なので、話しかけてもいつもは短く返事するだけなんですが、(今作に関しては)先にメールを送ってきて“YouTube(ユーチューブ)で映画の予告編を見たんだけど、レビューも良かったし面白そうだね”って。息子は、父親が俳優だというプライドはあるようなんですが、私の作品を自ら進んでは見ないですね。まだ私に対してそれほどの関心がないようです」
一番好きな芸能人は「G-DRAGON(ジードラゴン)らしいんですけど(笑)。私が“*GDに会わせてあげようか?”と言うと、“そんなことできるの? パパって何様なの?”って‥。こんな感じです(笑)」
*GD:G-DRAGONの略
最後に彼は、作品に出演する際の率直な気持ちを語ってくれた。

『パイレーツ: 失われた王家の秘宝』撮影ビハインド(画像出典:movie.naver)
「作品を撮影する時、いつもこう思うんです。俳優としての危機感、崖っぷちに立っているんだと。おそらくこれは、私だけの悩みではないと思います。今回の作品で結果が良くないと、いつでも(崖から)落ちるんだという危機感を持って、撮影に取り組んでいます。だからこそ、さらに頑張れますし」
商業映画を撮りながら、興行成績に対する負担は「ないと言えば嘘になる」と言う。
「興行成績も重要なので、いつも追い詰められていますが、同時に作品自体もたくさん愛されて、私の演技も多くの人に見てもらいたいというのが願いです」
『パイレーツ2』で、出演作史上最も強烈な一面を見せたクォン・サンウは、映画『クリスマスプレゼント(仮題)』『私たちは育つ』など、今後も精力的な活動を続けていく予定だ。
彼の次なる挑戦への期待は、すでに高まっている。
(スポーツ韓国 チョ・ウネ記者 / 翻訳・構成:西谷瀬里)
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