今年7月に公開した映画『半島』の主演女優イ・ジョンヒョン。演技だけでなく歌手としても活動していた彼女は、過去に『NHK紅白歌合戦』に出演した経歴を持っている。イ・ジョンヒョンのこれまでの活動を振り返ってみる。
俳優カン・ドンウォン、女優イ・ジョンヒョン主演の映画『半島』が、コロナ時代にも興行旋風を巻き起こし、7月15日の公開から4週間で378万人の観客を集めて、今夏の韓国映画界を起死回生させた。
『半島』は『新感染 ファイナル・エクスプレス(原題:釜山行)』から4年、前代未聞の災難で廃墟と化した地に残された者たちが繰り広げる死闘を描いたアクション・ブロックバスター映画だ。
劇中、イ・ジョンヒョンが演じるキャラクターは、母性愛のために廃虚の地で生き残ったミンジョンという女性。自身の子供を守るためにゾンビとの死闘を繰り広げ、母親として強靭な獣のように、時に”女戦士”のように生きていこうとする人物だ。
セリフの一言一言、動作や表情など、イ・ジョンヒョンが演じるキャラクターから溢れ出るエネルギーは、”歌手”というより”女優”という呼称が、よりしっくりくる。彼女が、歌手として永らく呼ばれてきた”テクノの女王”というニックネームは、本来の姿を隠すためのカモフラージュのように感じ、映画界の期待を一身に受けた有望株が、遠回りをして本来の根源に帰還したと言っても良いほどだ。
イ・ジョンヒョンは、1996年に公開された映画『花びら』で彗星のように現れ、その後、『バトル・オーシャン 海上決戦』(2014)『軍艦島』(2017)などの映画に出演。特に、2015年の映画『誠実な国のアリス』を通じて、青龍映画賞(韓国最大の映画の祭典)で主演女優賞の栄冠を手にした。
演技だけでなく、歌手活動でも大活躍を遂げ、イ・ジョンヒョンは『Crazy』『Change』などの曲で強烈なステージを魅せてきた。カリスマあふれる姿と、独特なパフォーマンスで”テクノ”を流行させて、前記のとおり”テクノの女王”というニックネームを得たのだ。
また、2003年から2004年に日本で放映されたドラマ『美しき日々』にも出演しており、その挿入歌『Heaven』の日本語版で日本デビュー。同作のヒットが後押しし、2004年末には日本でのCDデビューからわずか2週間で『NHK紅白歌合戦』に出場した。当時、独特な衣装と扇子の舞、小指の先につけた”指マイク”で日本のファンの視線をくぎ付けにした。
歌、演技など多彩な才能を持つイ・ジョンヒョンは、1980年生まれの40歳。2019年4月に3歳年下の整形外科医と結婚し、最近では、KBSバラエティー番組『新商品発売~コンビニレストラン』を通じて、プロ主婦としての優れた料理の腕前を公開して料理本も出版した。”八色鳥(八つの色を持っている鳥、多彩な魅力という例え)”、”千の顔”という表現は、イ・ジョンヒョンのための言葉ではないかと思うほどだ。
このように、芸能界の大部分の領域で最善を尽くし、充実した人生を送っているイ・ジョンヒョン。この夏、”女戦士”としてより一層輝いている彼女は、”忠武路(チュンムロ / 過去映画製作所が多く、韓国映画のメッカと呼ばれた街)を代表する女優”という修飾語が似合うほど、名女優としての地位を築き上げた‥と言っても過言ではないかもしれない。
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