今月韓国で公開された映画「82年生まれ、キム・ジヨン」で、女性主人公ジヨンの夫役を熱演した俳優コン・ユ。日本でも同作品の小説がヒットしていることから、近い将来日本でも映画が公開されるのではないかと予想される。今回コン・ユがインタビューを通じて作品に込められた真の意味を伝えた様子をご紹介。

韓国で販売部数100万部を超えるベストセラーとなった「82年生まれ、キム・ジヨン(原題 82년생 김지영)」。

韓国で社会現象を巻き起こしている82年生まれキムジヨン

韓国で社会現象を巻き起こしている「82年生まれ、キム・ジヨン」(写真提供:©スポーツ韓国 画像出典:ロッテエンターテインメント)

日本でも翻訳出版され、14万部突破という異例の大ヒットを遂げて話題を集めている。

BTS(防弾少年団 / 愛称 バンタン)のメンバーRM(本名 キム・ナムジュン)も、NAVERのVライブを通じて「示唆する部分が多くて、色々なことを感じました」と言及したこともあるこの作品は、韓国で映画化されて公開5日目で100万人を動員するなど社会現象を巻き起こしている。

主人公のジヨンをチョン・ユミ、ジヨンの夫デヒョン役をコン・ユが演じており、小説がヒットした点と、日本にも多くのコン・ユのファンがいる点で、いずれ日本でも公開されると予想される。

表面では和やかでも、傷ついているかもしれない

シナリオを読んで家族が思い浮かんだというコンユ

シナリオを読んで家族が思い浮かんだというコン・ユ(写真提供:©スポーツ韓国 画像出典:マネージメント林)

コン・ユは「82年生まれ、キム・ジヨン」への出演を通じて伝えたいことを打ち明けた。

結婚と出産を経て危うい日常を送っているジヨンの夫を演じたコン・ユは「シナリオを読んで一番初めに思い浮かんだのは家族です」と伝えた。

「お母さん、お父さん、姉二人が思い浮かびました。家族のことを考えているうちに“自身はどのように育ったのかな?”と気になりました。母に電話をして“私をどのように育てましたか?”と尋ねました」とし「自身の考えでは、実家は和やかで、父が典型的な釜山(プサン)の男性なのに亭主関白な雰囲気ではなかったように思います。姉たちの意見を聞いてみなければ分かりませんが(笑)」と述べた。

コン・ユがこの言葉を通じて伝えたかったことは、表面的には和やかな家庭でも、誰か傷ついている人がいるかもしれない。

どのような環境でどのように育ったかによって、この映画を観る基準と視線が変わるということだろう。

人は簡単に変わらない..

結婚出産後に様々な葛藤を見せる夫婦を演じるコンユ

結婚・出産後に様々な葛藤を見せる夫婦を演じる..(写真提供:©スポーツ韓国 画像出典:ロッテエンターテインメント)

30代で家長であるデヒョン(コン・ユ)は、子供を出産して専業主婦になった後、今までとは少し違った様子をみせる妻のジヨンをただただ見守る。

疲れたそぶりは見せないが、時々他人のようになるジヨン。

ストレスが極限に達した時、突然出てくるジヨンの突発的な行動に“妻の全てを知っていると思ったが違ったようだ”とデヒョンも大変な思いをする。

「君が僕の嫁になったために、このような状態になってしまった..」と胸を痛め、再就職を望むジヨンのために育児休暇を取ろうとするデヒョン。

この情景に対してコン・ユは「デヒョンは繊細で優しすぎるのですが、時々空気が読めない所があります。多分それがジヨンをさらに疲れさせているのでしょう」と伝えた。

しかし「結果的にはこのようなデヒョンの設定で良かった思います。もしデヒョンが普段は無関心で妻の心配をしないのに、妻が苦しんでいるからと突然ドラマの主人公のように変わった様子を見せたら、それこそ非現実だと思います」とし、現実にいるようなリアリティーのあるデヒョンのキャラクターと、人は簡単に変わることは出来ないという事を伝えた。

結婚に対する憧れは全て壊れた..

結婚に対する憧れが壊れたと語るコンユ

結婚に対する憧れが壊れたと語るコン・ユ(写真提供:©スポーツ韓国 画像出典:マネージメント林)

夢が多かった若かりし頃、すべてに自信が溢れながら職場での生活を経て、今はある子供の両親として生きていくジヨンとデヒョン。

突然変わった日常の中で、胸が重苦しくなるジヨンと、そのようなジヨンを見守って共に苦しみを感じるデヒョンの姿は、既婚者ならば共感を得るかもしれない。

その反面、未婚の男女にとっては、結婚に対する憧れを無惨に破る現実でもある。

現実の世界で未婚のコン・ユは「結婚に対する憧れは全て壊れました(笑)」と語った。

「結婚のファンタジーは一つもないです。30代後半からそう思っていました。本来早く結婚したかったのですが、30代後半を過ぎてから結婚が必須ではないという考えが固まりました」とし「結婚に対する憧れがない状態で映画を撮影したので、大きな変化はありません。結婚というのは、してもしなくてもどちらでもよいと思います。本人の選択でしょう」と伝えた。

さらに「私も両親に結婚は強制しないで欲しいと伝えています。両親は理解してくれていますが、理解させることは容易ではありません」と付け加えた。

自分自身の思いに率直に従いたい..

自身が演じたい役で俳優を続けると語ったコンユ

コン・ユは今後も自身が演じたい役で俳優を続けると語った(写真提供:©スポーツ韓国 画像出典:マネージメント林)

コン・ユにとって「82年生まれ、キム・ジヨン」は色々な面で特別だ。

2016年「釜山行き」「密偵」、tvNドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」など三編の作品でシンドロームを巻き起こし、2年の休息を経て選択した作品であるためだ。

多くのラブコールを断って選択した復帰作であるだけに、大衆の期待は大きい。

コン・ユは、「82年生まれ、キム・ジヨン」で、より一層深い感情演技で思慮深いキャラクターを描き出して完成度を加えた。

何より彼のキャスティングで「82年生まれ、キム・ジヨン」に対する先入観と誤解が無くなったという評価を受けている。

「原作の小説が社会的なイシューになり、物語に共感できるとか出来ないとか様々な話を聞きますが、俳優は中立的な立場を取ることだと思います。とにかく私は演技者として私が共感したので「82年生まれ、キム・ジヨン」を選択しました」と伝えた。

さらに「この作品を選択するのに“勇気”という単語がなぜ必要なのかも分かりませんが、重要なことは私が演じたいということでした。知人たちや関係者たちからは“なぜあえてこの映画を選択したの?”と言われたりもしましたが、私の決定は思ったよりもシンプルでした」とし、自分自身の思いに率直に従って、やりたい作品だけを選択しながら今後も俳優生活を続けて行きたいと語った。

コン・ユ

マネジメントSOOP所属の俳優コン・ユ(ハングル 공유)。1979年7月10日生まれ。

“コン・ユ”という芸名は両親の苗字から付けられたもので、本名は、コン・ジチョル。

2000年、Mnet VJ 7期として芸能界にデビューしたコン・ユは、2001年KBSドラマ『学校4』を通じて演技者としてデビュー。

2007年、日本でも人気を博したドラマ『コーヒープリンス1号店』が大ヒットし、この年MBC演技大賞で優秀賞を受賞。当ドラマは、コン・ユの出世作となった。

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